病気事典[家庭の医学]
すたーじうぇーばーしょうこうぐん
スタージ・ウェーバー症候群
スタージ・ウェーバー症候群について解説します。
執筆者:
久留米大学医学部皮膚科学准教授
安元慎一郎
スタージ・ウェーバー症候群の解説(コラム)
スタージ・ウェーバー症候群は母斑症のひとつで、発生頻度は約1万人に1人と考えられています。遺伝的素因は証明されていません。
生まれつき、顔の皮膚と脳軟膜(のうなんまく)、眼内の脈絡膜(みゃくらくまく)という部位に血管腫(けっかんしゅ)を生じる病気です。実際にこれらすべての症状がみられることは多くありません。皮膚の血管腫による赤あざは最も頻度の高い症状で、片側性に顔面上半分にしばしばみられます。また、脳軟膜の血管腫の影響で、けいれん発作や麻痺(まひ)、知能低下などの症状がみられることがあります。
脈絡膜の血管腫は乳幼児期から眼の内部の圧力(眼圧)を上昇させるため、眼球が大きくなります(牛眼(ぎゅうがん))。時には失明に至ることがあり、注意が必要です。
早期にけいれん発作に対する投薬と眼圧のコントロールを行います。重症の場合、手術による治療が選択されることもあります。また、顔の赤あざにはレーザーによる治療が行われています。通常、命に関わるような問題は多くありません。
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