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中高年期以降に多い慢性腰痛 - 日常生活でのアドバイス 病気を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

中高年期以降に多い慢性腰痛 - 日常生活でのアドバイス

更新日:2016/04/25

ここまでお話を伺った安部先生から、日常生活でできるアドバイスを沢山伺いましたので、最後にまとめてご紹介します。

NTT東日本関東病院 ペインクリニック科 部長 安部 洋一郎

お話を伺った先生:

腰痛予防のために

慢性腰痛の発症は、生活習慣と深いつながりがあります。薬物治療や手術でいったんは収まっても、今までと同じ生活習慣のままだと、腰痛の再発を招く恐れがあります。腰痛の再発予防にとって重要なのは、筋力の強化と骨の強化です。筋力と骨は運動によって強化できますが、日常生活を工夫することでも強化できます。逆に、腰痛を招く生活習慣は、運動をせず、日常生活を安静にして過ごすことなどです。手術して10年後再発しなかった人について調べてみると、その患者さんは適切に運動をしていたということが分かっています。手術を受けた後でも、患者さんが自分で治す意識が重要なのです。

運動で予防・悪化防止・再発防止

腰痛の対処において、最も重要なのは運動習慣です。運動は、痛みが出る前の予防にも有効です。また、既に痛みが出てしまった人も、早期に痛みを減らして、日常生活に復帰できるようになります。

例えば、体重が増えている人は減量して負荷を減らす、そして、筋力をつけることです。日頃運動する習慣がなければ、ぜひ運動を行ってください。高血圧や糖尿病のような生活習慣病と全く一緒で、生活習慣が改まらなければ、薬を減らすことができません。

中高年からでも運動効果はある

中高年から運動を始めても効果が得られ、100歳の人でも筋肉を付ける効果があることが分かっています。

種目にこだわらず、盆踊り、ラジオ体操、掃除などでも構いません。いわゆる、腰痛体操は、予防目的には良いのですが、腰痛が起こった人にとってはハード過ぎるかもしれません。

「翌日に痛みが出るような運動は、やり過ぎか運動の種類が間違っているかの、どちらかです。運動している最中は多少痛くても、翌日、翌々日に痛くなければ、その運動は大丈夫でしょう。誰かに言われて始めるのではなく、患者さん自身が、自分に合った運動法を自分で考えた方が長続きします」と、安部先生は助言します。

予防にお勧めの運動

安部先生がお勧めの運動は「ゴロゴロ体操」です。床やベッドに横たわり、ゴロゴロと体を回転させるものです。布団の横幅があれば十分で、スペースが狭い場合、1回転でなく、左右に半回転を繰り返しても構いません。これが、姿勢を保持する筋肉の強化につながります。背骨の脊柱起立筋という筋肉群が活性化し、圧迫骨折などの予防にもなります。

通勤ラッシュが体幹を鍛える運動に

おしくらまんじゅうのような運動もお勧めです。発生する熱によって体が温まりますが、姿勢を保持する筋肉は温まりやすい性質があります。同じ理由で、満員電車なども、運動の観点からはとても有効です。

「何十年も通勤ラッシュを経験している人は、自然に体幹が鍛えられています。特に上り電車には、気持ちを前向きにして、気合いを入れる効果もあります。そう考えると、通勤も苦にならないはずです」(安部先生)

自ら治療に参加するという姿勢が大切

ペインクリニックで治療を受ければ、あらゆる痛みに関して、ある程度までは、何らかの改善が得られます。しかし、再発予防のためには日常生活の工夫が重要です。「自分が治療に参加するという姿勢こそが大切です。腰痛治療の半分は、自分の力だと思えば、必ず良い方向に向かいます」(安部先生)

日本の伝統的な生活スタイルの利点

日本人はもともと腰が強いと言われていました。畳の上で正座をした姿勢は、実は腰の形が理想的な状態です。床の上で寝て、布団の上げ下ろしをし、トイレも和式。日常生活の中で足腰の筋力が鍛えられていました。また、刀や槍を使う動き、鍬を動かす農作業の動きは、まさに体幹トレーニングそのものです。

安部先生は、かつての温故知新の工夫を、日常生活に採り入れていくことも大事だと語ります。

無理な「よい姿勢」は腰痛に拍車

一方、昔のような腰の曲がった高齢者を見かけることは少なくなりました。実は、腰椎の内部にある神経の通路である脊柱管は、加齢と共に狭まってきます(脊柱管狭窄症)が、腰を曲げると楽になります。格好悪い姿勢だからと、無理に腰を伸ばすと腰痛に拍車をかけることにもなるそうですので無理は禁物です。

骨づくりも腰痛予防に重要

骨の強化も、筋力の強化と同様に、腰痛予防にとって重要です。

丈夫な骨と骨量を維持するには、長管骨という長い骨や、荷重関節という重量がかかる箇所に重量をかけることが必要です。骨と骨の間、椎間板の上下には軟骨がありますが、これにも垂直方向に刺激を加えないと、骨は頑丈にならないとされます。

なるべく階段を使って

「安静にしていることほど、体に悪いことはありません。骨を頑丈にするには、平地を歩いているだけは不十分で、階段を上るように努めてください」(安部先生)

階段を上るには、自分の重量を引っ張り上げなくてはなりませせんが、その際に、足を上げて、蹴って進んでいくことが非常に有用なのです。

また、膝や腰に痛みのある人は、上り以上に足腰に負荷がかかる、階段の下りは控えた方がいいでしょう。下る際には、体重の2~3倍の負荷が股関節にかかってきます。

成長期からの運動が一番大事

骨や筋肉を鍛える運動は、成人してからでもそれなりに効果があります。しかし本当に重要なのは、成長期に運動したかどうかです。

ただし、女性は成長期を過ぎてから運動しても、骨がガンガン強くなるわけではありません。女性は成長期の運動が、将来の骨量の決め手になります。ただし、これ以上悪くしないためにも、真剣に取り組むべきだとされます。そういう意味で、やせ志向の強い若い女性の将来を、安部先生は心配しています。

高齢社会を楽しくするためにも運動を

「高齢社会を楽しくするためには、積極的に体を動かすことに尽きます。そして、ペインクリニックは痛みに対処し、動きやすい状態に体を持っていくのが仕事です。患者と我々の歯車がかみ合ったときに大きな効果が得られます」(安部先生)

まとめ

以上のように、腰痛は二足歩行する人類が抱える宿命のようなものですが、身体トレーニングや姿勢改善でカバーすることができます。今回ご紹介した、ペインクリニックで行われる神経ブロックは、痛みを緩和することで人間の持つ自然治癒力を助ける治療法となります。とはいえ、腰痛の原因は命に関わる病気も含めさまざまですから、まずは原因を明らかにしたうえで、適切な治療を受けましょう。

安部 洋一郎先生の詳細プロフィール
NTT東日本関東病院 ペインクリニック科 部長 安部 洋一郎

NTT東日本関東病院 ペインクリニック科 部長

取得専門医・認定医

  • 日本ペインクリニック学会認定医
  • 日本麻酔科学会麻酔指導医

NTT東日本関東病院のペインクリニック科は、ペインクリニックのなかでも草分け的な存在で、50年近くに渡って痛みの診療を行い、年間約4万人が訪れているそうです。

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