 必要な検査と疑われる病気 |
(1)関節リウマチ顎関節や頸椎(けいつい)に
関節リウマチが発症すると、強い痛みが起きます。そのまわりの筋にも筋痛症(痛み)が起きます。顎関節の病状(破壊)が進めば開口障害(かいこうしょうがい)、開咬(かいこう)(上下の臼歯(奥歯)のみが接触して、前歯の接触がない)のほか、下あごの後退によって顔貌(がんぼう)の変化も起きます。
関節リウマチの疑いがあれば膠原病(こうげんびょう)科などでの精密検査が必要で、血液検査やX線検査を行います。
すでに
関節リウマチと診断されている場合は、筋痛症、関節痛の部位や程度を明確にするための検査と、骨先端や頸椎の状態を調べるためにX線検査を行います。
近年、メトトレキサート(リウマトレックス)などによる
関節リウマチの治療が進み、本疾患に伴う痛みはコントロールされることが多くなっています。
(2)顎関節症変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)、筋性
顎関節症(きんせいがくかんせつしょう)、関節円板(かんせつえんばん)の異常から起こる顎関節症、慢性微小外傷性、および
心身症的疾患としての
顎関節症があります。このうち変形性関節症では、下顎骨の先端の平担化、骨辺縁の変形が起き、多くの場合、炎症を伴います。
症状には、顎関節とその周囲の筋や筋膜に生じる痛み、あごを動かした時のクリック音(関節内の関節円板があごを動かした時に発するパチンという音)などがあります。歯科で噛み合わせの検査、必要に応じてX線やMRI検査を行います。
(3)外傷硬いものを強く噛んだ時、噛み合わせの高さが低い、あるいは急に大きく口を開くことにより、痛みを伴う外傷性顎関節炎(がいしょうせいがくかんせつえん)が起こることがあります。その場合は歯科での検査が必要です。症状が急に現れた時の画像検査では、関節内の浮腫(むくみ)や、出血による関節腔の拡大がみられることがあります。