お薬検索

じれにあ

ジレニア

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

その他の薬/その他の薬

解説タイトル

多発性硬化症治療薬(1)

一般名 解説

フィンゴリモド塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

カプセル剤 / 0.5mg 1カプセル 8,296.90円

製薬会社 解説

ノバルティス

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

多発性硬化症治療薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

0.5mg(1カプセル)を1日1回。

識別コード 解説

0.5mg 包装コード:FTY 0.5mg 本体コード:FTY 0.5mg

その他 解説

保険収載年:2011/11

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

多発性硬化症の再発予防および身体的障害の進行抑制

解説 解説

本剤は,ツクツクボウシ(蝉)の幼虫に寄生する冬虫夏草(とうちゅうかそう)(菌)の一種ツクツクボウシタケ(菌)に由来したマイリオシンを構造変換してつくられた化合物です。
多発性硬化症は,脳や脊髄などに自己のリンパ球などが浸潤する自己免疫疾患ですが,本剤は自己反応性T細胞のリンパ節からの移出を抑制し,中枢神経系組織への浸潤を阻止することによって免疫調節作用を発揮すると考えられています。
なお,一次性進行型多発性硬化症患者を対象とした海外のプラセボ対照臨床試験において,「身体的障害の進行抑制」効果は示されなかったとの報告があります。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤の服用は,緊急時に十分対応できる医療施設において,本剤の安全性および有効性についての十分な知識と多発性硬化症の治療経験をもつ医師のもとで,本療法が適切と判断される症例についてのみ実施しなければなりません。また,黄斑浮腫などの重い眼疾患が発現することがあるので,十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用されなければなりません。
(2)本剤の服用開始後, 数日間にわたり心拍数の低下がおこります。特に服用初期は大きく心拍数が低下することがあるので,循環器を専門とする医師と連携するなど適切な処置が行える管理下で服用を開始しなければなりません。
(3)重い感染症が現れ,死亡に至る例が報告されています。また,本剤との関連性は明らかではありませんが,エプスタイン・バーウイルスに関連した悪性リンパ腫,リンパ増殖性疾患の発現も報告されています。本剤の服用によって重い副作用で致命的な経過をたどることがあるので,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用しなければなりません。

基本的注意 解説

*イムセラ,ジレニアの添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/重い感染症/クラスIa抗不整脈薬(プロカインアミド塩酸塩(プロカインアミド塩酸塩),キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物)など),またはクラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩(アミオダロン塩酸塩),ソタロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))など)の服用中/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に服用すべき場合……感染症のある人または感染症が疑われる人/水痘または帯状疱疹にかかったことがなく,予防接種を受けていない人/感染しやすい状態にある人/第II度以上の房室ブロック,洞不全症候群,虚血性心疾患またはうっ血性心不全/心拍数の低い人/失神の前歴/低カリウム血症/先天性QT延長症候群またはQT延長/高血圧/黄斑浮腫/糖尿病またはブドウ膜炎の前歴/肝機能障害またはその前歴/重度の呼吸器疾患/高齢者
(3)予防接種の有無の確認……本剤の服用中に水痘(みずぼうそう)または帯状疱疹に初感染すると重症化するおそれがあるため,服用開始前には水痘・帯状疱疹の既往や予防接種の有無を確認し,必要に応じてワクチンの接種を行います。
(4)バイタルサインのチェック……本剤を服用すると徐脈性不整脈が現れることがあるため,初回服用後少なくとも6時間はバイタルサイン(脈拍,呼吸,血圧,体温)の観察を行い,初回服用前および初回服用6時間後に心電図を測定します。また, 初回服用後24時間は心拍数・血圧の測定に加え, 連続的に心電図をモニターすることが望まれます。
(5)避妊……本剤は胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。服用中および最終服用後2カ月間は適切な避妊を徹底し,服用中に妊娠が確認された場合には直ちに服用を中止し,処方医に連絡してください。
(6)危険作業に注意……服用の初期には,めまい,ふらつきが現れることがあるので,自動車の運転など危険を伴う機械の作業をする際には十分に注意してください。
(7)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳しないことが望ましい。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)感染症。(2)徐脈性不整脈(徐脈,房室ブロックなど)。(3)黄斑浮腫。(4)悪性リンパ腫。(5)可逆性後白質脳症症候群(頭痛,意識障害,けいれん,視力障害など)。(6)虚血性および出血性脳卒中(頭痛,吐きけ,麻痺,言語障害など)。(7)末梢動脈閉塞性疾患(四肢の疼痛,しびれなど)。(8)進行性多巣性白質脳症(PML:意識障害,認知障害,麻痺症状〈片麻痺,四肢麻痺〉,言語障害など)。(9)血小板減少。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)すぐに処方医に連絡する副作用……うつ病/頭痛,浮動性めまい,傾眠,片頭痛,錯感覚/霧視,眼痛/上気道の炎症,呼吸困難,せき/下痢,悪心,胃炎,腹痛,アフタ性口内炎,便秘,歯周炎,胃腸炎/発疹,脱毛症,湿疹,そう痒症/背部痛,筋肉痛,関節痛/倦怠感,疲労,発熱,無力症/体重減少,過敏症
(2)検査などでわかる副作用……リンパ球減少,白血球減少/一酸化炭素拡散能減少,努力呼気量減少/肝機能検査値異常,γ-GTP・ALT・AST・ビリルビン上昇/高コレステロール血症,血中トリグリセリド増加,高血圧

併用してはいけない薬 解説

(1)生ワクチン(乾燥弱毒生麻疹ワクチン,乾燥弱毒生風疹ワクチン,経口生ポリオワクチン,乾燥BCGなど)→本剤は免疫系に抑制的に作用するため,生ワクチンを接種するとその病原体が増殖し,病原性を現すおそれがあります。(2)クラスIa抗不整脈薬(プロカインアミド塩酸塩(プロカインアミド塩酸塩),キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩水和物)など),クラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩(アミオダロン塩酸塩),ソタロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))など)→本剤の服用によって心拍数が低下するため,併用すると不整脈が強まるおそれがあります。

注意して併用すべき薬

(1)本剤の服用中および服用中止2カ月後までは注意が必要な薬剤……不活化ワクチン(効果が弱まることがある),抗腫瘍薬・免疫抑制薬(感染症などのリスクが増大することがある)
(2)本剤の服用開始時に併用すると相互作用で重度の徐脈や心ブロックがおこることがある薬剤……β遮断薬(アテノロール(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))など),カルシウム拮抗薬(カルシウム拮抗薬) (ベラパミル塩酸塩,ジルチアゼム塩酸塩など)

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27