病気事典[家庭の医学]
いま、とくにきをつけるびょうき
今、とくに気をつける病気
今、とくに気をつける病気について解説します。
執筆者:
(財)淳風会倉敷第一病院呼吸器センター長
松島敏春
新型インフルエンザの恐怖
ここ数年、鳥インフルエンザ(H5N1株)が注目され、その株がヒトの間で大流行するように変異し、新型インフルエンザとなるのではないかと予想されていました。ところが2009年メキシコで豚由来のH1N1株によるインフルエンザの流行が始まり、瞬く間に世界中に広がり、新型インフルエンザとされて、世界ことに日本で恐慌を来しました。このインフルエンザに関する正確なデータはいまだ出ていませんので、その評価は後日に待つべきですが、本書でもコラムの項を始め数カ所で記載されています。
今、呼吸器の病気で注目されること
主な疾患に対して一定水準以上の診療を受けていただくために、ガイドラインが用意されてきています。
呼吸器の病気に対しては、日本呼吸器学会が以下のガイドラインを発表しています。
・成人市中肺炎診療ガイドライン(2005年・2007年)
・成人院内肺炎診療ガイドライン(2008年)
・成人気道感染症診療の基本的考え方(2003年)
・咳嗽に関するガイドライン(2005年)
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン(2004年、第三版2009年)
・酸素療法ガイドライン(2006年)
・薬剤性肺障害の評価、治療についてのガイドライン(2006年)
・ALI/ARDS診療のためのガイドライン(2005年)
・漢方薬治療における医薬品の適正な使用法ガイドライン(2005年)
・特発性間質性肺炎診断と治療の手引き(2004年)
・禁煙治療マニュアル(2009年)
があります。
また、参考として「喘息予防・管理ガイドライン(厚生省〔現厚生労働省〕研究班2003年)」があります。
日本呼吸器学会のホームページはhttp://www.jrs.or.jpです。
本編の分類、編成について
呼吸器の病気として最初に、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支の感染症であり、最も頻繁にみられる“かぜ症候群”について述べました。続いて、肺の病気に移り、まず感染症としていろいろの原因による肺炎について、次に特殊な感染症である結核について述べました。
4番目にアレルギーによる肺の病気、たとえば気管支喘息などを、5番目に慢性気管支炎、肺気腫などの閉塞性肺疾患について述べていきます。続いて慢性間質性肺炎などの肺の拘束性 (こうそくせい)疾患、肺の悪性腫瘍(しゅよう)、すなわち肺がんと続け、肺の血管系の病気、その他の肺疾患の順としました。
そのあとに、胸膜の病気、縦隔の病気、横隔膜の病気、の順に解説しています。
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