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らぱりむす

ラパリムス

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

呼吸器の薬/その他の呼吸器の薬

解説タイトル

リンパ脈管筋腫症治療薬

一般名 解説

シロリムス
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 1mg 1錠 1,308.80円

製薬会社 解説

ノーベル

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

mTOR阻害薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

[リンパ脈管筋腫症]1日1回2~4mg。[難治性リンパ管疾患]体表面積が1.0m2以上の場合は2mg,1.0m2未満の場合は1mgを開始用量とし,1日1回服用。最大4mg。

識別コード 解説

その他 解説

保険収載年:2014/11

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

リンパ脈管筋腫症/以下の難治性リンパ管疾患→リンパ管腫(リンパ管奇形),リンパ管腫症,ゴーハム病,リンパ管拡張症

解説 解説

リンパ脈管筋腫症(LAM)は妊娠可能な女性に好発する病気で,遺伝子異常をおこした平滑筋様細胞(LAM細胞)が肺などで異常増殖し,組織を破壊して肺にいくつもの小さな穴をつくり,労作性呼吸困難,気胸などの呼吸器症状をおこす病気です。LAMは,細胞が増殖する際に働くタンパク質であるmTOR(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質)が恒常的に活性化された状態となって過剰な細胞増殖がおこります。本剤(別名:ラパマイシン)にはこのmTORを阻害する作用があり,LAM細胞の増殖・転移を抑制することにより病態の進行を抑えます。本剤はさらに,mTORの異常活性を示す難治性リンパ管疾患にも効果のあることがわかり,適応症として追加されました。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤は,本剤および適応疾患に十分な知識をもつ医師のもとで使用しなければなりません。
(2)本剤の服用により,間質性肺疾患が認められており,海外においては死亡に至った例が報告されています。服用前および服用中は定期的に胸部CT検査を受け,服用中にせき,呼吸困難,発熱などの症状が現れたら直ちに処方医へ連絡してください。
(3)肝炎ウイルスキャリアの人では,本剤の服用中に肝炎ウイルスの再活性化を生じ,肝不全から死亡に至る可能性があります。本剤の服用中または服用終了後は定期的に肝機能検査を行うなど,肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意しなければなりません。

