おそらく、処方されたお薬の種類は、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)かアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬と言われる血圧のお薬だと思います。
この2種類のお薬には血圧を下げる目的のほかに、腎臓を守る目的で使われることがあります。腎臓の中には、糸球体という茶漉しやドリップコーヒーのフィルターのようなろ過器があり、血液がこの糸球体を通る時に、体の中で不要になった老廃物をろ過し、きれいになった血液がまた体に戻っていくという働きをしてくれます。
腎臓の働きが低下すると糸球体に圧力がかかり、通常はろ過されない、体に必要な蛋白が尿の中に出て行ってしまいます。そうなると腎臓の働きは、さらに低下してしまいます。
この2種類のお薬は、糸球体にかかる圧力を軽減し、尿の中から出る蛋白を減少させ腎臓の働きを守る作用があります。このように、正常血圧の腎臓病の患者さんに、腎臓の働きを保護するという目的で血圧を下げるお薬が処方されることがあるのです。収縮期血圧が、110未満になる日が何日も続き、めまいやふらつきなどの症状が現れるようであれば、医師、薬剤師にご相談下さい。