病気事典[家庭の医学]
しきゅうこうてんしょう(しきゅうこうけいこうくつしょう)
子宮後転症(子宮後傾後屈症)
子宮後転症(子宮後傾後屈症)について解説します。
執筆者:
川口誠和病院産婦人科部長
竹内 亨
どんな病気か
子宮は通常、前傾前屈(ぜんけいぜんくつ)の位置をとっていますが、後傾後屈の位置をとる状態を子宮後転症(子宮後傾後屈症)と呼びます(図4)。正常女性の約20%に認められるといわれています。
とくに障害を伴わない場合は病気とはみなしません。子宮後転症はかなり以前には病的と考えられ、手術が行われていた時代もありましたが、現在では治療の対象とは考えられていません。
原因は何か
大部分は可動性であり、病気ではありません。
骨盤内の炎症や子宮内膜症(しきゅうないまくしょう)などが原因で、子宮と直腸あるいは骨盤腹膜と癒着(ゆちゃく)し、非可動性の子宮後転症になっていることもあります。
この場合には、原因疾患による症状が現れることはありますが、子宮後転症そのものによる特有な症状というものはありません。
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