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たなとりる

タナトリル

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

血圧の薬/血圧降下薬

解説タイトル

ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)

一般名 解説

イミダプリル塩酸塩
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 2.5mg 1錠 22.20円
錠剤 / 5mg 1錠 39.40円
錠剤 / 10mg 1錠 73.70円

製薬会社 解説

田辺三菱

先発/ジェネリック 解説

先発品

分類 解説

血圧降下薬

規制 解説

使用量と回数 解説

1日1回5~10mg。重症高血圧症,腎機能障害を伴う高血圧症または腎実質性高血圧症には2.5mgから開始。1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症の場合は1日1回5mg,腎障害が重篤な人は2.5mgから開始。

識別コード 解説

2.5mg 包装コード:TA 134 本体コード:TA 134:2.5
5mg 包装コード:TA 135 本体コード:TA 135:5
10mg 包装コード:TA 136 本体コード:TA 136:10

その他 解説

保険収載年:1993/11

タナトリル錠5mg

タナトリル錠10mg

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

高血圧症(本態性高血圧症,腎性高血圧症,腎血管性高血圧症,悪性高血圧など)
[エナラプリルマレイン酸塩,リシノプリル水和物のみの適応症]慢性心不全(軽症~中等症)で他の治療薬(ジギタリス製剤,利尿薬などの基礎治療薬)を服用しても十分な効果が認められない場合
[イミダプリル塩酸塩(2.5・5mg錠)のみの適応症]1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症

解説 解説

この薬剤は,昇圧物質アンジオテンシンⅡの生成に必要な酵素であるアンジオテンシン変換酵素を阻害することで血圧を下げる作用を発揮し,腎性高血圧症や重症高血圧症によく用いられます。心臓や腎臓の保護作用をもち,降圧時でも各臓器の血流量が減少せず,腎臓では血流量の増加,糸球体ろ過量の増加が認められるなどの特徴から,高血圧に対する第一選択薬として用いられます。
副作用としての「せき」が2~3割の頻度で認められますが,この副作用は服薬を中止することで速やかに消失します。逆に,このせき反射が敏感になることを利用して,誤嚥性肺炎の予防に使用することもあります。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

*エナラプリルマレイン酸塩(レニベース)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……本剤の成分に対するアレルギーの前歴/血管浮腫の前歴(アンジオテンシン変換酵素阻害薬などの薬剤による血管浮腫,遺伝性血管浮腫,後天性血管浮腫,特発性血管浮腫など)/デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコールまたはポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシス(血液浄化療法)の施行中/アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析の施行中/アリスキレンフマル酸塩(直接的レニン阻害薬)を投与中の糖尿病の人(ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の人を除く)/アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)(ARNI;サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)の服用中または服用中止から36時間以内/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)特に慎重に服用すべき場合(治療上やむを得ないと判断される場合を除き服用は避けること)……両側性腎動脈狭窄または片腎で腎動脈狭窄のある人/高カリウム血症
(3)慎重に服用すべき場合……[効能共通]脳血管障害/厳重な減塩療法中の人/重い腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/分以下,または血清クレアチニン3mg/dL以上の場合)/高齢者/[高血圧症]重症の高血圧症/血液透析中/[慢性心不全(軽症~中等症)]腎障害
(4)急激な血圧低下……本剤の初回服用後,一過性の急激な血圧低下(ショック症状,意識喪失,呼吸困難などを伴う)をおこすことがあります。何らかの異常を感じたら,ただちに処方医へ連絡してください。
(5)空(から)ぜき……服用中,空ぜきが続いたら,ACE阻害薬による副作用ではないかと疑ってください。処方医や薬剤師にあなたの考えを伝えてください。
(6)危険作業に注意……本剤を服用すると,めまい,ふらつきなどをおこすことがあります。服用中は,高所作業や自動車の運転など危険を伴う機械の操作は十分に注意してください。
(7)その他……
・授乳婦での安全性:治療上の有益性・母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続・中止を検討。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)血管浮腫(呼吸困難を伴う顔面,舌,声門,喉頭の腫れなど),腸管の血管浮腫(腹痛,吐きけ,嘔吐,下痢など)。(2)ショック(脈拍の異常,呼吸困難,顔面蒼白,血圧低下など)。(3)狭心症,心筋梗塞。(4)急性腎障害。(5)汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少。(6)膵炎。(7)間質性肺炎(発熱,せき,呼吸困難など)。(8)剥脱(はくだつ)性皮膚炎,中毒性表皮壊死融解症(TEN),皮膚粘膜眼症候群(スティブンス-ジョンソン症候群),天疱瘡(てんぽうそう)。(9)錯乱。(10)肝機能障害,肝不全。(11)高カリウム血症。(12)低ナトリウム血症,低浸透圧血症,尿中ナトリウム排泄量増加,高張尿,けいれん,意識障害などを伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)服用を中止し,すぐに処方医に連絡する副作用……アレルギー症状(発疹,かゆみ,じん麻疹,光線過敏症,多汗,脱毛)
(2)すぐに処方医に連絡する副作用……めまい,頭痛,眠け,不眠,いらいら感,抑うつ/動悸,胸痛,調律障害(頻脈,徐脈)/腹痛,食欲不振,吐きけ・嘔吐,下痢,消化不良,口内炎,舌炎,便秘/黄疸/せき,咽頭炎・喉頭炎,ぜんそく,しわがれ声/倦怠感,ほてり,口渇,味覚異常,疲労,脱力感,しびれ,発熱,潮紅,インポテンス,耳鳴り,筋肉痛
(3)検査などでわかる副作用……クレアチニン・BUN上昇/貧血,白血球減少,ヘモグロビン・ヘマトクリット低下,好酸球増多/低血圧,起立性低血圧/AST・ALT上昇/血清ナトリウム低下,低血糖

