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ゾレドロン酸点滴静注

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/がんに使われるその他の薬剤

解説タイトル

骨吸収抑制薬

一般名 解説

ゾレドロン酸水和物
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 4mg5mL 1瓶 6,425.00円

製薬会社 解説

コーアイセイ=日医工

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

骨吸収抑制薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[パミドロン酸2ナトリウム水和物の適応症]悪性腫瘍による高カルシウム血症/乳がんの溶骨性骨転移(化学療法,内分泌療法,あるいは放射線療法と併用すること)/骨形成不全症
[ゾレドロン酸水和物の適応症]〔リクラスト点滴静注液を除く〕悪性腫瘍による高カルシウム血症/多発性骨髄腫による骨病変および固形がん骨転移による骨病変/〔リクラスト点滴静注液のみ〕骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

解説 解説

がんの中には,進行すると骨に転移するものがあります。血液のがんの多発性骨髄腫ではそのほとんどで,固形がんでは,乳がんや肺がん,前立腺がん,腎がんなどで骨転移が見られます。
骨に転移したがん細胞は,骨吸収を司る(古い骨を溶かす)破骨細胞を活性化させて骨を破壊するため,激しく痛む,骨折しやすくなる,高カルシウム血症(骨のカルシウムが血液中に溶け出す)となって頻尿,吐き気,嘔吐,便秘,脱力感,うつ状態などの症状が現れます。本剤は,骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に使われる内服薬のビスホスフォネート製剤(ビスホスフォネート製剤)と同じタイプの骨吸収抑制薬です。本剤は骨に染み込んで,破骨細胞の働きを弱めることで骨を丈夫に保ち,痛みなどの骨病変の予防・減少・遅延に効果を発揮します。
なお,ゾレドロン酸水和物のリクラスト点滴静注液のみは骨粗鬆症が適応となっています。このリクラストは,1年に1回だけ投与する薬剤で,有効成分であるゾレドロン酸水和物が骨に移行して長期にわたり体内に残存し,効果を発揮します。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の点滴静脈内注射は,必ず15分間以上かけて行わなければなりません。5分間で行った外国の臨床試験で,急性腎障害が発現した例が報告されています。
(2)悪性腫瘍による高カルシウム血症の人に本剤を投与する場合には,高カルシウム血症による脱水症状を是正するため,輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行ったうえで投与する必要があります。

基本的注意 解説

*ゾレドロン酸水和物(ゾメタ点滴静注)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分または他のビスホスフォネート製剤(ビスホスフォネート製剤)に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に使用すべき場合……重い腎機能障害/高齢者
(3)口腔の衛生管理……本剤による治療において顎骨壊死・顎骨骨髄炎が現れることがあります。口腔の不衛生,抜歯などの顎骨に対する侵襲的な歯科処置の前歴などが危険因子となるので,本剤の投与開始前には口腔内の管理状態を確認し,必要に応じて歯科検査を受け,侵襲的な歯科処置をできるかぎり済ませておくようにします。また,治療中は口腔内を清潔に保ち,定期的な歯科検査を受け,異常が認められた場合には直ちに歯科・口腔外科を受診するようにします。
(4)その他……
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

[パミドロン酸2ナトリウム水和物](1)ショック,アナフィラキシー(気管支けいれん,呼吸困難,喘鳴(ぜんめい)など)。(2)急性腎障害,ネフローゼ症候群(巣状分節性糸球体硬化症などによる),間質性腎炎。(3)臨床症状を伴う低カルシウム血症(テタニー,手指のしびれなど)。(4)間質性肺炎(せき,呼吸困難,発熱,肺音の異常など)。(5)顎骨壊死・顎骨骨髄炎。(6)外耳道骨壊死。(7)大腿骨転子下,近位大腿骨骨幹部,近位尺骨骨幹部などの非定型骨折。
[ゾレドロン酸水和物](1)急性腎障害,間質性腎炎,ファンコニー症候群(低リン血症,低カリウム血症,代謝性アシドーシスなどを主症状とする近位腎尿細管障害)など。(2)臨床症状を伴う低カルシウム血症(QT延長,けいれん,テタニー,しびれ,失見当識など)。(3)顎骨壊死・顎骨骨髄炎。(4)外耳道骨壊死。(5)大腿骨転子下,近位大腿骨骨幹部,近位尺骨骨幹部などの非定型骨折。/〔リクラスト点滴静注液を除く〕(6)うっ血性心不全(浮腫,呼吸困難,肺水腫)。(7)間質性肺炎(せき,呼吸困難,発熱,肺音の異常など)。/〔リクラスト点滴静注液のみ〕(8)アナフィラキシー。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)処方医に連絡すべき副作用……紅斑性皮疹,斑状皮疹,血管神経性浮腫,じん麻疹,紅斑,水疱,皮疹,湿疹,かゆみ
(2)おこることがある副作用……不安,睡眠障害,錯乱,幻覚/錯感覚,知覚過敏,ふるえ,傾眠,頭痛,浮動性めまい,味覚異常,感覚減退/霧視,ブドウ膜炎,上強膜炎,強膜炎,眼窩(がんか)の炎症(眼窩浮腫,眼窩蜂巣炎など),結膜炎,結膜充血/徐脈/せき,呼吸困難/消化不良,口内乾燥,吐きけ,下痢,便秘,腹痛,食欲不振,嘔吐,口内炎,歯周病(歯肉炎,歯周炎など)/全身痛,関節痛,骨痛,関節硬直,筋肉痛,筋硬直,背部痛/血尿,多尿/注射部位反応(疼痛,刺激感,腫脹,硬結,発赤),体重増加,多汗,インフルエンザ様疾患,発熱,倦怠感,脱力,疲労,むくみ,胸痛,疼痛,悪寒,口渇,関節炎,関節腫脹
(3)検査などでわかる副作用……血小板減少,白血球減少,汎血球減少,貧血/低マグネシウム血症,高ナトリウム血症,低リン酸血症,低カリウム血症,高カリウム血症/低血圧,高血圧/肝機能異常(AST・ALT・γ-GTP増加)/尿中β2-ミクログロブリン増加,タンパク尿,血中尿素増加,血中クレアチニン増加,β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用によって相互の作用が強まり,血清カルシウムが低下するおそれがある薬剤……カルシトニン製剤(カルシトニン,エルカトニン,サケカルシトニン),アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシンなど),シナカルセト塩酸塩(カルシウム受容体作動薬

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27