病気事典[家庭の医学]
もええつきしょうこうぐん
燃えつき症候群
燃えつき症候群について解説します。
執筆者:
淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授
丸山 晋
燃えつき症候群の解説(コラム)
バーンアウト症候群ともいわれます。1980年代初め、アメリカの医師フロイデンベルガーが提唱した病態で、モラール(勤労意欲)の高い理想家肌の人が、ホスピスや障害児(者)の施設で働いているうちに、無力感を感じ、慢性に疲労を訴え、やる気をなくし、心身の不調を訴えることに対して用いられました。つまり最初は、職場における一種の職業病という観点でみられていました。
その後の研究で、このような病態は看守、教師、医師、看護師、長距離トラックの運転手など、多くの職種においてみられることがわかってきました。こうした人たちはうつ病と類似の症状(無気力、易(い)疲労感、いらいら、不眠など)を訴えるため、抗うつ薬の投与などが試みられてきましたが、あまり効果がないことがわかりました。
かといって休養すれば回復するものでもなく、いまだ治療法は十分確立しているとはいえません。心身の自然な活力の復活を目指した認知行動療法や、精神療法を含めた人間学的な接近が必要とされています。
情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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