病気事典[家庭の医学]
こうくうねんまくのじょくそうせいかいよう
口腔粘膜の褥瘡性潰瘍
口腔粘膜の褥瘡性潰瘍について解説します。
執筆者:
北海道大学大学院歯学研究科口腔診断内科学教授
北川善政
北海道大学大学院歯学研究科口腔診断内科学講師
山崎 裕
原因は何か
むし歯やつめ物(充填物(じゅうてんぶつ))などによる歯の鋭利な出っ張り、合わなくなった入れ歯や金属冠、歯並びからはみ出した歯などによる慢性的な機械的刺激によって血行が悪くなり、上皮が壊死(えし)・脱落して生じます。
パーキンソン病や薬剤による口腔の不随意(ふずいい)運動(オーラルディスキネジア)や自分で舌や唇を噛む癖(自咬癖(じこうへき))によっても生じることがあります。
症状の現れ方
歯が原因になっているものでは、舌のへりや頬の粘膜に潰瘍が生じます。入れ歯によるものでは下あごの内側(舌側)にできることが多いようです。いずれも潰瘍は比較的浅く、凸凹が少なく平滑で、灰白色ないし黄白色、時に赤色を示します。
通常、周囲の粘膜はわずかに盛り上がるだけですが、長引くと周囲が硬くなりしこり(硬結(こうけつ))になることがあります。潰瘍には接触痛や刺激痛はありますが、自発痛はあまりありません。
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情報提供元 :
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