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ふるおろうらしるちゅう

フルオロウラシル注

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/代謝拮抗薬

解説タイトル

フルオロウラシル

一般名 解説

フルオロウラシル
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 1,000mg 1瓶 519.00円

製薬会社 解説

東和

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

フルオロウラシル系薬剤

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

(1)次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→胃がん,肝がん,結腸・直腸がん,乳がん,膵がん,子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん/次の疾患については他の抗がん薬または放射線と併用することが必要→食道がん,肺がん,頭頸部腫瘍 (2)頭頸部がん,食道がんに対する他の抗がん薬との併用療法 (3)レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法→結腸・直腸がん,小腸がん,治癒切除不能な膵がん

解説 解説

DNAの合成に必要な物質にウラシルがあります。この薬はウラシルに似た構造をもち,ウラシルの代わりにDNAに取り込まれ,DNA形成に必要なピリミジンの合成を阻害して,がん細胞の増殖を抑えます。多くのがんに効果があり,消化器がんを中心に広く用いられています。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
(2)メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法,レボホリナート・フルオロウラシル療法は,本剤の細胞毒性を増強する療法で,これらの療法に関連したと考えられる死亡例が認められています。これらの療法は高度の危険性を伴うので,療法中・療法後の一定期間は医師の監督下で状態を観察しなければなりません。
(3)頭頸部がんおよび食道がんに対し,本剤を含むがん化学療法と放射線照射を併用すると,重い副作用や放射線合併症がおこる可能性があるため,放射線照射とがん化学療法の併用治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで受けなければなりません。
(4)本剤とテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(テガフール配合剤)を併用すると,重い血液障害などの副作用がおこることがあるので併用してはいけません。

基本的注意 解説

*フルオロウラシル(5-FU注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴/テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤の服用中または服用中止後7日以内/小児,高齢者
(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/肝機能障害/腎機能障害/感染症の合併/心疾患またはその前歴/消化管潰瘍または出血/水痘
(3)頭頸部がん・食道がん……頭頸部がん・食道がんの人が,本剤を含むがん化学療法と放射線照射を併用(特に同時併用)すると,放射線照射野内の皮膚炎・皮膚の線維化・口内炎,経口摂取量低下,血液毒性,唾液減少などが,放射線照射単独の場合と比較して高度となることが知られています。異常がみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。
(4)二次発がん……本剤と他の抗がん薬の併用により,急性白血病(前白血病相を伴う場合もある),骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があります。
(5)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身障害が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
(6)感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(7)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(8)定期的に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,定期的に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(9)その他……
・妊婦での安全性:使用しないことが望ましい。
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)激しい下痢,脱水症状。(2)出血性腸炎,虚血性腸炎,壊死性腸炎などの重い腸炎(激しい腹痛・下痢など)。(3)骨髄機能抑制(汎血球減少,白血球減少,好中球減少,貧血,血小板減少など)。(4)ショック,アナフィラキシー(発疹,呼吸困難,血圧低下など)。(5)白質脳症(歩行時のふらつき,四肢末端のしびれ感,舌のもつれなど),精神神経症状(錐体外路(すいたいがいろ)症状,言語障害,運動失調,眼振,意識障害,けいれん,顔面麻痺,見当識障害,四肢末端のしびれ感,せん妄,記憶力低下,自発性低下,尿失禁など)。(6)うっ血性心不全,心筋梗塞,安静狭心症,心室性頻拍。(7)急性腎障害,ネフローゼ症候群などの重い腎障害(特にシスプラチン,メトトレキサートなどの抗がん薬との併用時には注意が必要)。(8)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難など)。(9)劇症肝炎,肝不全,肝機能障害,黄疸。(10)肝硬変。(11)消化管潰瘍,重い口内炎。(12)急性膵炎(腹痛,血清アミラーゼ上昇など)。(13)意識障害を伴う高アンモニア血症。(14)肝動脈内投与による肝・胆道障害(胆のう炎,胆管壊死,肝実質障害など)。(15)手足症候群(手のひらや足裏の紅斑,疼痛性発赤腫脹,知覚過敏など)。(16)嗅覚障害(長期投与例に多い),嗅覚脱失。(17)中毒性表皮壊死融解症(TEN),皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群)。(18)溶血性貧血。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)処方医に連絡すべき副作用……アレルギー症状(発疹)
(2)おこることがある副作用……食欲不振,下痢,悪心・嘔吐,味覚異常,腹部膨満感,口渇,腹痛,便秘,胸やけ,舌炎,口角炎,下血/倦怠感,めまい,末梢神経障害(しびれ,知覚異常など)/脱毛,色素沈着,かゆみ,むくみ,水疱,びらん,紅潮,爪の異常,光線過敏症/不整脈,胸痛,胸内苦悶/流涙,結膜炎/発熱,頭痛/動脈内投与時(カテーテル先端付近の動脈壁の変性,血栓形成)
(3)検査などでわかる副作用……タンパク尿,BUN・クレアチニン値上昇,クレアチニン・クリアランス低下/心電図異常(ST上昇,T逆転など)/AST・ALT・ビリルビン上昇などの肝機能検査値異常/糖尿,耐糖能異常/低カルシウム血症

併用してはいけない薬 解説

テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(テガフール配合剤)(ティーエスワン)→フルオロウラシルの代謝が阻害されて血中濃度が上昇し,重い血液障害,下痢・口内炎などの消化管障害などがおこることがあります。

注意して併用すべき薬

(1)本剤との併用で血中濃度が上昇する薬剤……フェニトイン(フェニトイン)→吐きけ・嘔吐,眼振,構音障害,運動失調,意識障害などのフェニトイン中毒がおこることがあります。
(2)本剤との併用で作用が強まることがある薬剤……ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム
(3)本剤との併用で重い骨髄抑制などの副作用が現れるおそれがある薬剤……トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤(トリフルリジン
(4)併用すると相互に骨髄機能抑制,消化管障害などの副作用が強まる薬剤・療法……他の悪性腫瘍薬/放射線照射

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • D

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27