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オランザピンOD

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

精神神経科の薬/統合失調症の薬

解説タイトル

ベンゾジアゼピン系抗精神病薬

一般名 解説

オランザピン
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 5mg 1錠 21.10円
錠剤 / 10mg 1錠 37.10円

製薬会社 解説

ニプロES=吉富

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

ベンゾジアゼピン系精神科用薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

統合失調症:5~20mgを1日1回。双極性障害における躁症状の改善:10~20mgを1日1回。双極性障害におけるうつ症状の改善:5~20mgを1日1回(就寝前)。抗悪性腫瘍薬投与に伴う消化器症状:5~10mgを1日1回。

識別コード 解説

5mg 包装コード:OD 5mg Y-Z 本体コード:YZ-5
10mg 包装コード:OD 10mg Y-Z 本体コード:YZ-10

その他 解説

保険収載年:2001/6

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[オランザピン]統合失調症/双極性障害における躁(そう)症状・うつ症状の改善/抗悪性腫瘍薬(シスプラチン(白金錯体抗がん薬)など)投与に伴う消化器症状(悪心,嘔吐)
[クロザピン]治療抵抗性統合失調症(他の抗精神病薬治療に抵抗性を示す統合失調症)

解説 解説

本剤は〈非定型抗精神病薬(非定型抗精神病薬)〉の一種で,統合失調症における妄想・幻覚などの陽性反応と,感情的引きこもり・自閉などの陰性反応の両方に改善効果を示します。オランザピンは,強い悪心・嘔吐が生じる抗悪性腫瘍薬(シスプラチン(白金錯体抗がん薬)など)を使用する場合にかぎり,制吐剤としても使われます。
なお,クロザピンは服用禁忌や使用上の注意などが多い薬剤のため,他の治療では効果がない場合に限り,厚労省が認定した医療機関でのみ使用されます(「警告」を参照)。本項目では,主にオランザピンを中心に解説しています。

使用上の注意

警告 解説

[オランザピン]本剤の服用によって,著しい血糖値の上昇から糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡などの重い副作用がおこり,死に至る場合があります。服用中は血糖値の測定とともに,口渇,多飲,多尿,頻尿など血糖値の上昇が疑われる症状が現れたら,ただちに処方医へ連絡してください。
[クロザピン](1)本剤の投与は,統合失調症の診断・治療に精通し,無顆粒球症,心筋炎,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡などの重篤な副作用に十分に対応でき,かつクロザリル患者モニタリングサービス(CPMS)に登録された医師・薬剤師のいる登録医療機関・薬局において,登録患者に対して,血液検査などのCPMSに定められた基準がすべて満たされた場合にのみ行われます。
(2)本剤の投与に際しては,治療上の有益性が危険性を上回っていることを常に検討し,投与の継続が適切であるかどうか定期的に判断することが必要です。
(3)糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡などの死亡に至ることのある重大な副作用が現れるおそれがあるので,本剤服用中は定期的に血糖値などの測定が行われます。また,臨床症状の観察を十分に行い,高血糖の徴候・症状に注意するとともに,糖尿病治療に関する十分な知識と経験をもつ医師と連携して適切な対応を行うことが求められます。
(4)本剤の投与にあたっては,患者またはその代わりの者に本剤の有効性および危険性を文書によって説明し,文書で同意を得てから投与を開始します。
(5)無顆粒球症などの血液障害は投与初期に現れることが多いので,原則として服用開始後18週間は入院し,十分な管理のもと服用しなければなりません。

