 症状の現れ方 |
メチル水銀は血液脳関門(けつえきのうかんもん)(血液と脳の間にある関所)を通過し、中枢神経系に影響を与えます。中毒の初期症状は、四肢末端や口唇周辺のしびれ感で始まり、進行すると手指のふるえ、歩行障害、求心性視野狭窄(きょうさく)などが現れます。
一方、無機水銀は腎尿細管の壊死(えし)を引き起こします。急性中毒では、胃や腹部の激しい疼痛、嘔吐、血性の下痢などの消化器系症状が現れ、重い場合には腎障害に進みます。
 食品の規格基準 |
食品経由の水銀摂取の8割は魚介類からです。魚介類に対する水銀の暫定的規制値は、総水銀0・4ppm、メチル水銀0・3ppm(水銀として)です。ただし、マグロ類、内水面水域の河川産の魚介類(湖沼産は含まず)、深海性魚介類などは対象外です。
そこで、厚生労働省は魚介類中のメチル水銀を考慮し、妊婦の場合1回約80g食べるとして、メカジキ、キンメダイ、クロマグロなどは週1回まで、キダイ、マカジキなどは週2回までに制限するよう注意を促しています。