病気事典[家庭の医学]
がんせいきょうまくえん
がん性胸膜炎
がん性胸膜炎について解説します。
執筆者:
川崎医科大学附属川崎病院副院長・呼吸器病センター長
沖本二郎
症状の現れ方
胸痛(深呼吸や咳(せき)で増悪(ぞうあく)するのが特徴)、咳などの症状が現れます。胸水が大量にたまってくると、呼吸困難を自覚するようになります。発熱を来すことは少ないようです。
検査と診断
胸部X線検査で胸水がたまった像を認め、胸腔穿刺(きょうくうせんし)(針を刺す)により、胸水中からがん細胞が証明されれば診断が確定します。胸水の特徴として、血性であること、リンパ球が増加していること、CEAなどの腫瘍マーカーが高値であることが、補助診断として役立ちます。
胸水の検査だけで診断が得られない場合には、胸腔鏡を用いて胸腔内を観察し、病変部位を生検して、がん細胞を証明することもあります。
治療の方法
胸腔ドレナージを行い、胸水が減った時点でアドリアマイシンなどの抗がん薬やピシバニールを注入し、胸水が再びたまるのを予防します。同時にシスプラチンなどの抗がん薬の全身投与を行います。
しかし、多くの患者さんの予後は極めて不良です。
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