<警告><基本的注意>*オメプラゾール(オメプラゾン),ランソプラゾール(タケプロン,OD),ラベプラゾールナトリウム(パリエット)の添付文書による
(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/アタザナビル硫酸塩,リルピビリン塩酸塩の服用中
(2)慎重に服用すべき場合……薬物過敏症の前歴/肝機能障害/高齢者
(3)服用法……(1)[オメプラゾール,ラベプラゾールナトリウム]腸で溶ける錠剤なので,噛んだり砕いたりせずに,水とともにのみくだしてください。(2)[ランソプラゾール]OD錠(口腔内崩壊錠)は舌の上にのせて唾液を浸せば舌でつぶれますが,口腔の粘膜から吸収されることはないので,唾液または水でのみ込んでください。ただし,寝たままの状態では,水なしで服用しないでください。
(4)逆流性食道炎……[オメプラゾール,ランソプラゾール]服用期間は通常8週間までで,再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法のために本剤を服用する場合は,定期的に内視鏡や肝機能,腎機能,血液像などの検査を行う必要があります。服用中に体重減少,吐血,嚥下障害などの症状がみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。
(5)胃ポリープ……[オメプラゾール,ラベプラゾールナトリウム]本剤の長期服用中に,良性の胃ポリープを認めたとの報告があります。
(6)動物実験……ラットで,胃のカルチノイド腫瘍,良性の精巣間細胞腫や網膜萎縮(ランソプラゾール),甲状腺重量および血中サイロキシンの増加(ラベプラゾールナトリウム)がみられたとの報告があります。
(7)定期検査……服用中は,定期的に肝機能,腎機能,血液像などの検査を受けることが必要です。
(8)かくされる症状……本剤を服用すると,胃がんによる症状をかくすことがあります。本剤は,胃がんではないことを確認のうえで処方されます。
(9)セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品……[オメプラゾール]一緒に摂取すると本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので,本剤の服用中はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないでください。
(10)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:原則として服用しない。やむを得ず服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。(
「薬の知識」共通事項のみかた)
<重大な副作用>(1)ショック,アナフィラキシー(血管浮腫,気管支けいれんなど)。(2)無顆粒球症,汎血球減少症,溶血性貧血,血小板減少。(3)劇症肝炎,肝機能障害,急性肝不全,黄疸。(4)急性腎不全,間質性腎炎。(5)中毒性表皮壊死融解症(TEN),皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群)。(6)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難など)。
[オメプラゾール,ラベプラゾールナトリウム](7)低ナトリウム血症。(8)横紋筋(おうもんきん)融解症。
[オメプラゾール](9)視力障害。(10)錯乱状態(せん妄,異常行動,失見当識,幻覚,不安,焦燥,攻撃性など)。
[ランソプラゾール](11)重篤な大腸炎(腹痛,頻回の下痢など)。
[ラベプラゾールナトリウム](12)多形紅斑。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
<その他の副作用>(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,じん麻疹,かゆみ,多形紅斑,光線過敏症)
[ランソプラゾール]頻回の下痢
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……下痢・軟便,便秘,悪心,嘔吐,鼓腸放屁,腹部膨満感,カンジダ症,口渇,腹痛,口内炎,舌炎,味覚異常,食欲不振,胸やけ,下腹部痛,苦味,胃もたれ,胃食道逆流,食道炎/頭痛,眠け,しびれ感,めまい,ふるえ,傾眠,不眠,異常感覚,うつ状態,ふらつき,四肢脱力,知覚鈍麻,握力低下,口のもつれ,昏睡/動悸/かすみ目,目のちらつき/発熱,むくみ,女性化乳房,脱毛,倦怠感,頻尿,味覚異常,心悸亢進,月経異常,腟モニリア症,関節痛,筋肉痛,発汗,発熱
(3)検査などでわかる副作用……AST・ALT・AL-P・γ-GTP・LDH・ビリルビン上昇/赤血球・血小板・リンパ球減少,白血球減少・増加,白血球分画異常,好酸球増多,好中球減少・増多/血圧上昇,貧血/QT延長,CK上昇,BUN・クレアチニン・尿酸・トリグリセリド・カリウム上昇,総コレステロール上昇・低下,尿タンパク陽性,尿糖陽性,高アンモニア血症
<併用してはいけない薬>[すべての製剤]アタザナビル硫酸塩(
エイズ治療薬(2)),リルピビリン塩酸塩(
エイズ治療薬(1))→本剤との併用により作用が弱まるおそれがあります。
[ピロリ菌除去用ランソプラゾール配合剤,ピロリ菌除去用ラベプラゾールナトリウム配合剤,ピロリ菌除去用ボノプラザンフマル酸塩配合剤のみ](1)ピモジド(
ブチロフェノン系薬剤)→QT延長,心室性不整脈などの心血管系の副作用が報告されています。(2)エルゴタミン含有製剤(エルゴタミン酒石酸塩,ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(
エルゴタミン酒石酸塩))→血管れん縮などの重い副作用をおこすおそれがあります。(3)タダラフィル(
シルデナフィルクエン酸塩ほか),スボレキサント(
スボレキサント)→本剤との併用により作用が増強するおそれがあります。(4)アスナプレビル(
C型肝炎治療薬(抗ウイルス薬2))→肝臓に関連した副作用が発現,重症化するおそれがあります。(5)バニプレビル(
C型肝炎治療薬(抗ウイルス薬2))→悪心,嘔吐,下痢の発現が増加するおそれがあります。
<注意して併用すべき薬>(1)本剤との併用で作用が強まる可能性がある薬剤……ジゴキシン,メチルジゴキシン(
ジギタリス製剤),メトトレキサート(
メトトレキサート)(
メトトレキサート)
[オメプラゾールのみ]ワルファリンカリウム(
ワルファリンカリウム),ボリコナゾール(
深在性真菌治療薬),サキナビルメシル酸塩(
エイズ治療薬(2)),シロスタゾール(
シロスタゾール)
[オメプラゾール,ランソプラゾール]ジアゼパム(
ベンゾジアゼピン系安定薬),フェニトイン(
フェニトイン),タクロリムス水和物(
タクロリムス水和物ほか)
(2)本剤との併用で作用が弱まる可能性がある薬剤……(1)イトラコナゾール(
深在性真菌治療薬)と併用すると,本剤の胃酸分泌抑制作用によりイトラコナゾールの溶解性が低下し,イトラコナゾールの血中濃度が低下することがあります。(2)ゲフィチニブ(
EGFR遺伝子変異陽性がん治療薬)と併用すると,ゲフィチニブの溶解性がpHに依存することから,本剤を含む胃酸分泌抑制薬との併用によってゲフィチニブの吸収が低下し,作用が弱まる可能性が考えられます。(3)[ランソプラゾール]テオフィリン(
テオフィリン),[オメプラゾール]ネルフィナビルメシル酸塩(
エイズ治療薬(2)),クロピドグレル硫酸塩(
クロピドグレル),ゲフィチニブ(
EGFR遺伝子変異陽性がん治療薬),エルロチニブ塩酸塩(
EGFR遺伝子変異陽性がん治療薬),[ラベプラゾールナトリウム]水酸化アルミニウムゲル含有制酸剤,水酸化マグネシウム含有制酸剤(
制酸剤)