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おきさりぷらちんてんてきじょうちゅうえき

オキサリプラチン点滴静注液

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/白金錯体製剤

解説タイトル

オキサリプラチン

一般名 解説

オキサリプラチン
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 50mg10mL 1瓶 3,090.00円
注射用剤 / 100mg20mL 1瓶 6,491.00円
注射用剤 / 200mg40mL 1瓶 11,071.00円

製薬会社 解説

日本化薬

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

抗悪性腫瘍白金錯体

規制 解説

毒薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん/結腸がんにおける術後補助化学療法/治癒切除不能な膵がん/胃がん/小腸がん

解説 解説

本剤は,1970年代に日本人によって合成された白金錯体抗がん薬で,シスプラチンなど他の白金錯体抗がん薬(白金錯体抗がん薬)と同様に,がん細胞の分裂増殖を抑えます。欧米諸国ではスタンダードになっている薬が日本でなかなか許可にならないということで話題を集めた薬剤の一つです。
本剤は,他のさまざまな抗がん薬と併用して使用します。例えば,結腸・直腸がんにはFOLFOX法(本剤+レボホリナート+フルオロウラシルの3剤併用)あるいはXELOX法(本剤+カペシタビンの2剤併用),膵がんにはFOLFIRINOX法(本剤+イリノテカン塩酸塩+レボホリナート+フルオロウラシルの4剤併用療法),胃がんにはXELOX法などとして使用されます。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤使用後,数分以内に発疹,かゆみ,気管支けいれん,呼吸困難,血圧低下などを伴うショック,アナフィラキシーが現れることが報告されています。
(2)本剤は,レボホリナートおよびフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用に有用性が認められていますが,本併用療法において致死的な転帰に至る重い副作用が現れることがあります。
(3)本剤を含む抗がん薬併用療法は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。

