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内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

がんに使われる内服薬/分子標的治療薬

解説タイトル

イマチニブ抵抗性がん治療薬

一般名 解説

ポナチニブ塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 15mg 1錠 6,428.40円

製薬会社 解説

大塚

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

キナーゼ阻害薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

15mg 本体コード:A 5

その他 解説

保険収載年:2016/11

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[スニチニブリンゴ酸塩の適応症]イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍/根治切除不能または転移性の腎細胞がん/膵神経内分泌腫瘍
[ダサニチブ水和物の適応症]慢性骨髄性白血病/再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
[ニロチニブ塩酸塩水和物の適応症]慢性期または移行期の慢性骨髄性白血病
[ボスチニブ水和物の適応症]慢性骨髄性白血病
[ポナチニブ塩酸塩の適応症]前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病/再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
[アシミニブ塩酸塩の適応症]前治療薬に抵抗性または不耐容の慢性骨髄性白血病

解説 解説

多細胞生物のみに存在するチロシンキナーゼは,細胞増殖や免疫反応などのシグナル伝達に関与しています。増殖因子が結合して活性化する受容体型のチロシンキナーゼが数多く見出されており,さまざまながんの増殖に関与していることがわかっています。代表的な分子標的治療薬のイマチニブメシル酸塩(イマチニブメシル酸塩)は,このチロシンキナーゼを阻害することでがん治療に応用されています。
この項の薬剤は,イマチニブでは効果が不十分,あるいはイマチニブが使えない場合の薬品として承認されていますが,ボスチニブ水和物のみは2020年6月に「初発の慢性骨髄性白血病」にも拡大適応となりました。

使用上の注意

警告 解説

[共通]
(1)本剤は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な経験をもつ医師のもとで,適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,医師からその有効性・危険性の十分な説明を受け,患者および家族が納得・同意できなければ治療に入っていくべきではありません。
[スニチニブリンゴ酸塩のみ]
(2)心不全などの重い心障害が現れ,死亡に至った例も報告されているので,本剤投与開始前には必ず心機能を確認します。また,本剤投与中は適宜心機能検査(心エコーなど)を行い状態を十分に観察しなければなりません。
(3)可逆性後白質脳症症候群(RPLS)が現れることがあります。RPLSが疑われた場合は,本剤の投与を中止して適切な処置を行う必要があります。
[ニロチニブ塩酸塩水和物のみ]
(4)本剤投与後にQT間隔延長が認められており,心タンポナーデによる死亡も報告されているので,状態を十分に観察することが必要です。
[ポナチニブ塩酸塩のみ]
(5)心筋梗塞,脳梗塞,網膜動脈閉塞症,末梢動脈閉塞性疾患,静脈血栓塞栓症などの重篤な血管閉塞性事象が現れることがあり,死亡に至った例も報告されています。本剤の服用開始前に,虚血性疾患(心筋梗塞,末梢動脈閉塞性疾患など),静脈血栓塞栓症などの前歴の有無,心血管系疾患の危険因子(高血圧,糖尿病,脂質異常症など)の有無などを確認したうえで,服用の可否を慎重に判断します。服用中は胸痛,腹痛,四肢痛,片麻痺,視力低下,息切れ,しびれなどの発現に注意してください。
(6)重篤な肝機能障害が現れることがあり,肝不全により死亡に至った例も報告されているので,服用開始前および服用中は定期的に肝機能検査を行います。

