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ちゅうしゃようふぃるでしん

注射用フィルデシン

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/植物・動物由来製剤

解説タイトル

抗悪性腫瘍ビンカアルカロイド

一般名 解説

ビンデシン硫酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 1mg 1瓶 3,930.00円
注射用剤 / 3mg 1瓶 11,392.00円

製薬会社 解説

日医工

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

ビンカ・ロゼア誘導体

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[ビンクリスチン硫酸塩の適応症](1)白血病(急性白血病,慢性白血病の急性転化時を含む)/(2)悪性リンパ腫(細網肉腫,リンパ肉腫,ホジキン病)/(3)小児腫瘍(神経芽腫,ウイルムス腫瘍,横紋筋(おうもんきん)肉腫,睾丸胎児性がん,血管肉腫など)/(4)多発性骨髄腫,悪性星細胞腫,乏突起膠腫成分を有する神経膠腫に対する他の抗がん薬との併用療法/(5)褐色細胞腫
[ビンブラスチン硫酸塩の適応症]〈通常療法〉次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→悪性リンパ腫,絨毛(じゅうもう)性疾患(絨毛がん,破壊胞状奇胎,胞状奇胎),再発または難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍),ランゲルハンス細胞組織球症/〈M-VAC療法〉尿路上皮がん
[ビンデシン硫酸塩の適応症]次の疾患の自覚的・他覚的症状の緩解→急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む),悪性リンパ腫,肺がん,食道がん

解説 解説

キョウチクトウ科のニチニチソウがもつ強い毒性植物成分を応用した抗がん薬です。がん細胞の分裂に重要な働きをしている微小管の形成を阻害することで,抗がん作用を発揮します。

使用上の注意

警告 解説

[ビンクリスチン硫酸塩,ビンブラスチン硫酸塩]本剤を含むがん化学療法は,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。

基本的注意 解説

*ビンクリスチン硫酸塩(オンコビン注射用)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴/脱髄性シャルコー・マリー・トゥース病
(2)使用してはいけない部位……髄腔内
(3)慎重に使用すべき場合……肝機能障害/腎機能障害/骨髄機能抑制/感染症の合併/神経・筋疾患の前歴/虚血性心疾患/水痘/高齢者
(4)定期検査……重い末梢神経・筋障害がおこることがあるので,定期的に末梢神経伝達速度検査,握力測定,振動覚を含む知覚検査などを,また骨髄機能抑制など重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,尿,肝・腎機能などの検査を受ける必要があります。
(5)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身障害が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
(6)感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(7)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(8)二次発がん……本剤と他の抗がん薬の併用により,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告があります。
(9)その他……
・妊婦での安全性:使用しないことが望ましい。
・授乳婦での安全性:未確立。原則として使用しない。やむを得ず使用するときは授乳を中止。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)運動性ニューロパチー(筋麻痺,運動失調,歩行困難,けいれん,言語障害など),感覚性ニューロパチー(知覚異常,知覚消失,しびれ感,神経痛,疼痛など),自律神経性ニューロパチー(起立性低血圧,尿閉など),脳神経障害(視神経萎縮,味覚障害,めまい,眼振などの平衡感覚障害など),下肢深部反射の減弱・消失などの末梢神経障害。(2)骨髄機能抑制(汎血球減少,白血球数減少,血小板減少,貧血など)。(3)倦怠感,錯乱,昏睡,神経過敏,抑うつ,意識障害など。(4)腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹痛,腹部膨満,腹部弛緩,腸内容物のうっ滞など),麻痺性イレウス(腸閉塞)。(5)消化管出血,消化管穿孔(せんこう),致命的な出血・腹膜炎。(6)意識障害などを伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)。(7)アナフィラキシー(じん麻疹,呼吸困難,血管浮腫など)。(8)心筋梗塞,狭心症。(9)脳梗塞。(10)難聴。(11)呼吸困難,気管支けいれん。(12)間質性肺炎。(13)肝機能障害,黄疸。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)おこることがある副作用……末梢神経障害(垂足,背痛,複視,排尿困難)/出血傾向/便秘,腹痛,口内炎,悪心・嘔吐,食欲不振,下痢/アレルギー症状(発疹)/脱毛,発汗亢進,皮膚落屑(らくせつ)/一過性皮質盲/多尿/体重減少,発熱
(2)検査などでわかる副作用……顆粒球減少/AST・ALT・AL-P・γ-GTP上昇/低血圧,高血圧

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の筋神経系の副作用が強まることがある薬剤……アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール(深在性真菌治療薬),ミコナゾール(カンジダ治療薬)など)
(2)本剤との併用で血中濃度が低下し,けいれんが増悪することがある薬剤……フェニトイン(フェニトイン
(3)併用すると相互に神経系副作用(聴覚障害など)が強まることがある薬剤……神経毒性をもつ薬剤(白金含有の抗がん薬など)
(4)併用すると神経系・造血器系の障害が強まることがある薬剤……L-アスパラギナーゼ(L-アスパラギナーゼ
(5)併用すると呼吸困難,気管支けいれんが発現しやすいことが報告されている薬剤……マイトマイシンC(マイトマイシンC
(6)併用すると相互に骨髄機能抑制などの副作用が強まることがある薬剤・療法……他の抗がん薬/放射線照射
(7)併用すると心筋梗塞,狭心症,脳梗塞などが発現したとの報告がある薬剤……他の抗がん薬
(8)併用すると肝毒性が強まるとの報告がある療法……放射線照射

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27