基本的注意 解説

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分またはシロリムス誘導体に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人/生ワクチンの接種
(2)慎重に服用すべき場合……肺に間質性陰影を認める人/感染症を合併している人/肝炎ウイルス,結核などの感染または前歴/中等度(Child-Pugh分類B)以上・軽度(同A)の肝機能障害
(3)服用法……高脂肪食の摂取後に本剤を服用した場合,本剤の血中濃度が増加するとの報告があります。安定した血中濃度を維持できるよう,服用の時期は食後または空腹時のいずれか一定にしてください。
(4)脂質異常……本剤を服用すると脂質異常が現れることがあります。服用中は定期的に脂質検査を受け,脂質異常がみられた場合は,医師の食事指導,運動指導をきちんと守ってください。必要により高脂血症用剤を服用する場合もあります。
(5)飲食物……グレープフルーツジュースは本剤の作用を強めるおそれ,セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は本剤の作用を弱めるおそれがあるので,本剤の服用中はこれらを摂取しないようにしてください。
(6)悪性腫瘍……本剤を服用すると悪性リンパ腫,悪性腫瘍(特に皮膚)を発現する可能性があります。
(7)避妊……本剤は,動物試験(ラット)で胚・胎児への毒性が認められています。妊娠する可能性のある人が服用する場合は,服用期間中および服用終了から最低12週間は適切な方法で避妊してください。
(8)その他……
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・18歳未満での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)間質性肺疾患(肺臓炎,薬剤性肺障害,器質性肺炎を伴う閉塞性細気管支炎,肺線維症など)。(2)細菌,真菌,ウイルスによる重い感染症(肺炎,敗血症,尿路感染,腎盂腎炎,結核を含むマイコバクテリア感染,EB〈エプスタイン・バール〉ウイルス感染,CMV〈サイトメガロウイルス〉感染,単純ヘルペス,帯状疱疹など)。(3)消化管障害(口内炎,下痢,悪心,嘔吐など)。(4)過敏症反応(アナフィラキシー,血管浮腫,過敏性血管炎など)。(5)進行性多巣性白質脳症(PML:意識障害,麻痺症状〈片麻痺,四肢麻痺〉,言語障害など)。(6)BKウイルス腎症。(7)体液貯留(心のう液貯留,末梢性浮腫,胸水,腹水など)。(8)脂質異常症(高コレステロール血症,高トリグリセリド血症,脂質異常,高脂血症,血中コレステロール増加など)。(9)創傷治癒不良。(10)腎障害(ネフローゼ症候群,巣状分節性糸球体硬化症,タンパク尿,血中クレアチニン増加など)。(11)皮膚障害(ざ瘡,ざ瘡様皮膚炎,発疹,剥脱(はくだつ)性発疹,かゆみなど)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)すぐに処方医に連絡する副作用……鼻咽頭炎,気管支炎,胃腸炎,咽頭炎,歯周炎,皮膚感染,上気道感染,口腔ヘルペス,歯肉炎,副鼻腔炎,膀胱炎,外陰部腟カンジダ症,外耳炎,細菌尿,麦粒腫,扁桃炎,感染性腸炎,唾液腺炎,インフルエンザ,憩室炎,歯槽骨炎,歯肉膿瘍,爪囲炎,腟感染,白癬感染,毛包炎,喉頭炎/食欲減退/頭痛,浮動性めまい,不眠症,気分変化,味覚異常,感覚障害,感覚鈍麻,記憶障害,傾眠,末梢性感覚ニューロパチー/結膜炎,眼乾燥,眼瞼浮腫,眼痛,霰粒腫/中耳の炎症,耳出血,耳痛,耳不快感/出血,動悸,不整脈/上気道の炎症,呼吸障害,せき,呼吸困難,口腔咽頭痛,鼻出血,気胸,発声障害,肺出血,気管支けいれん,急性呼吸不全,低酸素症,鼻粘膜障害,鼻閉,鼻漏/腹痛,便秘,口唇炎,胃腸障害,胃炎,下腹部痛,上腹部痛,消化不良,歯痛,歯周病,腹部不快感,口内乾燥,鼓腸,小腸閉塞,腸炎,腹部膨満,顎下腺腫大,口の錯感覚,歯肉痛,口腔内痛,胃食道逆流性疾患/胆のう炎/湿疹,色素沈着障害,爪破損,じん麻疹,紅斑,爪線状隆起,毛細血管拡張症,皮膚炎,皮下出血,皮膚びらん,貨幣状湿疹,手掌・足底発赤知覚不全症候群,爪甲脱落症,そう痒性皮疹,多汗症,脱毛症,手皮膚炎,点状出血,皮下血腫,皮膚腫瘤,皮膚潰瘍/筋骨格障害,背部痛,関節痛,筋痙縮(けいしゅく),鼠径部痛,顎痛,関節腫脹,筋骨格硬直,筋力低下,四肢痛,筋肉痛/尿生殖器出血,血尿/不規則月経,月経障害,無月経,月経過多,月経困難症,腟分泌物,卵巣のう胞,性器出血,外陰腟乾燥,不正子宮出血,閉経期症状,無精子症/疼痛,発熱,疲労,倦怠感,胸痛,粘膜の炎症,圧痛,異常感,胸部不快感,浮腫,限局性浮腫,口渇/挫傷/体重減少,体重増加
(2)検査などでわかる副作用……白血球減少症,リンパ球減少症,貧血/低カリウム血症,高尿酸血症,高血糖/高血圧/肝機能異常/白血球減少,AST・ALT・AL-P・γ-GTP増加,好中球減少,尿タンパク,血中ビリルビン増加,血小板増加,白血球百分率異常,ヘモグロビン減少,CRP増加,LDL増加

併用してはいけない薬 解説

生ワクチン(乾燥弱毒生麻疹ワクチン,乾燥弱毒生風疹ワクチン,経口生ポリオワクチン,乾燥BCGなど)→免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあります。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の作用が強まるおそれがある薬剤……シクロスポリン(シクロスポリン),カルシウム拮抗薬(ジルチアゼム塩酸塩(カルシウム拮抗薬),ニカルジピン塩酸塩(カルシウム拮抗薬(適応症が高血圧症のみのもの)),ベラパミル塩酸塩(カルシウム拮抗薬)),抗真菌薬(フルコナゾール(深在性真菌治療薬),イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),ケトコナゾール(イミダゾール誘導体),ボリコナゾール(深在性真菌治療薬)など),マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン(マクロライド),クラリスロマイシン(マクロライド)など),メトクロプラミド(メトクロプラミド),ブロモクリプチンメシル酸塩(乳汁分泌異常症治療薬),シメチジン(ヒスタミンH2受容体拮抗薬),ダナゾール(ダナゾール),レテルモビル(サイトメガロウイルス感染症治療薬),プロテアーゼ阻害薬(リトナビル(エイズ治療薬(2))など),ミカファンギンナトリウム(注射薬)
(2)併用すると本剤の作用が弱まるおそれがある薬剤……リファンピシン(リファンピシン),リファブチン(リファブチン),抗てんかん薬(カルバマゼピン(カルバマゼピン),フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体),フェニトイン(フェニトイン)),ロルラチニブ(ALK融合遺伝子陽性がん治療薬
(3)併用すると血管浮腫(顔面,口唇,舌,咽頭の腫脹など)を発症するリスクが高まるおそれがある薬剤……ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬(ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬))など

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27