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ピオグリタゾン

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

内分泌疾患の薬/糖尿病の内服薬

解説タイトル

ピオグリタゾン塩酸塩

一般名 解説

ピオグリタゾン塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 15mg 1錠 15.60円
錠剤 / 30mg 1錠 29.10円

製薬会社 解説

辰巳

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

インスリン抵抗性改善薬(糖尿病治療薬)

規制 解説

使用量と回数 解説

1日1回15~30mg,最大45mg。インスリン製剤併用時は1日1回15mg,1日最大30mg。

識別コード 解説

15mg 包装コード:TU 321 本体コード:TU 321:15
30mg 包装コード:TU 322 本体コード:TU 322:30

その他 解説

保険収載年:1999/11

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[ピオグリタゾン塩酸塩の適応症]2型糖尿病。ただし,以下のいずれかの治療で十分な効果が得られず,インスリン抵抗性が推定される場合に限る→(1)食事療法・運動療法のみ/(2)食事療法・運動療法に加えてスルフォニルウレア剤(糖尿病治療薬(スルフォニルウレア系))を使用/(3)食事療法・運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害薬(食後過血糖改善薬)を使用/(4)食事療法,運動療法に加えてビグアナイド系薬剤(糖尿病治療薬(ビグアナイド系))を使用/(5)食事療法,運動療法に加えてインスリン製剤(糖尿病治療薬(1)(インスリン製剤))を使用
[ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩配合剤の適応症]2型糖尿病。ただし,ピオグリタゾン塩酸塩およびメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
[ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド配合剤の適応症]2型糖尿病。ただし,ピオグリタゾン塩酸塩およびグリメピリドの併用による治療が適切と判断される場合に限る。

解説 解説

日本の糖尿病のほとんどを占める2型糖尿病は,主にインスリン分泌能低下と末梢でのインスリン抵抗性(インスリンの効きが悪いこと)によりおこると考えられています。従来は,インスリン分泌を促すスルフォニルウレア系(糖尿病治療薬(スルフォニルウレア系))が経口薬としては広く使われてきましたが,インスリン抵抗性を改善する薬剤として本剤が日本で開発されました。
この系統(チアゾリジン系)の薬として最初に市販されたトログリタゾンは,アメリカでの劇症肝炎発生による発売中止を受けて,日本の市場からも姿を消しました。ピオグリタゾンも日本の開発品ですが,作用や構造が似ているので,劇症肝炎への注意を怠ってはいけません。従来から使われているスルフォニルウレア系薬剤などで糖尿病がコントロールできている人は,そのままの治療を続けたほうが安全です。
なお,メタクト配合錠を服用する場合はメトホルミン塩酸塩(糖尿病治療薬(ビグアナイド系)),ソニアス配合錠の場合はグリメピリド(糖尿病治療薬(スルフォニルウレア系))の「使用上の注意」も参照してください。

使用上の注意

警告 解説

[ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩配合剤のみ](1)重篤な乳酸アシドーシスあるいは低血糖症がおこることがあるので,用法・用量など指示されたことは厳守しなければなりません。(2)腎機能障害または肝機能障害のある人,高齢者が服用する場合には,定期的に腎機能・肝機能の検査を受けなければなりません。特に75歳以上の高齢者は十分に注意。
[ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド配合剤のみ]重篤で遷延(せんえん)性(長引くこと)の低血糖症がおこることがあるので,用法・用量など指示されたことは厳守しなければなりません。

