病気事典[家庭の医学]
ぎせいふくこうじょうせんきのうていかしょう
偽性副甲状腺機能低下症
偽性副甲状腺機能低下症について解説します。
執筆者:
東京女子医科大学東医療センター小児科教授
杉原茂孝
症状の現れ方
低カルシウム血症の症状として、しびれ感、テタニー、けいれん(すべての形)、喉頭けいれん・気管支けいれん、歯牙(しが)発育障害などがあります。甲状腺刺激ホルモン(TSH)や性腺刺激ホルモン(LH、FSH)に対する不応症を合併し、甲状腺機能低下症や無月経などの性腺機能不全を示す場合もあります。タイプIa(後述)では、円形顔貌(がんぼう)、低身長、第4中手骨の短縮、皮下骨腫(ひかこつしゅ)などのアルブライト骨異栄養症(こついえいようしょう)(AHO)が認められます。
検査と診断
血液検査で低カルシウム血症(アルブミン補正値8・5㎎/dl未満)、高リン血症(4・5㎎/dl以上)があり、インタクトPTHが30pg/ml以上なら本症が疑われます。確定診断にはエルスワース・ハワード試験を行い、その結果でタイプIa、Ib、IcとタイプⅡの4型に分類されます(表24)。
タイプIaでは大脳基底核(きていかく)の石灰化がCTスキャンでよく認められます。AHOを認められても低カルシウム血症のないものは、偽性偽性副甲状腺機能低下症と呼ばれます。
治療の方法
テタニーやけいれんを起こしている時には、カルシウム製剤(カルチコール)を静脈注射により投与します。明らかな症状がなければ、活性型ビタミンD製剤のアルファカルシドール(アルファロール、1~2μm/日)やカルシトリオール(ロカルトロール0・5~1μm/日)の内服が行われます。
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情報提供元 :
(C)株式会社 法研
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