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あまんたじんえんさんえん

アマンタジン塩酸塩

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

その他の循環器系の薬/パーキンソン症候群の薬

解説タイトル

アマンタジン塩酸塩

一般名 解説

アマンタジン塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 50mg 1錠 5.90円
錠剤 / 100mg 1錠 5.90円

製薬会社 解説

全星

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

パーキンソン症候群治療薬

規制 解説

使用量と回数 解説

パーキンソン症候群:1日100mg(1~2回に分けて服用)からはじめ,1週間後に維持量として1日200mg(2回に分けて服用)。1日300mg(3回に分けて服用)まで増量できる。A型インフルエンザウイルス感染症:1日100mgを1~2回に分けて服用。脳梗塞後遺症:1日100~150mgを2~3回に分けて服用。

識別コード 解説

50mg 包装コード:ZE 50mg
100mg 包装コード:ZE 63 100mg

その他 解説

保険収載年:1975/9

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

パーキンソン症候群/A型インフルエンザウイルス感染症/脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善

解説 解説

パーキンソン症候群は,振戦麻痺(しんせんまひ)とも呼ばれる神経系の病気です。中年後期に発病することが多く,脳血管障害のあとでおこることが多いものです。脳炎の後遺症としておこるものは小児にもあります。
まず,手・腕・足などにふるえがおこり,ついで頭が律動的にうなずくこともあります。丸薬を親指と他の指でまるめるような動作は象徴的な不随意運動です。動いているときよりも休んでいるときの方がおこりやすいのですが,寝ているときにはみられません。進行すると顔面がひきつるようになり,無表情になることが多くなります。しだいに歩くことが困難になりますが,病気が進行する前に作業療法や理学療法をすることが大切です。薬だけにたよるのではなく,家族全体ではげますことが必要です。
またこれらの症状は,抗精神病薬の副作用としておこる場合も少なくありません。
パーキンソン症候群に対する本剤の作用機序はまだ十分に解明されていません。ドパミンの放出促進作用・再取り込み抑制作用・合成促進作用によりドパミン作動ニューロンの活性が高められ,主としてドパミン作動神経系の活動を亢進することにより効果を示すと考えられています。

使用上の注意

警告 解説

(1)てんかんまたはその前歴のある人,けいれんの素因のある人が本剤を服用すると,発作を誘発・悪化させることがあるので十分に注意してください。
(2)A型インフルエンザウイルス感染症の人が本剤を服用すると,自殺企図をおこしたとの報告があるので,服用に際しては医師と十分に話し合ってください。
(3)本剤には催奇形性が疑われる症例報告があり,また,動物実験による催奇形性の報告があるので,妊婦または妊娠している可能性のある女性は服用してはいけません。

基本的注意 解説

*アマンタジン塩酸塩(シンメトレル)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/妊婦または妊娠している可能性のある人,授乳婦/透析を必要とする重い腎障害
(2)慎重に服用すべき場合……心血管疾患(うっ血性心疾患など),末梢性浮腫/腎機能障害/肝機能障害/低血圧/精神疾患/閉塞性隅角緑内障/高齢者
(3)服用の中止……本剤を「脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善」のために12週間服用しても効果がみられないときは,服用が中止になります。
(4)服用の急な中止……服用を急に中止すると,パーキンソン症状が悪化することがあります。自己判断で中止しないでください。
(5)周囲の配慮……パーキンソン症候群の人が服用すると,抑うつ症状が現れる場合があり,自殺企図の危険が伴います。周囲の人は,注意深く観察することが必要です。
(6)悪性症候群……本剤の服用によって悪性症候群がおこることがあります。無動緘黙(かんもく)〈緘黙=無言症〉,強度の筋強剛, 嚥下(えんげ)困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗などが発現し,引き続いて発熱がみられたら, 服用を中止して体を冷やす, 水分を補給するなどして,ただちに処方医へ連絡してください。
(7)危険作業は中止……本剤を服用すると,めまい,ふらつき,立ちくらみ,霧視などがおこることがあります。服用中は,自動車の運転,機械の操作,高所作業など危険を伴う作業には従事しないでください。
(8)その他……
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)悪性症候群(高熱,意識障害,高度の筋硬直,不随意運動,ショック症状など)。(2)視力低下を伴うびまん性表在性角膜炎,角膜浮腫様症状。(3)心不全。(4)肝機能障害。(5)腎機能障害。(6)昏睡を含む意識障害,幻覚・妄想・せん妄・錯乱などの精神障害,けいれん,ミオクローヌス,異常行動(急に走り出す,徘徊するなど;インフルエンザ罹患時)。(7)皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),中毒性表皮壊死融解症(TEN)。(8)横紋筋融解症(筋肉痛,脱力感など)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,多形滲出性紅斑,光線過敏症)
(2)次回,受診した際に処方医に伝える副作用……睡眠障害,眠け,不安,気分高揚,激越,失調,興奮,めまい,頭痛・頭重,神経過敏,集中力障害,不随意運動(ふるえ,ジスキネジーなど),欲動亢進,言語障害,歩行障害の悪化,抑うつ,失見当識,躁(そう)状態,悪夢/視調節障害(霧視など)/便秘,下痢,食欲不振,悪心・嘔吐,腹痛/口渇,立ちくらみ,排尿障害/動悸/低体温,尿失禁,脱力感・倦怠感,発汗,網状皮斑,下肢のむくみ,胸痛
(3)検査などでわかる副作用……血圧低下/AST・ALT・AL-P上昇/BUN・クレアチニン上昇,白血球減少

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)併用すると幻覚,睡眠障害などの精神神経系の副作用が強まることがある薬剤……他のパーキンソン病薬(抗コリン性パーキンソン症候群治療薬(抗コリン性パーキンソン症候群治療薬),レボドパ(ドパミン前駆物質(レボドパ)),プラミペキソール塩酸塩水和物(ドパミン受容体作動薬),ドロキシドパ(ドロキシドパ)),中枢興奮薬(メタンフェタミンなど),食欲抑制剤(マジンドール(マジンドール))
(2)併用すると本剤の作用が強まり,錯乱,幻覚などの副作用が現れたとの報告がある薬剤……チアジド系利尿薬(チアジド系薬剤),カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン)(トリアムテレン
(3)併用するとジスキネジー,幻覚などの副作用が強まることがある薬剤……抗パーキンソン病薬(プラミペキソール塩酸塩水和物(ドパミン受容体作動薬))
(4)併用すると相互に作用が強まるおそれがある薬剤……NMDA受容体拮抗薬(メマンチン塩酸塩(認知症治療薬(2))など)

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • C

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

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データ更新日:2023/09/27