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けいこうようえんどきさんげんまつ

経口用エンドキサン原末

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

がんに使われる内服薬/アルキル化剤

解説タイトル

シクロホスファミド水和物

一般名 解説

シクロホスファミド水和物
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

末剤 / 100mg 1瓶 160.30円

製薬会社 解説

塩野義

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

ナイトロジェンマスタード系薬剤

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

保険収載年:1992/7

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

(1)次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→多発性骨髄腫,悪性リンパ腫(ホジキン病,リンパ肉腫,細網肉腫),乳がん,急性白血病,真性多血症,肺がん,神経腫瘍(神経芽腫,網膜芽腫),骨腫瘍。ただし,次の疾患については他の抗腫瘍薬と併用することが必要。→慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,咽頭がん,胃がん,膵がん,肝がん,結腸がん,子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん,睾丸腫瘍,絨毛(じゅうもう)性疾患(絨毛がん,破壊胞状奇胎,胞状奇胎),横紋筋肉腫,悪性黒色腫
(2)細胞移植に伴う免疫反応の抑制
(3)全身性ALアミロイドーシス
(4)治療抵抗性の次のリウマチ性疾患:全身性エリテマトーデス,全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎,多発血管炎性肉芽腫症,結節性多発動脈炎,好酸球性多発血管炎性肉芽腫症,高安動脈炎など),多発性筋炎・皮膚筋炎,強皮症,混合性結合組織病,および血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患
(5)ネフローゼ症候群(副腎皮質ステロイド薬による適切な治療を行っても十分な効果がみられない場合に限る)

解説 解説

毒ガス兵器マスタードガスから導き出された代表的なアルキル化剤です。さまざまながんの治療に用いられるほか,全身性ALアミロイドーシス,治療抵抗性のリウマチ性疾患(全身性エリテマトーデスなど),ネフローゼ症候群,さらに細胞移植に伴う免疫反応の抑制にも使用されます。全身性ALアミロイドーシスの場合は他の薬剤と併用します。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤とペントスタチンを併用してはいけません。外国で,錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫などが現れ,心毒性により死亡した例が報告されています。
(2)本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験をもつ医師に,本療法の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。
(3)全身性ALアミロイドーシス,治療抵抗性のリウマチ性疾患,ネフローゼ症候群の人が本剤を服用する場合には,緊急時に十分対応できる医療施設において,本剤についての十分な知識とこれらの疾患の治療の経験をもつ医師のもとで行わなければなりません。

基本的注意 解説

*シクロホスファミド水和物(エンドキサン)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……ペントスタチンの使用中/重症感染症の合併/本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴
(2)慎重に服用すべき場合……肝機能障害/腎機能障害/骨髄機能抑制/感染症の合併/水痘/小児
(3)頻回に検査……骨髄機能抑制,出血性膀胱炎などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,尿,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(4)尿量の増加……出血性膀胱炎を防ぐため尿量の増加をはかってください。
(5)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が服用すると,致命的な全身状態が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
(6)感染症,出血傾向……服用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(7)二次発がん……服用によって急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS),膀胱腫瘍,悪性リンパ腫,腎盂・尿管腫瘍などが発生したとの報告があります。
(8)避妊……本剤は,動物試験で胚・胎児の死亡および催奇形作用が報告されています。妊娠中に本剤を使用するか,本剤を使用中に妊娠した場合は,胎児に異常が生じる危険性があります。妊娠する可能性のある人およびパートナーが妊娠する可能性のある男性は,服用中および服用終了後一定期間は適切な避妊を行ってください。
(9)その他……
・妊婦での安全性:服用しないことが望ましい。
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)ショック,アナフィラキシー(血圧低下,呼吸困難,じん麻疹,喘鳴(ぜんめい),不快感など)。(2)骨髄機能抑制(汎血球減少,貧血,白血球減少,血小板減少,出血など)。(3)出血性膀胱炎,排尿障害。(4)イレウス(腸閉塞),胃腸出血。(5)心筋障害,心不全。(6)間質性肺炎,肺線維症。(7)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)。(8)肝機能障害,黄疸。(9)急性腎障害などの重い腎機能障害。(10)高張尿,けいれん,意識障害などを伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)。(11)横紋筋融解症(筋肉痛,脱力感など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……黄疸/むくみ/悪心・嘔吐,食欲不振,味覚異常,口渇,潰瘍性口内炎,胸やけ,おくび,腹部膨満感,腹痛,便秘,下痢/アレルギー症状(発疹)/脱毛,皮膚炎,色素沈着,爪の変形・変色/倦怠感,頭痛,めまい,不眠,運動失調/肺水腫/心悸亢進/副腎皮質機能不全,甲状腺機能亢進/卵巣機能不全,無月経/発熱,創傷の治癒遅延
(2)検査などでわかる副作用……肝機能障害,コリンエステラーゼ低下/乏尿による尿浸透圧の上昇,タンパク尿/心電図異常,低血圧/無精子症/低ナトリウム血症,高血糖,CK上昇

併用してはいけない薬 解説

ペントスタチン→錯乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫などが現れ,心毒性により死亡した例が報告されています。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると相互に骨髄機能抑制などの副作用が強まることがある薬剤・療法……他の抗がん薬,アロプリノール(尿酸合成阻害薬(キサンチンオキシダーゼ阻害薬))/放射線照射
(2)併用すると本剤の作用が強まることがある薬剤……フェノバルビタール(バルビツール酸誘導体
(3)併用すると本剤の作用が弱まることがある薬剤……副腎皮質ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬),クロラムフェニコール(クロラムフェニコール
(4)本剤との併用で作用が強まることがある薬剤……インスリン(糖尿病治療薬(1)(インスリン製剤)),オキシトシン,脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウムなど)
(5)本剤との併用で作用が弱まることがある薬剤……バソプレシン
(6)併用すると心筋障害が強まるおそれがある薬剤……アントラサイクリン系薬剤(ドキソルビシン塩酸塩,エピルビシン塩酸塩など(アントラサイクリン系抗生物質))

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • D

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27