基本的注意 解説

*スニチニブリンゴ酸塩(スーテント)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)特に慎重に服用すべき場合(治療上やむを得ないと判断される場合を除き服用は避けること)……QT間隔延長またはその前歴
(3)慎重に服用すべき場合……イマチニブメシル酸塩(イマチニブメシル酸塩)に忍容性のない消化管間質腫瘍/骨髄抑制/高血圧/心疾患・脳血管障害・肺塞栓症またはその前歴/不整脈につながる心疾患,徐脈もしくは電解質異常の前歴/肺の腫瘍/脳転移/甲状腺機能障害
(4)飲食物……セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は本剤の血中濃度を低下させ,グレープフルーツジュースは血中濃度を上昇させることがあるので,服用中は避けてください。
(5)定期検査……骨髄抑制,高血圧,腫瘍変性・縮小に伴う出血,肝機能異常などがおこることがあるので,定期的な血圧測定,血液や肝機能などの検査が必要です。
(6)顎骨壊死……本剤の服用後に顎骨壊死が発現したとの報告があり,その多くはビスホスフォネート系製剤(ビスホスフォネート製剤)を使用中あるいは使用経験がある人でした。また,本剤を含む血管新生阻害薬とビスホスフォネート系製剤を併用すると,顎骨壊死の発現が増加する可能性があると報告されています。
(7)避妊……妊娠可能な女性は,服用期間中および服用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。動物実験で胚・胎児死亡,奇形の発生が報告されています。
(8)危険作業に注意……本剤を服用すると,めまい,傾眠,意識消失などをおこすことがあります。服用中は,高所作業や自動車の運転など危険を伴う機械の操作は十分に注意してください。
(9)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)骨髄抑制(汎血球・白血球・血小板・好中球減少,貧血など)。(2)重い感染症(肺炎,敗血症,壊死性筋膜炎など)。(3)高血圧。(4)鼻出血,皮下出血,口腔内出血,性器出血,喀血,結膜出血,腫瘍出血,消化管出血,脳出血。(5)消化管穿孔(せんこう)。(6)QT延長,心室性不整脈,心不全,左室駆出率低下。(7)肺塞栓症,深部静脈血栓症。(8)てんかん様発作,可逆性後白質脳症症候群。(9)急性膵炎。(10)甲状腺機能障害。(11)間質性肺炎(息切れ,発熱,呼吸困難,せきなど)。(12)急性腎障害,ネフローゼ症候群。(13)横紋筋(おうもんきん)融解症,ミオパシー。(14)副腎機能不全。(15)一過性脳虚血発作,脳梗塞。(16)血栓性微小血管症。(17)播種性血管内凝固症候群(DIC)。(18)肝不全,肝機能障害,黄疸。(19)腫瘍崩壊症候群。(20)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),多形紅斑。(21)急性胆のう炎(無石胆のう炎を含む)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……上気道炎,ウイルス感染,麦粒腫,真菌感染,耳部感染,爪囲炎,肺炎,尿路感染,毛包炎,気管支炎,蜂巣炎,歯瘻,感染性腸炎,口腔感染/甲状腺炎/食欲不振,脱水/不眠症,抑うつ気分,不安/味覚異常,頭痛,めまい,味覚消失,しびれ感,意識消失,ふるえ,ニューロパシー,回転性めまい,平衡障害,記憶障害,認知障害,傾眠,思考力低下,錯感覚,知覚過敏,嗜眠(しみん)/結膜炎,眼脂(めやに),流涙増加,霧視,黄斑浮腫,眼乾燥,眼瞼炎,光視症,視覚障害,深径覚の変化,白内障,涙腺刺激症状,眼の異物感,睫毛(しょうもう)変色,眼球浮腫/耳鳴り,耳介腫脹/動悸,心のう液貯留,心房細動,上室性不整脈,徐脈,心筋症,頻脈,ほてり,心筋梗塞/発声障害,鼻炎,せき,胸水,呼吸困難,鼻乾燥,しゃっくり,湿性せき,肺水腫,鼻痛,鼻浮腫/下痢,口内炎,悪心,歯肉炎,嘔吐,口唇炎,腹痛,消化不良,肛門直腸障害(肛門炎,肛門潰瘍など),便秘,腹部不快感,痔核,舌炎,腹部膨満,歯周炎,腹水,口のしびれ感,嚥下障害,胃炎,口唇乾燥,胃腸炎,逆流性食道炎,口内乾燥,おくび,口腔内浮腫,歯肉萎縮,痔瘻,変色便,胃酸過多,胃腸障害,歯痛,う歯(むしば),唾液分泌低下,鼓腸,消化管潰瘍,食道炎/胆のう炎/皮膚変色,手足症候群,発疹,顔面浮腫,脱毛症,そう痒症,紅斑,皮膚乾燥,皮膚炎,紫斑,皮膚剥脱(はくだつ),爪の異常,湿疹,毛髪色素脱失,毛髪変色,ざ瘡(にきび),爪変色,じん麻疹,皮膚びらん,過角化,硬結,水疱,多汗症,皮膚障害,皮膚色素脱失,皮膚疼痛,皮下結節,被角血管腫,爪甲脱落症,皮膚病変,壊疽性膿皮症/筋骨格痛,筋痛,関節痛,筋痙縮(けいしゅく),筋硬直,筋力低下,骨痛,関節炎,関節腫脹,鼠径部痛,筋緊張/血尿,着色尿,排尿困難,水腎症,膿尿,頻尿/性器潰瘍,不規則月経,月経過多,月経遅延/疲労,浮腫,発熱,倦怠感,体重増加・減少,粘膜炎,悪寒,胸痛,口渇,熱感,創傷治癒遅延,粘膜乾燥,無力症,疼痛,血胸,創合併症,血管拡張,胸部不快感,握力低下,異常感,過敏症
(2)検査などでわかる副作用……リンパ球減少,好酸球増加,血中エリスロポエチン増加,単球減少/TSH増加・減少,遊離T3減少,エストラジオール増加/リパーゼ増加,低アルブミン血症,高アミラーゼ血症,低リン酸血症,低蛋白血症,低カルシウム血症,高尿酸血症,高血糖,高カリウム血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症,低血糖症,高カルシウム血症,低クロール血症,高ナトリウム血症,アルカローシス,テタニー,血中トリグリセリド増加,高リン酸塩血症,低マグネシウム血症,糖尿病悪化,血中アミラーゼ減少,高コレステロール血症,高脂血症,グリコヘモグロビン増加/一酸化炭素拡散能減少,低酸素症,努力呼気量減少/脂肪肝/血中クレアチニン増加,タンパク尿,BUN増加,腎機能障害,血中クレアチニン減少,血中クレアチン増加/LDH増加,AL-P増加,CRP増加,CK増加,PO2低下,血中二酸化炭素増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の血中濃度が上昇する可能性がある薬剤……CYP3A4阻害薬(アゾール系抗真菌薬(深在性真菌治療薬),マクロライド系抗生物質(マクロライド),HIVプロテアーゼ阻害薬(エイズ治療薬(2)))
(2)併用すると本剤の血中濃度が低下する可能性がある薬剤……CYP3A4誘導薬(デキサメタゾン(副腎皮質ステロイド薬),フェニトイン(フェニトイン),カルバマゼピン(カルバマゼピン),リファンピシン(リファンピシン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体))
(3)併用するとQT間隔延長,心室性不整脈(トルサード・ドゥ・ポアントを含む)などの重い副作用をおこすおそれがある薬剤……イミプラミン(三環系抗うつ薬),抗不整脈薬(キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物),プロカインアミド塩酸塩(プロカインアミド塩酸塩),ジソピラミドリン酸塩(ピリジンメタノール系抗不整脈薬),ソタロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの)))

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • D

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27