病気事典[家庭の医学]
ししついじょうしょう(こうしけっしょう)
脂質異常症(高脂血症)<子どもの病気>
脂質異常症(高脂血症)<子どもの病気>について解説します。
執筆者:
新潟大学医歯学総合病院小児科講師
菊池 透
どんな病気か
血液中の総コレステロールやLDLコレステロール、中性脂肪が増加したり、HDLコレステロールが低下した状態をいいます。将来動脈硬化(どうみゃくこうか)を引き起こす状態です。
原因は何か
遺伝による原発性高脂血症(げんぱつせいこうしけっしょう)と、肥満症や糖尿病等の疾患に伴う二次性高脂血症(にじせいこうしけっしょう)があります。腎(じん)疾患や甲状腺(こうじょうせん)疾患などでも脂質異常症を伴います。原発性高脂血症の主なものは、家族性高コレステロール血症と家族性複合型高脂血症です。
症状の現れ方
一般に無症状で、検査で発見されます。したがって、小児期の脂質検査は重要です。ただし、家族性高コレステロール血症では、まぶたの黄色腫で発見されることもあります。また、動脈硬化の進行が早く、30代で心筋梗塞を起こすことがあります。
検査と診断
朝食を食べずに採血し、総コレステロール220㎎/dl以上、LDLコレステロール140㎎/dl以上、HDLコレステロール40㎎/dl未満、中性脂肪140㎎/dl以上のいずれかの場合、脂質異常症と診断します。次は、原発性高脂血症かどうかが重要ですので、親が同様の検査結果かどうかを確認します。
LDLコレステロール高値、中性脂肪が正常で、肥満がない場合は、家族性高コレステロール血症が疑われます。家族性複合型高脂血症では、LDLコレステロールと中性脂肪の高値があり、肥満傾向がある場合が多いです。原発性高脂血症でない場合は、肥満症、糖尿病に伴うものが多いので、その検査が必要になります。
治療の方法
原発性高脂血症の場合は、食事療法(コレステロール制限)や薬物療法が必要な場合もあります。その他の脂質異常症は肥満症に伴うことが多いので、肥満の治療に準じて対応します。
病気に気づいたらどうする
家族性高コレステロール血症が疑われた場合は、専門医療機関での検査、治療が必要です。その他の脂質異常症は、日常の生活習慣の改善が重要です。肥満があれば、その改善を目指しましょう。
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情報提供元 :
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