基本的注意 解説

*オキサリプラチン(エルプラット点滴静注液)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……機能障害を伴う重い感覚異常または知覚不全/本剤の成分または他の白金を含む薬剤に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/感覚異常または知覚不全/重い腎機能障害/心疾患/感染症の合併/水痘/高齢者
(3)低温に注意……(1)本剤の使用によって,手足や口唇周囲部などの感覚異常・知覚不全(末梢神経症状)が,本剤の投与直後からほとんど全例におこります。また,咽頭喉頭の締めつけられる感じ(咽頭喉頭感覚異常)がおこることがあります。末梢神経症状が悪化したり回復が遅れると,手足などがしびれて文字を書きにくい,ボタンをかけにくい,飲み込みにくい,歩きにくいなどの感覚性の機能障害がおこることがあります。(2)これらの末梢神経症状・咽頭喉頭感覚異常は,特に低温または冷たいものへさらされると誘発・悪化するので,冷たい飲み物や氷の使用を避け,低温時には皮膚を露出しないようにしてください。多くは休薬すると回復します。
(4)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身障害が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
(5)感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(6)避妊……妊娠可能な女性およびパートナーが妊娠する可能性のある男性は,本剤の使用期間中および使用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。胎児の発育遅滞や遺伝毒性などが報告されています。
(7)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(8)頻回に検査……骨髄機能抑制などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(9)その他……
・授乳婦での安全性:使用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)手足や口唇周囲部の感覚異常・知覚不全,咽頭喉頭の絞扼(こうやく)感(締めつけられる感じ)。(2)ショック,アナフィラキシー(発疹,かゆみ,気管支けいれん,呼吸困難,血圧低下など)。(3)間質性肺炎,肺線維症(発熱,せき,呼吸困難など)。(4)骨髄機能抑制(白血球減少,好中球減少,発熱性好中球減少症,貧血など)。(5)溶血性尿毒症症候群。(6)視覚障害(視野欠損,視野障害,視神経炎,視力低下など)。(7)血栓塞栓症。(8)心室性不整脈,心筋梗塞。(9)肝静脈閉塞症(VOD)。(10)急性腎不全。(11)薬剤誘発性血小板減少症(紫斑,鼻出血,口腔粘膜出血など)。(12)溶血性貧血。(13)可逆性後白質脳症症候群を含む白質脳症(歩行時のふらつき,舌のもつれ,けいれん,頭痛,錯乱,視覚障害など)。(14)高アンモニア血症。(15)横紋筋(おうもんきん)融解症(筋肉痛,脱力感など)。(16)難聴,耳鳴り。(17)感染症(肺炎,敗血症など)。(18)肝機能障害。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……味覚異常,頭痛,神経痛,コリン作動性症候群,不眠,浮動性めまい,回転性めまい,傾眠,うつ病,失神,不安,構語障害,不随意性筋収縮,深部腱反射欠損,不全失語症,失調,神経過敏,レルミット徴候,脳神経麻痺,線維束れん縮,脳神経障害,めまい,頭重感,ふるえ,こわばり,硬直,筋骨格硬直,記憶障害,筋骨格系胸痛/悪心,下痢,嘔吐,食欲不振,口内炎,便秘,しゃっくり,腹痛,歯肉炎,胃部不快感,腸閉塞,上腹部痛,腹部膨満感,下腹部痛,腹部不快感,大腸炎,歯周病,胃炎,歯肉出血,歯痛,心窩部(しんかぶ)不快感,口内乾燥,腹水,う歯(虫歯),鼓腸,胃食道逆流性疾患,胃腸音異常,痔核,下部消化管出血,食道炎,消化不良,歯の異常,直腸炎,しぶり腹,腸内ガス,胃重圧感,腸壁気腫症,門脈ガス血症,消化管壊死,メレナ,胃痛,粘膜の炎症,胃腸障害,肛門周囲痛,膵炎,口腔内痛/血尿,頻尿,膀胱炎,側腹部痛,尿量減少,排尿困難,尿失禁,腎機能障害/ほてり,頻脈,血管障害,上室性不整脈,アダムス・ストークス症候群,動悸/鼻出血,鼻咽頭炎,呼吸困難,せき,上気道感染,発声障害,咽頭炎,鼻粘膜障害,肺障害,嗄声(させい),低酸素症,息切れ,喀血/流涙,視覚障害,結膜炎,眼球周囲痛,眼のかゆみ,眼の異常感,涙道閉塞,涙器障害,白内障,眼乾燥,眼瞼下垂/脱毛,手足症候群,色素沈着,口唇炎,潮紅,多汗,皮膚乾燥,爪の障害,爪囲炎,皮下出血,寝汗,にきび様皮膚炎,色素変化,紫斑,顔面潮紅,皮膚剥脱(はくだつ),顔面のほてり,皮膚障害,ヘルペス性皮膚炎/発疹,薬物過敏症,かゆみ,じん麻疹,紅斑,鼻炎,紅斑性皮疹,血管浮腫,アレルギー性鼻炎,気管支けいれん/(投与部位での)注射部位反応,血管炎,注射部位血管外漏出,血管痛/倦怠感,疲労,発熱,体重減少,浮腫,感染,末梢性浮腫,脱水,関節痛,悪寒,胸部不快感,背部痛,四肢痛,筋痛,鼻汁,胸痛,尿路感染,腰痛,熱感,胸部圧迫感,臀部痛,疼痛,骨痛,体重増加,下肢異常感,代謝障害,腟出血,戦慄,多臓器不全,腫瘍穿孔(せんこう),感冒,出血,カテーテル関連感染,筋脱力,乳汁漏出症
(2)検査などでわかる副作用……タンパク尿,BUN上昇,尿糖,尿沈渣異常,クレアチニン上昇,尿ウロビリノーゲン異常/AL-P・LDH・γ-GTP上昇/白血球分画の変動,白血球増加,血小板増加,プロトロンビン時間延長/高血圧,低血圧/血清カリウムの異常,血清ナトリウムの異常,血清クロールの異常,血清カルシウムの異常,血中リン減少/アルブミン減少,CRP上昇,総タンパク減少,コレステロール上昇,高血糖,アミラーゼ上昇,CK上昇,代謝性アシドーシス

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると骨髄機能抑制などの副作用が強まることがある薬剤・療法……他の抗がん薬/放射線照射

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • D

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27