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たんさんりちうむ

炭酸リチウム

内服薬

処方薬情報の見方

種別

内服薬

大分類/中分類

精神神経科の薬/その他の精神神経科の薬

解説タイトル

躁病に用いる薬

一般名 解説

炭酸リチウム
この薬の先発薬・後発薬を全て見る

剤形/保険薬価 解説

錠剤 / 100mg 1錠 5.90円
錠剤 / 200mg 1錠 5.90円

製薬会社 解説

全星=田辺三菱=吉富

先発/ジェネリック 解説

ジェネリック ジェネリック医薬品

分類 解説

躁(そう)病に用いる薬剤

規制 解説

劇薬

使用量と回数 解説

1日200~1,200mgを1~3回に分けて服用。維持量1日200~800mg。

識別コード 解説

100mg 包装コード:Y-LI 100:100mg 本体コード:Y:LI 100
200mg 包装コード:Y-LI 200:200mg 本体コード:Y:LI 200

その他 解説

保険収載年:1980/2

「識別コード」は、薬の包装材や本体に数字・記号で記載されています。

※以下は同じ 解説タイトルで共通の解説です。[]内は一般名で、それぞれに該当する内容が書かれています。

処方目的 解説

躁病および躁うつ病の躁状態

解説 解説

躁病に対する唯一の治療薬ですが,薬の効果が出る量と副作用が発生する量とがあまり離れていないため,厳格な管理が必要な薬です。下痢,嘔吐,身体のふるえ,倦怠感などを感じたら,すぐに処方医に連絡してください。

使用上の注意

警告 解説

基本的注意 解説

*炭酸リチウム(リーマス)の添付文書による

(1)服用してはいけない場合……てんかんなどの脳波異常/重い心疾患/リチウムの体内貯留をおこしやすい状態にある人(腎機能障害,衰弱,脱水,発熱,発汗,下痢,食塩制限)/妊婦または妊娠している可能性のある人
(2)慎重に服用すべき場合……脳の器質的障害/心疾患の前歴/食事および水分摂取量が不足している人/甲状腺機能亢進症または低下症/リチウムに異常な感受性を示す人/腎機能障害の前歴/肝機能障害/高齢者
(3)指示を厳守……本剤は,処方医の厳格な管理下で服用しなければいけません。自分勝手に服用を中止したり,服用量を変えたりしないでください。
(4)定期検査……本剤はリチウム中毒をおこしやすいので,服用初期や増量時は1週間に1回,維持量の服用中は2~3カ月に1回程度,血清リチウム濃度を測定する必要があります。中毒の初期症状(食欲低下,吐きけ,下痢,ふるえ,傾眠,錯乱,運動障害,発熱,発汗など)が現れた場合には,すぐに処方医の診察を受けてください。
(5)悪性症候群……向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬など)との併用によって悪性症候群がおこることがあります。無動緘黙(かんもく)〈緘黙=無言症〉,強度の筋強剛, 嚥下(えんげ)困難, 頻脈, 血圧の変動, 発汗などが発現し,引き続いて発熱がみられたら, 服用を中止して体を冷やす, 水分を補給するなどして,ただちに処方医へ連絡してください。高熱が続き, 意識障害, 呼吸困難, 循環虚脱, 脱水症状, 急性腎障害へと移行して死亡した例が報告されています。
(6)急な中止……服用量を急に中止すると,甲状腺中毒症(甲状腺機能亢進症)の症状が悪化することがあります。自己判断で中止しないでください。
(7)危険作業は中止……本剤を服用すると,眠け,めまいなどがおこることがあります。服用中は,自動車の運転など危険を伴う機械の操作は行わないようにしてください。
(8)その他……
・授乳婦での安全性:服用するときは授乳を中止。
・小児での安全性:未確立。(「薬の知識」共通事項のみかた

重大な副作用 解説

(1)リチウム中毒(食欲低下,吐きけ,嘔吐,下痢,ふるえ,傾眠,錯乱,運動障害,運動失調,発熱,発汗など)。(2)洞不全症候群,高度な徐脈。(3)無動緘黙(かんもく)(緘黙=無言症),強度の筋強剛,嚥下(えんげ)困難,頻脈,発汗などの悪性症候群。(4)腎性尿崩症(多飲,多尿など)。(5)認知症様症状,昏睡に至るような意識障害。(6)急性腎障害,間質性腎炎,ネフローゼ症候群。(7)甲状腺機能低下症,甲状腺炎。(8)副甲状腺機能亢進症。
そのほかにも報告された副作用はあるので,体調がいつもと違うと感じたときは,処方医・薬剤師に相談してください。

