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あばすちんてんてきじょうちゅうよう

アバスチン点滴静注用

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/分子標的治療薬

解説タイトル

ベバシズマブ(遺伝子組み換え)

一般名 解説

ベバシズマブ(遺伝子組み換え)
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 100mg4mL 1瓶 30,428.00円
注射用剤 / 400mg16mL 1瓶 114,527.00円

製薬会社 解説

中外

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

抗VEGFヒト化モノクローナル抗体

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん/切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(扁平上皮がんを除く)/手術不能または再発乳がん(ファイザー製品を除く)/[アバスチン点滴静注用のみの適応症]卵巣がん/進行または再発の子宮頸がん/悪性神経膠腫(こうしゅ)/切除不能な肝細胞がん

解説 解説

分子標的治療薬の作用には,シグナル伝達阻害,血管新生阻害,細胞周期調節などがありますが,本剤は世界で初めての血管新生阻害薬です。がん細胞は栄養を効率よく取り入れるために新しい血管をつくっていますが,本剤は血管新生に必要なVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれるタンパク質を標的として結合することで血管新生を阻害し,がん細胞を兵糧攻めにして増殖を抑制します。

使用上の注意

警告 解説

(1)本剤は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで,適切と判断される人にのみ使用されるべき薬剤です。また,医師よりその有効性・危険性の十分な説明を受け,患者本人(もしくは家族)が納得・同意できなければ治療に入っていくべきではありません。
(2)消化管穿孔(せんこう)が現れ,死亡例が報告されています。
(3)創傷治癒遅延による合併症が現れることがあります。
(4)腫瘍関連出血リスクが高まる可能性があります。
(5)動脈血栓塞栓症が現れ,死亡例が報告されています。
(6)高血圧性脳症,高血圧性クリーゼが現れ,死亡例が報告されています。
(7)可逆性後白質脳症症候群が現れることがあります。
(8)肺出血(喀血)が現れ,死亡例が報告されています。

基本的注意 解説

*アバスチン点滴静注用の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/喀血(2.5mL以上の鮮血)の前歴
(2)慎重に使用すべき場合……消化管など腹腔内の炎症の合併/大きな手術の傷が治癒していない人/脳転移のある人/先天性出血素因,凝固系異常/抗凝固薬の服用中/血栓塞栓症の前歴/糖尿病/高血圧症/重い心疾患(うっ血性心不全,冠動脈疾患など)/高齢者
(3)Infusion reaction……注射や点滴を行った後,24時間以内に多く現れる症状などをInfusion reaction(注入反応,点滴反応)といいます。本剤では,じん麻疹,呼吸困難,口唇浮腫,咽頭浮腫などが現れることがあります。
(4)避妊……妊娠する可能性がある人は,本剤の使用中および使用終了後も最低6カ月間は適切な方法で避妊してください。本剤を使用した人で奇形を有する児の出産が報告されています。
(5)その他……
・妊婦での安全性:有益と判断されたときのみ使用。
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)ショック,アナフィラキシー・Infusion reaction(じん麻疹,呼吸困難,口唇浮腫,咽頭浮腫など)。(2)消化管穿孔。(3)消化管瘻(ろう)(腸管皮膚瘻,腸管瘻,気管食道瘻など),消化管以外の瘻孔(気管支胸膜瘻,泌尿生殖器瘻,胆管瘻など)。(4)創傷治癒の遅れ。(5)腫瘍関連出血を含む,消化管出血(吐血,下血),肺出血(血痰・喀血),脳出血,粘膜出血(鼻出血,歯肉出血,腟出血など)。(6)血栓塞栓症(脳血管発作,一過性脳虚血発作,心筋梗塞,狭心症,脳虚血,脳梗塞,深部静脈血栓症,肺塞栓症など)。(7)コントロール不能の高血圧,高血圧性脳症,高血圧性クリーゼ。(8)可逆性後白質脳症症候群(けいれん発作,頭痛,精神状態変化,視覚障害,皮質盲など)。(9)ネフローゼ症候群。(10)(他の抗がん薬との併用で)骨髄機能抑制。(11)うっ血性心不全。(12)間質性肺炎。(13)感染症(肺炎,敗血症,壊死性筋膜炎など)。(14)血栓性微小血管症(血栓性血小板減少性紫斑病,溶血性尿毒症症候群など)。(15)動脈解離。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……神経毒性(末梢性感覚ニューロパシー,末梢性運動ニューロパシー,感覚神経障害など),味覚異常,頭痛,不眠症,浮動性めまい,神経痛,体位性めまい,不安,嗅覚錯誤,失神,けいれん,傾眠,構語障害/食欲減退,悪心,口内炎,下痢,嘔吐,便秘,胃腸障害,腹痛,歯肉炎,口唇炎,胃不快感,歯周病,消化不良,胃炎,消化管潰瘍,歯痛,痔核,腸炎,歯肉痛,むし歯,逆流性食道炎,腸閉塞,胃腸炎,舌炎,肛門周囲痛,歯の脱落/上室性頻脈,動悸,洞性頻脈/脱毛症,発疹,皮膚変色,剥脱(はくだつ)性皮膚炎,色素沈着,爪の障害,手足症候群,かゆみ,紅斑,じん麻疹,皮膚乾燥,皮膚剥脱,皮膚炎,爪囲炎,爪色素沈着,過角化/関節痛,筋痛,背部痛,四肢痛,筋骨格硬直,筋骨格痛(肩部痛,臀部痛など),筋力低下,側腹部痛/しゃっくり,発声障害,咽頭喉頭痛,鼻漏,せき,呼吸困難,鼻炎,気管支炎,低酸素症/眼障害,結膜炎,流涙増加,霧視/疲労・倦怠感,発熱,蜂巣炎,鼻中隔穿孔(せんこう),卵巣機能不全(無月経など),骨盤痛,上気道感染(鼻咽頭炎など),体重減少,末梢性浮腫,潮紅,注射部位反応(疼痛など),膀胱炎,無力症,ほてり,体重増加,胸痛,胸部不快感,膿瘍,脱水,耳鳴り,カテーテル関連合併症(感染,炎症など),口腔ヘルペス,回転性めまい,毛包炎,顔面浮腫,熱感,静脈炎,帯状疱疹,感染性腸炎,不規則月経,耳不快感,疼痛,尿路感染
(2)検査などでわかる副作用……尿タンパク・尿中血陽性,BUN・クレアチニン増加,AST・ALT・AL-P上昇,γ-GTP・LDH・ビリルビン増加/リンパ球減少,フィブリンDダイマー増加,INR増加,フィブリノゲン増加,白血球・好中球増加,APTT延長,プロトロンビン時間延長/高血圧,肺高血圧症/コレステロール増加,アルブミン減少,ナトリウム・リン・カルシウム・クロール減少,尿酸増加,高カリウム血症,総タンパク減少,脂質異常症(高脂血症),尿中ブドウ糖陽性,高カルシウム血症,高血糖,高マグネシウム血症,低マグネシウム血症,ナトリウム増加,低カリウム血症,CRP上昇

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると出血が現れるおそれがある薬剤……抗凝固薬,ヘパリン,ワルファリンカリウム(ワルファリンカリウム

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27