病気事典[家庭の医学]

ゆうつうせいがいけいこつ

有痛性外脛骨

有痛性外脛骨について解説します。

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どんな病気か

足部にはさまざまな部位に過剰骨(退化して本来なら存在しない余分な骨)があることがありますが、外脛骨(がいけいこつ)も足部中央の内側にある過剰骨のひとつで、日本人では5人に1人程度の割合でみられます。

普通は痛みを伴いませんが、小学校高学年以降に激しいスポーツを行うようになると、外脛骨が原因で痛みを生じることがあり、これを有痛性外脛骨といいます。

原因は何か

靴による圧迫や捻挫(ねんざ)を契機に発症することがあります。外脛骨と舟状骨(しゅうじょうこつ)との間の結合部が損傷され、わずかに動くことにより痛みを生じます。

女子に多く発症し、扁平足(へんぺいそく)が発症に関与しているといわれています。

症状の現れ方

スポーツ活動中や活動のあとに、足部中央の内側に疼痛(とうつう)を自覚するようになります。

本来ならば存在しない過剰な骨であるため、骨の大きさだけ膨隆(ぼうりゅう)し、押すと痛みを伴います。激しい痛みではありませんが、スポーツ活動に支障を来します。

検査と診断

X線検査で外脛骨があることがわかれば、臨床症状と合わせて診断は比較的容易につきます。

治療の方法

ジャンプやダッシュなど足部に負担のかかるスポーツ活動を3週間程度中止し、筋力トレーニングなど局所に負荷のかからないものに限るようにします。

症状が改善しない場合には、アーチサポート付きの足底挿板(そくていそうばん)を装着することで外脛骨部への負荷を軽減します。さらに疼痛が続き、スポーツ活動への早期復帰を目指す場合には、手術的に摘出術や接合術を行う場合があります。

病気に気づいたらどうする

有痛性外脛骨の診断が確定すれば、症状は骨の成長とともに改善することが多いので、焦らずに痛みを生じない程度のものだけに運動を制限して回復するのを待ちましょう。

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