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めそとれきせーとてんてきじょうちゅうえき

メソトレキセート点滴静注液

注射薬

処方薬情報の見方

種別

注射薬

大分類/中分類

がんに使われる注射薬/代謝拮抗薬

解説タイトル

葉酸代謝拮抗薬(1)

一般名 解説

メトトレキサート
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

注射用剤 / 200mg8mL 1瓶 6,712.00円
注射用剤 / 1,000mg40mL 1瓶 30,142.00円

製薬会社 解説

ファイザー

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

葉酸代謝拮抗薬

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

識別コード 解説

その他 解説

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

[メソトレキセート点滴静注液の適応症]メトトレキサート・ロイコボリン救援療法→肉腫(骨肉腫,軟部肉腫など),急性白血病の中枢神経系および睾丸への浸潤に対する寛解,悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤に対する寛解
[注射用メソトレキセートの適応症](1)メトトレキサート通常療法→急性白血病・慢性リンパ性白血病・慢性骨髄性白血病・絨毛性疾患(絨毛がん,破壊胞状奇胎,胞状奇胎)の自覚的・他覚的症状の緩解/(2)CMF療法→乳がん/(3)メトトレキサート・ホリナート救援療法→肉腫(骨肉腫,軟部肉腫など),急性白血病の中枢神経系および睾丸への浸潤に対する寛解,悪性リンパ腫の中枢神経系への浸潤に対する寛解/(4)メトトレキサート・フルオロウラシル(フルオロウラシル)交代療法→胃がんに対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強/(5)M-VAC療法→尿路上皮がん

解説 解説

がん細胞が増殖するには葉酸という物質が必要です。食物から摂取された葉酸は腸管から吸収されていくつかの代謝を受けますが,本剤はこの代謝経路に必要不可欠なジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を阻害することで抗がん作用を示します。1940年代に白血病の治療薬として開発されました。後にその免疫抑制作用が注目され,リウマチの治療(内服薬)(メトトレキサート)にも使われるようになりました。

使用上の注意

警告 解説

 メトトレキサート・ロイコボリン救援療法およびメトトレキサート・ホリナート救援療法,メトトレキサート・フルオロウラシル交代療法は高度の危険性を伴うので,療法中・療法後の一定期間は医師の監督下で状態を観察しなければなりません。また,M-VAC療法は毒性を持つ薬剤の併用療法です。これらは,緊急時に十分に措置できる医療施設で,がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師に,本剤の有効性・危険性を十分に聞き・たずね,同意してから受けなければなりません。

