病気事典[家庭の医学]
しょうこうせいていけつあつしょう
症候性低血圧症
症候性低血圧症について解説します。
執筆者:
横浜南共済病院循環器内科部長
西崎光弘
原因は何か
症候性低血圧症の原因となる病気を表12に示します。原因疾患にはさまざまなものがありますが、最も重要なのは心臓疾患に伴う心機能の低下(ポンプ失調)と不整脈であり、頻度の多いものとして血管拡張薬などの薬物投与および血液、血漿(けつしょう)、水分、電解質などの喪失による血管内容量の低下(循環血液量減少)があげられます。
症状の現れ方
症候性低血圧は、原因疾患によって症状の現れ方は異なります。
出血・脱水などの循環血液量の減少や敗血症(はいけつしょう)ショック、心不全などの心機能低下や重症不整脈、薬物中毒などでは急性に低血圧症状が現れます。一方、内分泌疾患や神経疾患および代謝性疾患では、低血圧症状が慢性の経過をとることが多いとされています。
検査と診断
症候性低血圧症は原因疾患を診断することが大切です。まず、スクリーニング検査が行われ、貧血症、糖尿病、感染症、徐脈性(じょみゃくせい)不整脈や薬物中毒などの鑑別を行います。次に、心疾患、内分泌疾患および神経疾患について表13のように各種検査が行われます。
病気に気づいたらどうする
低血圧症状の出現が急激な場合や、症状の程度と持続が著しい場合は症候性低血圧症を考えて、専門医(内科)の診察を受けることが重要です。原因疾患によっては、診察が遅れることにより、治療が難渋して、重症の経過をとることがあるため注意を要します。
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