多くの場合、医師に処方されたお薬は「もう飲まなくて(使わなくて)いいですよ。」と言われるまでは飲み(使い)続ける必要があります。
喘息の治療薬の中に、ステロイド吸入薬という種類のお薬があります。このお薬は通常毎日使用するお薬です。毎日気管支の炎症を抑えることで効果を示すお薬で、使用をやめてしまうと多くの場合、気管支の炎症がひどくなります。使用をご自分の判断でやめてしまった患者さんの中には、突然重篤な喘息発作を起こした方もいらっしゃいます。
また、狭心症や心筋梗塞に処方される、ドロドロした血液をサラサラにして血液の流れをよくするお薬も、毎日飲み続ける必要があります。お薬を飲むのをやめてもすぐに胸の痛みや苦しいなどの症状が現れるとは限りません。大丈夫だろうと思って様子を見ていたら、突然胸が締め付けられるような痛みが出たという患者さんもいらっしゃいます。
では、細菌性の感染症にかかり、抗菌薬が処方され、医師から5日間服用してくださいと説明を受けたのに、2日後に症状が楽になってしまった場合はどうでしょうか?この場合も、医師の指示に従い、5日間服用する必要があります。それは、感染症の原因菌が残っていると、そのお薬が効かない菌を生み出す可能性があるからです。発心、かゆみ、発熱、息苦しいなど、お薬を飲み始めてから心配な症状が現れた場合は、早めに医師、薬剤師にご相談ください。
お薬は、症状が落ち着いていると、お薬が効いているのかわからなくなり、本当はお薬を飲む(使う)のをやめてもよい状態が続くのではないかと思われる患者さんもいらっしゃるかもしれません。そのような時は、ご自分の判断でお薬を飲む(使う)のをやめるのではなく、医師、薬剤師にご相談ください。