<警告>(1)血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),無顆粒球症,重い肝機能障害などの重大な副作用が,主に服用開始後2カ月以内に現れ,死亡に至る例も報告されています。1999年7月の「緊急安全性情報」以後も,多数の副作用死が報告されています。
(2)本剤の服用にあたっては,医師と十分に話し合い,納得したのち服用すること,また服用中は必ず定期的に検査を受け,常に状態に気をくばってください。
<基本的注意>*チクロピジン塩酸塩(パナルジン)の添付文書による
(1)服用してはいけない場合……出血している人(血友病,毛細血管脆弱(ぜいじゃく)症,消化管潰瘍,尿路出血,喀血,硝子体出血など)/重症の肝機能障害/白血球減少症/本剤による白血球減少症の前歴/本剤に対するアレルギーの前歴
(2)特に慎重に服用すべき場合(原則禁忌,処方医と連絡を絶やさないこと)……肝機能障害
(3)慎重に服用すべき場合……月経期間中/出血傾向ならびにその素因がある人/肝機能障害の前歴/白血球減少症の前歴/高血圧/他のチエノピリジン系薬剤(クロピドグレル硫酸塩)に対するアレルギーの前歴/手術を予定している人/高齢者
(4)定期検査……「警告」にあるように危険性の高い薬剤なので,服用開始後2カ月間は,原則として2週間に1回,血液,肝機能などの検査を受ける必要があります。
(5)その他……
・妊婦での安全性:原則として服用しない。
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。(
「薬の知識」共通事項のみかた)
<重大な副作用>(1)倦怠感,食欲不振,紫斑などの出血症状,発熱,腎機能障害,意識障害などの精神症状などを伴う血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)。(2)無顆粒球症(初期症状:発熱,咽頭痛,倦怠感など)。(3)重い肝機能障害(初期症状:悪心・嘔吐,食欲不振,倦怠感,そう痒感,眼球黄染,皮膚の黄染,褐色尿など)。(4)再生不良性貧血を含む汎血球減少症,赤芽球癆(ろう),血小板減少症。(5)出血(脳出血,消化管出血)。(6)中毒性表皮壊死融解症(TEN),皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),紅皮症(剥脱(はくだつ)性皮膚炎),多型滲出性紅斑。(7)急性腎不全。(8)消化性潰瘍。(9)間質性肺炎。(10)発熱,関節痛,胸部痛,胸水貯留,抗核抗体陽性などを伴うSLE(全身性エリテマトーデス)様症状。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。
<その他の副作用>(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,かゆみ,じん麻疹,発熱,発赤,紅斑,むくみなど)
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……鼻・皮下・歯肉出血,貧血,血尿/悪心,嘔吐,食欲不振,下痢,口内炎,腹痛,味覚障害/頭痛,めまい,疲れやすい,心悸亢進,全身倦怠感,眼底出血,結膜出血
(3)検査などでわかる副作用……白血球減少,好酸球増多/クレアチニン・BUN上昇/AST・ALT・AL-P・γ-GTP・LDH・ビリルビン・総コレステロール上昇/膵酵素上昇
<併用してはいけない薬>併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。
<注意して併用すべき薬>(1)本剤との併用で作用が強まる薬剤……バルビツール酸誘導体(
バルビツール酸誘導体),テオフィリン(
テオフィリン),チザニジン塩酸塩(
チザニジン塩酸塩)
(2)本剤との併用で作用が弱まる薬剤……シクロスポリン(
シクロスポリン)
(3)本剤との併用で副作用が強まる薬剤……フェニトイン(
フェニトイン)(運動失調など)
(4)本剤との併用で出血傾向が強まる薬剤……抗凝血薬(ワルファリンカリウム(
ワルファリンカリウム)など),血小板凝集抑制作用のある薬剤(アスピリン(
小用量アスピリン(血栓防止用))など),血栓溶解薬(ウロキナーゼ,アルテプラーゼなど)