その他の副作用 解説

(1)すぐに処方医に連絡する副作用……めまい,眠け,言語障害,頭痛,発熱,不眠,知覚異常,記憶障害,焦躁感,失禁,悪寒,耳鳴り,一過性暗点,ブラックアウト発作,情動不安,せん妄/口渇,吐きけ・嘔吐,下痢,食欲不振,胃部不快感,腹痛,便秘,唾液分泌過多,胃腸障害/頻脈,末梢循環障害/多尿,排尿困難,乏尿,頻尿/ふるえ,運動障害,緊張亢進・低下,腱反射亢進,筋れん縮,運動過少,舞踏病様アテトーシス/皮疹,かゆみ,毛嚢炎,下肢潰瘍,毛髪の乾燥・粗毛化,脱毛,乾癬またはその悪化/脱力・倦怠感,むくみ,体重増加・減少,性欲減退,脱水,味覚異常(苦味など)
(2)検査などでわかる副作用……脳波異常(基礎波の徐波化など),心電図異常,血圧低下,不整脈/白血球増多/腎機能異常,タンパク尿/甲状腺機能異常(TSH・T3・T4の上昇・低下,甲状腺131I摂取率の増加・TRH負荷後のTSH分泌反応の増大),非中毒性甲状腺腫,粘液水腫,甲状腺中毒症/頭蓋内圧亢進/肝機能異常/血糖上昇

併用してはいけない薬 解説

併用してはいけない薬は特にありません。ただし,併用する薬があるときは,念のため処方医・薬剤師に報告してください。

注意して併用すべき薬

(1)本剤と併用すると,リチウムの血中濃度が高くなって中毒をおこす可能性がある薬剤……チアジド系薬剤(チアジド系薬剤),ループ利尿薬(ループ利尿薬),アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬))(エナラプリルマレイン酸塩など),アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)) (ロサルタンカリウムなど),非ステロイド系解熱鎮痛薬(ロキソプロフェンナトリウム水和物(アリールプロピオン酸系NSAID)など),メトロニダゾール(メトロニダゾール
(2)本剤と併用すると副作用が強まったり現れたりする薬剤……カルバマゼピン(カルバマゼピン)→錯乱,粗大振戦,失見当識など/ハロペリドール(ブチロフェノン系薬剤)などの抗精神病薬→心電図変化,重症の錐体外路(すいたいがいろ)症状,持続性のジスキネジア,突発性の悪性症候群,非可逆性の脳障害/フルボキサミンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬),ミルナシプランなどのセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬),ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬(ミルタザピン)(ミルタザピン)→錯乱,軽躁病,激越,反射亢進,ミオクローヌス,協調異常,振戦,下痢,発汗,悪寒,発熱などで始まるセロトニン症候群
(3)本剤との併用で筋弛緩作用が強まることがある薬剤……麻酔用筋弛緩薬(スキサメトニウム塩化物水和物など)
(4)本剤との併用に注意すべき療法……電気けいれん療法→通電直後に数秒程度の心停止や施行後にけいれん遷延,せん妄などをおこすとの報告があリます。

海外評価 解説

  • 6点
  • 英
  • 米
  • 独
  • 仏

プレグナンシー・カテゴリー 解説

  • PC
  • D

[ご利用上の注意]
薬の服用にあたっては、必ず処方する医師、薬剤師の指示、又は製薬会社の説明書にしたがって下さい。 また、自分が疑っていた副作用が本書に記載してあるからといって、自己判断で服用をやめたりしないでください。 疑問な点があれば、すぐに医師、薬剤師に相談して下さい。本サイトに掲載後に承認された新薬もありますので、不明な薬については、医師、薬剤師にお問い合わせ下さい。

[処方薬]は、株式会社 法研から当社が許諾を得て使用している「医者からもらった薬がわかる本 第33版(2023年7月改訂デジタル専用版)」の情報です。掲載情報の著作権は、すべて 株式会社 法研 に帰属します。

データ更新日:2023/09/27