基本的注意 解説

*メソトレキセート(メソトレキセート点滴静注液)の添付文書による

(1)使用してはいけない場合……本剤の成分に対する重いアレルギーの前歴/肝機能障害/腎機能障害/胸水・腹水などのある人
(2)慎重に使用すべき場合……骨髄機能抑制/感染症の合併/水痘
(3)頻回に検査……骨髄機能抑制,肝機能・腎機能障害などの重い副作用がおこることがあるので,頻回に血液,尿,肝機能,腎機能などの検査を受ける必要があります。
(4)水分の補給……メトトレキサート・ロイコボリン救援療法では,尿が酸性側に傾くとメトトレキサートの結晶が尿細管に沈着するおそれがあるので,尿のアルカリ化と同時に十分に水分を補給し,メトトレキサートの尿への排泄を促すことが大切です。利尿薬の選択にあたっては,尿を酸性化する薬剤(例えばフロセミド,チアジド系利尿薬など)は使いません。
(5)放射線療法との併用……本剤と放射線療法を併用すると,軟部組織壊死,骨壊死の発現頻度が高まるとの報告があります。併用治療後も状態に注意し,異常がみられたら,すぐに処方医へ連絡してください。
(6)二次発がん……本剤を長期使用した人,本剤と他の抗がん薬を併用した人に,悪性リンパ腫,急性白血病,骨髄異形成症候群(MDS)など発生したとの報告があります。
(7)水痘……水痘(水ぼうそう)の人が使用すると,致命的な全身障害が現れることがあるので,状態に十分注意してください。
(8)感染症,出血傾向……使用によって,感染症,出血傾向の発現または悪化がおこりやすくなるので,状態に十分注意してください。
(9)性腺への影響……小児および生殖可能な年齢の人が使用すると,性腺に影響がでることがあります。処方医とよく相談してください。
(10)その他……
・妊婦での安全性:使用しないことが望ましい。
・授乳婦での安全性:使用しないことが望ましい。
・低出生体重児,新生児,乳児(1歳未満)での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)ショック,アナフィラキシー(冷感,呼吸困難,血圧低下など)。(2)汎血球減少,無顆粒球症(前駆症状として発熱,咽頭痛,インフルエンザ様症状などが現れる場合がある),白血球減少,血小板減少,貧血などの骨髄機能抑制。(3)呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎などを含む),敗血症,サイトメガロウイルス感染症,帯状疱疹などの重い感染症(日和見(ひよりみ)感染症を含む)。(4)劇症肝炎,肝不全,肝組織の壊死・線維化・硬変。(5)急性腎障害,尿細管壊死,重症ネフロパチー。(6)間質性肺炎,肺線維症,胸水(発熱,せき,呼吸困難など)。(7)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)。(8)出血性腸炎,壊死性腸炎(激しい腹痛・下痢)。(9)膵炎。(10)骨粗鬆症(こつそしょうしょう)。(11)脳症(白質脳症を含む),その他の中枢神経障害(けいれん,麻痺,失語,認知症,昏睡),ギラン・バレー症候群。(12)進行性多巣性白質脳症(PML;意識障害,認知機能障害,麻痺症状(片麻痺,四肢麻痺),構音障害,失語など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)処方医に連絡すべき副作用……アレルギー症状(発疹,じん麻疹,かゆみ,発熱),光線過敏症
(2)おこることがある副作用……出血,リンパ節腫脹/黄疸/血尿/食欲不振,吐きけ・嘔吐,口内炎,腹痛,下痢,消化管潰瘍・出血,黒いタール状の便(メレナ),腸閉塞(イレウス),舌炎,口唇腫脹/脱毛,紅斑,色素沈着・脱出,皮下斑状出血,にきび,結節,皮膚潰瘍/頭痛,眠け,目のかすみ,背部痛,しびれ感,味覚異常,意識障害,めまい,項部緊張,錯感覚/せき,呼吸困難,動悸,胸部圧迫感/月経不全,流産/倦怠感,膀胱炎,耳下腺炎,結膜炎,関節痛,むくみ,悪寒
(3)検査などでわかる副作用……低ガンマグロブリン血症,好酸球増多/脂肪肝,AST・ALT・AL-P・LDH上昇/BUN・クレアチニン上昇,タンパク尿,低タンパク血症,血清アルブミン減少/無精子症,卵巣機能不全

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると本剤の副作用が強まることがある薬剤……サリチル酸系(アスピリン)などの非ステロイド系解熱鎮痛薬,スルフォンアミド系薬剤,テトラサイクリン塩酸塩(テトラサイクリン系抗生物質),クロラムフェニコール(クロラムフェニコール),フェニトイン(フェニトイン),バルビツール酸誘導体(バルビツール酸誘導体),スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(複合化学療法薬),ピペラシリンナトリウム,プロベネシド(プロベネシド),シプロフロキサシン(ニューキノロン剤),レフルノミド(レフルノミド),プロトンポンプ阻害薬(プロトンポンプ阻害薬
(2)併用すると光線過敏症がおこることがある薬剤……ポルフィマーナトリウム
(3)併用すると軟部組織壊死および骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある療法……放射線療法

海外評価 解説

プレグナンシー・カテゴリー 解説

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[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27