病気事典[家庭の医学]
しんぞうでんきせいりがくてきけんさ
心臓電気生理学的検査
心臓電気生理学的検査について解説します。
執筆者:
東京医科歯科大学医学部循環制御内科学准教授 平尾見三
心臓電気生理学的検査の解説(コラム)
心腔内心電図(しんくうないしんでんず)
心臓の電気的興奮を体の表面に置いた電極から記録したものが、(体表)心電図です。心電図は循環器疾患の診断には大変有用ですが、不整脈の詳細な診断には少し大ざっぱなところもあります。
心臓の内側に2つの小さな電極を直接接触させると、その2つの電極の間にある心房(または心室)の電気的興奮が直接記録できます。それを心腔内心電図といいます。
電気刺激
心腔内心電図を記録できる電極に外部から微弱な電流を流すと、心腔内のその場所を興奮させる(電気刺激する)ことが可能です。太い静脈や動脈を経由して先端に電極のついたカテーテルを心臓の特定の場所に置いた状態で、いろいろなタイミングで電気刺激を加えたり、電気的興奮を記録することにより、徐脈(じょみゃく)の診断が可能です。また、心臓の壁の内に興奮の波がグルグルと同じところを回る回路をもつ頻脈(ひんみゃく)(リエトリー性頻脈という)は、この電気刺激によって誘発することができるので、頻脈の確定診断も可能です。
このように、心腔内心電図を記録しながら電気刺激を加えることによって、不整脈の診断、評価をする検査を心臓電気生理学的検査といいます。
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