病気事典[家庭の医学]
しんぞういしょく
心臓移植
心臓移植について解説します。
執筆者:
東京医科歯科大学大学院循環制御内科学教授
磯部光章
心臓移植の解説(コラム)
ほかの方法では改善が見込めない重症慢性心不全の治療法です。脳死ドナー(臓器提供者)からの提供があって成り立つ医療ですし、現在はドナーの数が限られているので、心臓移植の必要性を外部の機関で十分に検討し、(社)日本臓器移植ネットワークに登録をして待機します。
人工心臓は原則として、移植のドナーが現れるまでの間をしのぐために使われます。
心臓以外に重大な病気のない比較的若年の人が、心臓移植の対象になります。移植を受けた人の生活の質(QOL)は著しく向上し、過半数の人が10年以上生存します。
ただし、急性拒絶反応を予防するために免疫抑制薬をのみ続けなければならず、感染症などの副作用に常に注意が必要になります。また、数年の経過で慢性拒絶反応といわれる冠動脈硬化が現れることが問題になっています。
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