病気事典[家庭の医学]
ようれんきんかんせんごきゅうせいしきゅうたいじんえん
溶連菌感染後急性糸球体腎炎
溶連菌感染後急性糸球体腎炎について解説します。
執筆者:
新潟大学医歯学総合病院院長
内山 聖
溶連菌感染後急性糸球体腎炎の解説(コラム)
日本を含む先進国では、衛生環境の改善や抗生剤の普及により溶連菌感染後急性糸球体腎炎の発生数は減少しています。好発生年齢は6〜10歳で、2歳以下の発症はまれです。性別では男子に多くみられます。
典型例では、扁桃腺炎を患った1〜2週間後に急に尿量が減ってコーラ色になり、まぶたがむくんできます。
急性期は高血圧性脳症、腎不全、心不全などの重い合併症が起こることがありますので、食塩を減らした食事療法を主体に、降圧薬を使うこともしばしばあります。臨床症状は1週間くらいで改善しますが、顕微鏡的血尿はしばらく続きます。
成人では約30%が慢性化しますが、子どもではまれです。日本で最も多数例を調査した成績(Kasahara et al.:Pediatr Int 43,pp364-367,2001)でも、尿所見は1年以内に90%が改善し、4年以内には全例が正常化しています。
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