<警告>本剤は,ウイルス性肝疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで,本剤の服用が適切と判断される人に対してのみ使用します。
<基本的注意>*ダクラタスビル塩酸塩(ダクルインザ),エルバスビル(エレルサ)の添付文書による
(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/リファンピシン(
リファンピシン),リファブチン(
リファブチン),フェニトイン(
フェニトイン),ホスフェニトインナトリウム水和物(注射薬),カルバマゼピン(
カルバマゼピン),フェノバルビタール(
バルビツール酸誘導体),セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品の使用中
[ダクラタスビル塩酸塩のみ]デキサメタゾン(
副腎皮質ステロイド薬)(全身投与)の使用中/妊婦または妊娠している可能性のある人
[エルバスビルのみ]エファビレンツ(
エイズ治療薬(1))の服用中
(2)慎重に服用すべき場合……B型肝炎ウイルスに感染している人またはその前歴
(3)定期的に検査……本剤の服用によって肝機能障害がおこることがあるので,定期的に肝機能検査を行います。肝機能の悪化が認められた場合には服用を中止するなど適切な処置を行います。
(4)胎児などへの影響……[ダクラタスビル塩酸塩]本剤は,動物実験で胚・胎児致死作用,催奇形性作用などが報告されており,胎児などへの影響が疑われるので,妊婦または妊娠している可能性のある人は服用禁忌です。また,妊娠する可能性のある人が服用する場合は,事前に妊娠検査を行って妊娠していないことを確認し,服用中および服用終了後5週間は適切な避妊を徹底してください。服用中に妊娠が確認された場合や疑われた場合には,直ちに服用を中止します。
(5)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品……本剤の血中濃度が低下し,治療効果を弱めるおそれがあるので,本剤の服用中はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないでください。
(6)その他……
・妊婦での安全性……[エルバスビル]未確立。有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性……原則として服用しない。やむを得ず服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性……未確立。(
「薬の知識」共通事項のみかた)
<重大な副作用>(1)肝機能障害。
[ダクラタスビル塩酸塩のみ](2)肝不全(黄疸,腹水,肝性脳症など)。(3)多形紅斑。(4)血小板減少。(5)間質性肺炎(せき,呼吸困難,発熱,肺音の異常〈捻髪音〉など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
<その他の副作用>[ダクラタスビル塩酸塩]
(1)すぐに処方医に連絡する副作用……発疹,そう痒症,脱毛症/発熱,倦怠感,疲労,悪寒/頭痛,不眠症/下痢,悪心,食欲減退,腹部不快感,便秘,上腹部痛,口内炎,腹部膨満,嘔吐/関節痛,筋骨格硬直/鼻咽頭炎,口腔咽頭痛
(2)検査などでわかる副作用……好酸球増加症,貧血/ALT・AST・γ-GTP増加,血中ビリルビン増加,血中AL-P増加/高血圧/リパーゼ増加,血中アルブミン減少,血中リン減少
<併用してはいけない薬>リファンピシン(
リファンピシン),リファブチン(
リファブチン),フェニトイン(
フェニトイン),ホスフェニトインナトリウム水和物(注射薬),カルバマゼピン(
カルバマゼピン),フェノバルビタール(
バルビツール酸誘導体)/[ダクラタスビル塩酸塩]デキサメタゾン(
副腎皮質ステロイド薬)(全身投与)/[エルバスビル]エファビレンツ(
エイズ治療薬(1))→本剤の血中濃度が低下し,治療効果が弱まるおそれがあります。
<注意して併用すべき薬>[ダクラタスビル塩酸塩]
(1)併用すると本剤の血中濃度が上昇する薬剤……アゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール(
イミダゾール誘導体),イトラコナゾール(
深在性真菌治療薬)など),HIVプロテアーゼ阻害薬(アタザナビル(
エイズ治療薬(2)),リトナビル(
エイズ治療薬(2))など),コビシスタットを含有する製剤(
エイズ治療薬(2))(
エイズ治療薬(3)),クラリスロマイシン(
マクロライド),テラプレビル(
C型肝炎治療薬(抗ウイルス薬2))
(2)併用すると本剤の血中濃度が低下し,治療効果が弱まるおそれがある薬剤……エファビレンツ(
エイズ治療薬(1))
(3)本剤との併用で血中濃度が上昇する薬剤……ジゴキシン(
ジギタリス製剤),ロスバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬),アトルバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬),フルバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬),シンバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬),ピタバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬),プラバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬)
[エルバスビル]
(1)併用すると本剤の血中濃度が上昇する薬剤……HIVプロテアーゼ阻害薬(アタザナビル(
エイズ治療薬(2)),ロピナビル・リトナビル配合剤(
エイズ治療薬(2)),サキナビル(
エイズ治療薬(2)))
(2)併用すると本剤の血中濃度が低下し,治療効果が弱まるおそれがある薬剤……ボセンタン(
肺動脈性肺高血圧症治療薬(1)),モダフィニル(
ナルコレプシーに用いる薬),エトラビリン(
エイズ治療薬(1))
(3)本剤との併用で血中濃度が上昇する薬剤……ロスバスタチン(
HMG-CoA還元酵素阻害薬)
(4)本剤との併用で血中濃度が上昇するおそれがある薬剤……スニチニブ(
イマチニブ抵抗性がん治療薬)