基本的注意 解説

*オランザピン(ジプレキサ)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……昏睡状態の人/バルビツール酸製剤(バルビツール酸誘導体)などの中枢神経抑制薬の強い影響下にある人/アドレナリンの使用中(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)/本剤の成分に対するアレルギーの前歴/糖尿病またはその前歴
(2)慎重に服用すべき場合……[効能共通]糖尿病の家族歴,高血糖・肥満などの糖尿病の危険因子がある人/尿閉,麻痺性イレウス(腸閉塞),閉塞隅角緑内障/てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの前歴/本剤のクリアランスを低下させる要因(非喫煙者,女性,高齢者)をあわせもつ人/心・血管疾患(心筋梗塞あるいは心筋虚血の前歴,心不全,伝導異常など),脳血管疾患,低血圧がおこりやすい状態(脱水,血液量減少,血圧降下薬服用による治療など)にある人/不動状態,長期臥床,肥満,脱水状態などの危険因子がある人/肝機能障害,肝毒性のある薬剤の服用中/高齢者/[双極性障害におけるうつ症状の改善]自殺念慮または自殺企図の前歴のある人,自殺念慮のある人/脳の器質的障害のある人/衝動性が高い併存障害のある人
(3)外国での報告……高齢者を対象とした臨床試験で,死亡および脳血管障害(脳卒中,一過性脳虚血発作など)の発現頻度がプラセボ(偽薬)群と比較して高かったとの報告があります。
(4)服用初期……起立性低血圧がおこることがあります。急に立ち上がったとき,ふらつきやめまい,動悸,眼前暗黒感などがあるようなら,処方医へ連絡してください。
(5)かくされる嘔吐……本剤には嘔吐を抑える作用があるので,薬物中毒,腸閉塞,脳腫瘍などによる嘔吐症状をかくすことがあります。
(6)体重の増加……服用によって体重が増加することがあります。肥満に注意し,その徴候が現れたときは,すぐに処方医へ連絡してください。
(7)高血糖……本剤の服用によって高血糖が現れ,糖尿病性ケトアシドーシス(血液が酸性になる状態),糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的経過をたどることがあります。定期的に血糖値を測定し,口渇,多飲,多尿,頻尿などの症状が現れたら,ただちに処方医に連絡してください。
(8)低血糖……本剤の服用によって低血糖が現れることがあります。脱力感,倦怠感,冷汗,ふるえ,傾眠,意識障害などの低血糖症状が現れたら,ただちに糖分を補給し,処方医に連絡してください。
(9)悪性症候群……本剤の服用によって悪性症候群がおこることがあります。無動緘黙(かんもく)〈緘黙=無言症〉,強度の筋強剛, 嚥下(えんげ)困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗などが発現し,引き続いて発熱がみられたら, 服用を中止して体を冷やす, 水分を補給するなどして,ただちに処方医へ連絡してください。高熱が続き, 意識障害, 呼吸困難, 循環虚脱, 脱水症状, 急性腎障害へと移行して死亡した例が報告されています。
(10)危険作業は中止……本剤を服用すると,眠け,注意力・集中力・反射運動能力などの低下がおこることがあります。服用中は,自動車の運転など危険を伴う機械の操作は行わないようにしてください。
(11)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ服用。
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス,糖尿病性昏睡。(2)悪性症候群。(3)けいれん(てんかん発作,ミオクローヌス発作など) 。(4)肝機能障害,黄疸,劇症肝炎。(5)腸閉塞,麻痺性イレウス。(6)無顆粒球症,白血球減少。(7)肺塞栓症,深部静脈血栓症などの血栓塞栓症。
[オランザピンのみ](8)低血糖(脱力感,倦怠感,冷汗,ふるえ,傾眠,意識障害など)。(9)口周部などの不随意運動(遅発性ジスキネジア)。(10)横紋筋(おうもんきん)融解症(筋肉痛,脱力感など)。(11)薬剤性過敏症症候群(初期症状として発疹,発熱)。
[クロザピンのみ](12)好中球減少症。(13)心筋炎,心筋症,心膜炎,心のう液貯留。(14)胸膜炎(呼吸困難,発熱,胸痛)。(15)起立性低血圧,失神,循環虚脱からの心停止・呼吸停止。(16)腸潰瘍,腸管穿孔。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,かゆみ,顔面浮腫,じん麻疹,小丘疹,光線過敏症,血管浮腫)
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……興奮,傾眠,不眠,不安,めまい・ふらつき,頭痛・頭重,抑うつ状態,易刺激性,自殺企図,幻覚,妄想,脱抑制,構音障害,性欲亢進,躁(そう)状態,立ちくらみ,感覚鈍麻,下肢静止不能症候群,独語,記憶障害,知覚過敏,違和感,意識喪失,空笑,会話障害,もうろう状態,健忘,焦燥,しびれ感,吃音(きつおん)/錐体外路(すいたいがいろ)症状:アカシジア(静坐不能),ふるえ,筋強剛,流涎(りゅうぜん)(よだれ),ジストニア,パーキンソン病徴候,ジスキネジア,歩行異常,嚥下障害,眼球挙上,ブラジキネジア(動作緩慢),舌の運動障害,運動減少/動悸,頻脈,徐脈,心室性期外収縮,心房細動,血栓/便秘,食欲亢進,口渇,吐きけ,胃不快感,食欲不振,嘔吐,流涎過多,下痢,胃炎,腹痛,胃潰瘍,口角炎,黒色便,痔出血,腹部膨満,膵炎/月経異常,乳汁分泌,乳房肥大,甲状腺機能亢進症/肝炎/腎盂炎/排尿障害,尿閉,頻尿,尿失禁/水中毒,脱水症/鼻閉,嚥下性肺炎,鼻出血/体重増加,倦怠感,脱力感,体重減少,発熱,発汗,浮腫,ほてり,転倒,胸痛,骨折,腰痛,低体温,眼のチカチカ,肩こり,霧視感,脱毛症,関節痛,持続勃起,離脱反応(発汗,吐きけ,嘔吐)
(3)検査などでわかる副作用……血圧低下,起立性低血圧,血圧上昇,心電図QT延長/白血球減少・増多,貧血,リンパ球減少,好酸球増多・減少,赤血球減少・増多,好中球増多・減少,血小板減少・増多,ヘモグロビン減少,単球減少・増多,ヘマトクリット値減少/プロラクチン上昇・低下/ALT・AST・γ-GTP・AL-P・LDH上昇,総ビリルビン上昇・低下,ウロビリノーゲン陽性/BUN低下・上昇,タンパク尿,尿沈渣異常,クレアチニン低下/トリグリセリド上昇・低下,コレステロール上昇,高脂血症,尿糖,糖尿病,高尿酸血症,カリウム低下・上昇,ナトリウム低下・上昇,総タンパク低下,クロール上昇・低下/CK上昇,アルブミン低下,A/G比異常,グロブリン上昇

