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かかりつけ薬局を選ぶためには お薬検索[薬事典]- メディカルiタウン


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お薬検索[薬事典]

かかりつけ薬局を選ぶためには

医薬分業が必要な理由

少し昔話をしましょう。まずは平成になる前、昭和後期のことです。その頃はまだ医薬分業が珍しかった時代で、「医者は薬を売って儲け、歯医者は金を売って儲け、薬屋は雑貨を売って儲けている」と揶揄されることもありました。当時は保険診療における技術料評価が高くなく、1982年まで日本医師会会長を務めた武見太郎氏が、薬価差益(公定薬価と医療機関が仕入れる価格の差)は潜在的技術料であると、その正当性を主張していた時代です。

国民皆保険となり、一部の医療費の無料化も始まっていたこの時期において、医師が薬を直接患者に売っているという状況は、「薬を出せば出すだけ医師は経済的にプラスになる」というモラルハザードを誘起しかねないシステムでした。

さて、そもそも、どうして医薬分業のシステムができたのでしょうか。

中世シチリアの王様フリードリッヒ2世(後の神聖ローマ帝国皇帝でもある)が1240年に医師が自ら薬局を持つことを禁止する法律を作りました。つまり、病気の治療にあたる医師が薬を直接投与することを禁じ、その役割は処方の決定までとし、そして、その医師の指示が妥当かどうかをチェックする専門家(薬剤師)を独立させたのです。この手間のかかるシステムは、主治医が裏切って権力者を毒殺するといった可能性を低くする目的で、他の権力者たちにも取り入れられ、やがてヨーロッパ中に広がりました。現在では患者を守るシステムとして世界標準となったのです。

日本特有の分業スタイル

日本でも明治時代に西洋医学を導入する際には、お雇い外国人からは当然、医薬分業が進言されたのでしょうが、当時、日本には薬局に相当するものがなかったこともあり、原則として医薬分業であるが、医師が自ら投薬する場合は例外として認める法律が制定されました。現在の薬剤師法でも、この例外規定はそのまま続いていますので、院内投薬の医療機関もまだ残っています。日本においてヨーロッパほどは、医薬分業が根付かなかったのはこのためです。

それでも、この20年ほどで日本の医薬分業も数字上は進展してきました。ただ、世界標準とは異なり、かなり特異な形で普及してしまいました。世界的にみて、病院・医院の隣にもれなく薬局があるというのは不思議な光景です。世界に冠たるコンビニエンスストアの普及具合から想像するに、日本人の価値観の中で利便性の占める割合は、安全性よりもかなり高いのでしょう。

日本人の価値観と医薬分業

このことは筆者の目には、原発の再稼動の問題とも重なってきてしまいます。本当に必要なのは、根拠のない安全神話を唱え続けることではなく、本当の安全を確保するシステムを作り上げることですね。医療でも全く同じことです。

当たり前のことですが、医師と薬剤師の間に主従関係とまではいわないにしても経済的に密接なつながりがあったりすれば、その立場の薬剤師は医師の処方や評判について、患者さん・お客さん側に立って客観的に伝えることができるでしょうか?

もし、あなたのかかりつけの医院・病院が、特定の薬局を指定するようなら(そもそも特定の薬局に誘導するような行為は法律違反なのですが)、あなたに処方された薬はひょっとしたらあなたに最適のものではなく、特定の薬局の在庫に合わせて選ばれた薬である可能性が否定できないのです。

かかりつけ薬局で大切なこと

薬や医療に関して何か聞きたい、相談したいときに、最初からバイアス(偏向)がかかるかもしれないと心配するより、もともとバイアスがかからないシステムであったほうが安心ですね。それには、どんな薬局が必要でしょうか。

これからの高齢社会を考えれば、処方せん応需だけではなく、OTC薬の取り扱い、紙オムツやリント布・丁字帯といった医療器具類の取り扱い、サプリメントや健康食品などの相談もでき、配達にも対応するといった条件が浮かびます。特定の医療機関から独立していることも当然ですが、自分と相性のよい薬剤師がいることが、もっとも大切です。

数年前公開された山田洋次監督の映画『おとうと』で吉永小百合が演じていたのは、自宅で薬局を営む薬剤師でした。筆者が薬剤師となり薬局で働き始めた30年以上前は、そうした自宅兼用の薬局が多く、医薬品(OTC薬)のほか、医療用具・化粧品・日用雑貨などを取り扱っていました。

医薬分業の進展に伴って一般の方がイメージする薬局は、ほぼ処方せん調剤だけを専門とするいわゆる調剤薬局と、ドラッグストアに2極分化しています。企業としての経済効率を考えれば必然といえます。残念ながら筆者のイメージする薬局は、ある意味、経済的には淘汰されつつあるともいえます。しかし、医療に経済的な側面はもちろん大切ですが、それだけではないのも事実です。

もし、あなたが地域に根付いて存在し続けている、健康・病気についてゆっくり相談できるスペース・時間がある薬局をご存知なら、それはとてもラッキーなことなのです。残念ながら、近所でそういった形態の薬局にお目にかかったことのない場合はどうしましょう。かかりつけの調剤薬局、ドラッグストア、薬剤師を別々に用意する必要があるかもしれません。

かかりつけ薬局を育てる

もしあなたが定期的に病・医院を受診しているならば、ぜひ自分のかかりつけ薬局を育ててください。今利用されている薬局が自宅の近くにあるのでしたら、ちょっと質問してみましょう。

「処方された医薬品の在庫がない場合はどのような対応をしていただけますか」

「配達はしてもらえますか」

「休日の対応はどのようになっていますか」

それほど特殊な薬でなくても、普段から受け付けている患者さんの中にその薬を使っている人がいなければ、その薬局に在庫がないことは当たり前ですから、在庫がない場合の対応はとても大切です。すぐに取り寄せてくれるのか、その場合、再度訪店しなければならないのか、また経腸栄養剤のように重量のあるものは配達してくれるのかなど……。これらの質問に対する回答によってその薬局がどのような方針で開局しているのかがよくわかります。

逆に、自宅から離れた病・医院に受診している方は、一度自宅近くの薬局に処方せんを持ち込んでみましょう。そこで薬がそろっていれば、かかりつけ薬局候補のひとつです。そろわない場合は、その後の対応で判断できます。

そうして自宅の近くにかかりつけ薬局ができれば、病・医院からファクシミリで処方せんを送信しておくことで、他の用事を済ませた帰りに寄って、すぐに薬を受け取ることもできますし、外出が困難な状況であれば、配達してもらえるように相談することも可能です。

医院・病院の隣にある薬局の便利さを否定するつもりはありませんが、薬局を選ぶ視点としては、そういった便利さよりも優先すべきことがあると思います。

ぜひ、かかりつけの薬局・薬剤師を自分の意思で選びましょう。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第30版(2017年2月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて株式会社 法研に帰属します。

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