病気事典[家庭の医学]

こうあくせいしゅようやくによるしんけいしょうがい

抗悪性腫瘍薬による神経障害

抗悪性腫瘍薬による神経障害について解説します。

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どんな病気か

がん細胞を特異的、選択的に死滅させる薬はなく、多かれ少なかれ正常細胞にも影響を及ぼすため、がん治療は副作用との闘いともいえます。化学療法の多くは神経細胞に対して毒性を示すことが多く、神経症状が起こることがありますが、投与経路、用量、放射線療法との併用の有無などにより、その発生頻度は異なります。

症状の現れ方

メトトレキサートは、大量投与や髄腔内(ずいくうない)への反復投与により進行性白質脳症(はくしつのうしょう)、脊髄症(せきずいしょう)を生じ、認知症(にんちしょう)、意識障害、振戦(しんせん)(震え)、失調、けいれん、運動麻痺などを起こします。フルオロウラシル(5‐FU)などのフッ化ピリミジン系製剤も亜急性(あきゅうせい)白質脳症を起こします。ビンカアルカロイド系のシスプラチンは末梢神経の代謝を損い、感覚・運動・自律神経障害が生じることがあります。

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