併用してはいけない薬 解説

[オランザピン]アドレナリン(ボスミン;アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)→アドレナリンの作用を逆転させ,重い血圧降下をおこすことがあります。
[クロザピン](1)骨髄抑制をおこす可能性のある薬剤,放射線療法,化学療法→無顆粒球症の発現が増加するおそれがあります。(2)持効性抗精神病薬(ハロペリドールデカン酸エステル注射液,フルフェナジンデカン酸エステル注射液,リスペリドン持効性懸濁注射液,パリペリドンパルミチン酸エステル持効性懸濁注射液,アリピプラゾール水和物持続性注射液)→副作用の発現に対し速やかに対応できないため,血中からこれらの薬剤が消失するまで本剤を服用しないようにします。(3)アドレナリン(ボスミン),ノルアドレナリン(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)→アドレナリンの作用を逆転させ,重い血圧低下をおこすことがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると相互に中枢神経抑制作用が強まることがある薬剤・薬物……バルビツール酸誘導体(バルビツール酸誘導体)/アルコール
(2)本剤と併用すると腸管麻痺などの重い抗コリン性の毒性が強まることがある薬剤……抗コリン作用のある薬剤(抗コリン性抗パーキンソン薬(抗コリン性パーキンソン症候群治療薬),フェノチアジン系化合物(フェノチアジン系薬剤),三環系抗うつ薬(三環系抗うつ薬)など)
(3)本剤との併用で作用が弱まることがある薬剤……レボドパ製剤(ドパミン前駆物質(レボドパ)
(4)併用すると本剤の作用が強まることがある薬剤……マイレン酸フルボキサミン(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),塩酸シプロフロキサシン(ニューキノロン剤
(5)併用すると本剤の作用が弱まることがある薬剤・薬物……カルバマゼピン(カルバマゼピン),オメプラゾール(プロトンポンプ阻害薬),リファンピシン(リファンピシン)/タバコ

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27