併用してはいけない薬 解説

[薬剤](1)アリスキレンフマル酸塩(直接的レニン阻害薬)(糖尿病患者に使用する場合。ただし,他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の人を除く)→非致死性脳卒中,腎機能障害,高カリウム血症,低血圧のリスク増加が報告されています。(2)アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬)(ARNI;サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)→血管浮腫が現れるおそれがあります。ARNIを服用している場合は,少なくとも本剤服用開始36時間前に中止すること。また,本剤服用終了後にARNIを服用する場合は,本剤の最終服用から36時間後までは服用しないこと。
[治療法](1)デキストラン硫酸固定化セルロース,トリプトファン固定化ポリビニルアルコール,ポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行→血圧低下,潮紅,吐きけ,嘔吐,腹痛,しびれ,熱感,呼吸困難,頻脈などのショック症状をおこすことがあります。(2)アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた透析→アナフィラキシーを発現することがあります。

注意して併用すべき薬

(1)本剤との併用で血清カリウム値が上昇することがある薬剤……カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン(スピロノラクトン),トリアムテレン(トリアムテレン)),カリウム補給薬(塩化カリウム(カリウム補給剤)),トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤(複合化学療法薬))
(2)本剤との併用で降圧作用が強まることがある薬剤……ニトログリセリン(亜硝酸誘導体
(3)本剤との併用でリチウム中毒がおこる可能性がある薬剤……炭酸リチウム(躁病に用いる薬
(4)本剤との併用で降圧作用が弱まることがある薬剤……非ステロイド系解熱鎮痛薬(インドメタシン(インドール酢酸系NSAID)など),リファンピシン(リファンピシン
(5)併用すると腎機能障害,高カリウム血症,低血圧をおこすおそれがある薬剤……アリスキレンフマル酸塩(直接的レニン阻害薬),ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)(ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)
(6)本剤との併用で血圧低下をおこすことがある薬剤……利尿降圧薬,利尿薬(ヒドロクロロチアジド(チアジド系薬剤)),カリジノゲナーゼ製剤(膵臓抽出精製物
(7)併用すると,腎機能が悪化している患者ではさらに腎機能が悪化するおそれがある薬剤……非ステロイド系解熱鎮痛薬(インドメタシン(インドール酢酸系NSAID)など)
(8)併用すると血管浮腫のリスクが増加するおそれがある薬剤……ビルダグリプチン(選択的ジペプチジルペプチターゼ(DPP)-4阻害薬

海外評価 解説

  • 2点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説


[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27