基本的注意 解説

*ピオグリタゾン塩酸塩(アクトス)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……心不全またはその前歴/重症ケトーシス,糖尿病性昏睡または前昏睡,1型糖尿病/重い肝機能障害・腎機能障害/重症感染症,手術前後,重い外傷/本剤の成分に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に服用すべき場合……心不全発症のおそれのある心疾患(心筋梗塞,狭心症,心筋症,高血圧性心疾患など)/肝機能障害・腎機能障害(重篤な場合は禁忌)/低血糖をおこすおそれのある以下の人・状態→脳下垂体機能不全,副腎機能不全,栄養不良状態,飢餓状態,不規則な食事摂取,食事摂取量の不足,衰弱状態,激しい筋肉運動,過度のアルコール摂取/高齢者
(3)定期検査……心電図異常や心胸比増大がおこることがあるので心電図検査を,さらに血糖,尿糖,血液などの検査を定期的に受ける必要があります。
(4)低血糖対策……(1)他の糖尿病用薬と併用すると,低血糖症状が現れることがあります。初期症状として脱力感,高度の空腹感,発汗など。引き続いて動悸,ふるえ,頭痛,知覚異常,不安,興奮,神経過敏,集中力低下,精神障害,意識障害,けいれんなどが現れます。処方医から指示された低血糖症状に関する対策をきちんと守ってください。特に高所作業や自動車の運転などに従事している人は注意が必要です。(2)平素からショ糖(砂糖の主成分)やブドウ糖を持ち歩き,低血糖症状が現れたら,すぐに服用してください。本剤の服用によって症状が現れたら通常はショ糖を服用し,α-グルコシダーゼ阻害薬(食後過血糖改善薬)(アカルボース,ボグリボース,ミグリトール)を併用している場合にはブドウ糖を服用します。
(5)むくみ……(1)本剤を服用し始めると,むくみ(浮腫)が短期間でおこり,また心不全が悪化または発症することがあります。服用中にむくみや急激な体重増加,心不全症状(息切れ,動悸,心胸比増大,胸水など)などがみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。(2)むくみは,比較的女性に多くおこります。また,1日1回30mgから45mgに増量した後にむくみがおこる例が多くみられています。45mgに増量した人は状態に十分注意してください。
(6)糖尿病性網膜症の悪化……服用すると,急激な血糖下降に伴い,糖尿病性網膜症が悪化することがあります。
(7)膀胱がん……海外において,膀胱がんの発生リスク増加の可能性を示唆する疫学研究が報告されています。膀胱がんの治療中の人は服用を避けてください。また,膀胱がんのリスクがあることを納得してから服用する,服用中に血尿・頻尿・排尿痛などの症状が現れた場合には直ちに受診する,定期的に尿検査などを受ける,服用終了後も継続して十分な経過観察を行うことが大切です。
(8)その他……
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)肝機能障害,黄疸。(2)むくみ,急激な体重増加,心不全の発症・悪化(息切れ,動悸,心胸比増大,胸水など)。(3)(他の糖尿病用薬との併用により)低血糖症状。(4)胃潰瘍の再燃。(5)横紋筋(おうもんきん)融解症。(6)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難,肺音の異常など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,湿疹,かゆみ)
(2)次回,受診した際に処方医に伝える副作用……動悸,胸部圧迫感,顔面潮紅/悪心・嘔吐,胸やけ,胃部不快感,腹痛,腹部膨満感,下痢,便秘,食欲亢進,食欲不振/めまい,ふらつき,頭痛,眠け,倦怠感,脱力感,しびれ/体重増加,息切れ,関節痛,ふるえ,急激な血糖下降に伴う糖尿病性網膜症の悪化,骨折,糖尿病性黄斑浮腫の発症・増悪
(3)検査などでわかる副作用……心胸比増大,心電図異常/貧血,白血球・血小板減少/血圧上昇/AST・ALT・AL-P・γ-GTP上昇/LDH・CK・BUN・カリウム上昇,総タンパク・カルシウム低下,尿タンパク増加

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると低血糖症状が現れることがある薬剤……スルフォニルウレア系薬剤(糖尿病治療薬(スルフォニルウレア系)),ビグアナイド系薬剤(糖尿病治療薬(ビグアナイド系)),インスリン(糖尿病治療薬(1)(インスリン製剤)),α-グルコシダーゼ阻害薬(食後過血糖改善薬),速効型食後血糖降下薬(速効型食後血糖降下薬),DPP-4阻害薬(選択的ジペプチジルペプチターゼ(DPP)-4阻害薬),GLP-1アナログ製剤(糖尿病治療薬(2)(インクレチン関連製剤)
(2)併用すると血糖降下作用が強まる薬剤……ベーター・ブロッカー(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))(ベーター・ブロッカー(適応症が狭心症と高血圧のもの)),サリチル酸製剤(アスピリン),モノアミン酸化酵素阻害薬(選択的MAO-B阻害薬)(モノアミン酸化酵素の働き),フィブラート系の高脂血症治療薬(フィブラート系薬剤),ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム
(3)併用すると血糖降下作用が弱まる薬剤……アドレナリン,副腎皮質ステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬),甲状腺ホルモン(甲状腺製剤),リファンピシン(リファンピシン

海外評価 解説

  • 5点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27