<警告> 近年,バンコマイシンに対する耐性菌が増加しており,現在,バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症とバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症が,感染症法の五類感染症に指定されています。本剤の服用にあたっては,感染症の治療に十分な知識と経験をもつ医師のもとで指導を受け,耐性菌の発現を防がなければなりません。
<基本的注意>*バンコマイシン塩酸塩(塩酸バンコマイシン)の添付文書による
(1)服用してはいけない場合……本剤の成分によるショックの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……本剤の成分,またはペプチド系・アミノグリコシド系抗生物質に対するアレルギーの前歴/ペプチド系・アミノグリコシド系抗生物質による難聴,またはその他の難聴がある人/腎障害/高齢者
(3)耐性菌発現の防止……「警告」にもあるように本剤に対する耐性菌が増加しています。感染性腸炎で服用したあと7~10日以内に下痢,腹痛,発熱などの症状改善の兆候がまったくみられないときは,すぐに処方医に連絡してください。服用が中止になります。
(4)その他……
・妊婦での安全性:未確立。有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:原則として服用しない。やむを得ず服用するときは授乳を中止。(
「薬の知識」共通事項のみかた)
<重大な副作用>(1)ショック。(2)注射薬で,アナフィラキシー,急性腎不全,間質性腎炎,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少,皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN),剥脱(はくだつ)性皮膚炎,薬剤性過敏症症候群,第8脳神経障害,偽膜性大腸炎,肝機能障害,黄疸。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
<その他の副作用>(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発熱,発疹,潮紅,悪寒,じん麻疹,かゆみ)
(2)すぐに処方医に伝える副作用……下痢,悪心,嘔吐,食欲不振/口内炎,舌炎
(3)検査などでわかる副作用……好酸球増多,白血球減少,血小板減少,貧血/AST・ALT・AL-P上昇/BUN上昇,クレアチニン上昇
<併用してはいけない薬>併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。
<注意して併用すべき薬>(1)併用すると本剤の作用を弱める薬剤……コレスチラミン(
コレスチラミン)