食べ物との組み合わせによっては薬の作用に影響(相互作用)を及ぼす可能性があるため、薬局では嗜好品や健康食品についてのご質問をしています。
例えば、薬の作用を弱めてしまう組み合わせとしては、ワルファリン(血栓予防薬)+納豆、レボフロキサシン(抗菌薬)+カルシウムを多く含む食品などがあります。薬の作用を強め過ぎて副作用が強くなる組み合わせにはニフェジピン(高血圧、狭心症薬)+グレープフルーツジュース、アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)+アルコールなどがあります。これ以外にシメチジン(胃薬)+チーズなどの組み合わせでは、食品の成分を分解する働きを薬が邪魔してしまい、食品の一成分が体に溜まって頭痛などの症状が現れることがあります。
薬を数種類飲んでいる人は「あれもこれも食べられなくなってしまう!」とがっかりされるかもしれません。しかし、相互作用を避ける方法は食品を控えることだけではありません。食べる量によっては薬の作用に大きな影響がない組み合わせや、薬と食品をとる間隔を開ければ問題がない組み合わせもあります。病状によっては医師と相談して似たような効果の薬に変更できる場合もあります。また、健康食品については、薬との相互作用がより少ないものがあれば、そちらに変更することもできます。
薬を安全かつ効果的に使用するために、薬剤師から嗜好品や健康食品について聞かれた際は、具体的に内容を伝えることが大切です。薬と食品または健康食品に関して気になることがあれば薬剤師にご相談ください。