病気事典[家庭の医学]
きょうまくしゅよう
胸膜腫瘍
胸膜腫瘍について解説します。
執筆者:
川崎医科大学附属川崎病院副院長・呼吸器病センター長
沖本二郎
胸膜とは、肺の表面をおおう臓側胸膜(ぞうそくきょうまく)と、胸壁、横隔膜(おうかくまく)、縦隔(じゅうかく)をおおう壁側胸膜(へきそくきょうまく)からなっています。胸膜の表面は、中胚葉(ちゅうはいよう)由来の中皮細胞でおおわれており、この胸膜に発生した腫瘍を、胸膜腫瘍(きょうまくしゅよう)と呼びます。
胸膜腫瘍は、原発性と転移性腫瘍に分類されますが、大部分は、他臓器のがんによる転移性腫瘍です。胸腺(きょうせん)がんや腎(じん)がんからの転移が多いといわれています。
胸膜原発腫瘍のなかで最も頻度が高いのは、胸膜の中皮細胞から発生する胸膜中皮腫(きょうまくちゅうひしゅ)であり、良性と悪性に分類されます。
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