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Vol.040 電子顕微鏡的観察って? 検査を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

Vol.040 電子顕微鏡的観察って?

更新日:2017/04/17

NTT東日本関東病院 臨床検査部 臨床検査技師 黒沢 文英

解説:

はじめに

人は昔から、「物を拡大して見ると何が見えてくるのか?」といった好奇心を抱きながら生きてきました。この欲求は顕微鏡作りへとつながり、ガリレオ・ガリレイが顕微鏡を使って昆虫の複眼を描いたことは有名です。顕微鏡が作られてから約400年、現代では細菌やインフルエンザウイルスなど、ニュースでも紹介される超微細な物質まで見ることが可能となりました。今回は、顕微鏡をもしのぐ電子顕微鏡について紹介します。

図1 インフルエンザの電子顕微鏡写真
図1インフルエンザの電子顕微鏡写真
出典:国立感染症研究所

電子顕微鏡とは

人の目では、概ね0.2mm程度の大きさしか観察できませんが、ガラス製のレンズを組み合わせた光学顕微鏡では、肉眼では見ることができない小さな「物」が拡大され、「物」自体の構造が明らかになります。しかし、拡大率(倍率)をどんどん上げていけば超微細な構造(例えば原子)まで識別できるかといえば、どんな高性能の顕微鏡であっても1μm(1000分の1mm)程度が観察の限界で、これ以上の倍率での観察を可能としたのが電子顕微鏡です。電子顕微鏡を発明したのはドイツの技術者で、光学顕微鏡とは比べ物にならないほどの高い倍率で小さな構造を見ることができます。

図2 電子顕微鏡の本体
図2 電子顕微鏡の本体

電子顕微鏡の構造

光学顕微鏡は照明に光を用いますが、電子顕微鏡は可視光線よりも波長の短い電子線を用いて、散乱する電子または二次的に放出される電子を黒白のコントラストで映像化し、細胞膜や細胞内小器官と呼ばれる通常では観察不可能な超微細構造まで観察を可能としました。拡大率はなんと数十万倍、およそ1nm(100万分の1mm)で、当院ではこの電子顕微鏡を用いて組織・細胞の超微細構造を観察、疾患に特徴的な所見を証明し病理診断の確認情報として提供しています。特に腎生検材料においては、糸球体病変の検討や、悪性腫瘍・内分泌腫瘍などを特徴づける細胞微細形態、細胞内構造物の観察・代謝障害などによる細胞内蓄積物などを確認しています。

電子顕微鏡による腎臓の観察

糸球体は、腎臓の主要な機能である「尿を作る」のに重要な場所で、血液を濾し取り、尿の元になる原尿をつくります。その糸球体がどのような変化を起こしているか観察することで、病気の種類やその進行度を確定できます。主に見られる変化としては、沈着物の有無、基底膜(血液を濾しとる膜)の肥厚・菲薄化、メサンギウム細胞(糸球体の中にいる細胞の一つ)の増殖、内皮細胞の剥離・消失などがあり、どれも腎臓の働きを邪魔します。

腎臓のイラスト
腎臓のイラスト
光学顕微鏡写真
光学顕微鏡写真
電子顕微鏡画像電子顕微鏡画像出典:病理学会
図3 糸球体の光学顕微鏡写真と電子顕微鏡画像の比較

終わりに

肉眼では見ることができない細胞の世界を観察する光学顕微鏡と、さらに小さな世界を観察する電子顕微鏡、さまざまな技術を駆使して患者さんの病気を検査・診断しています。細胞よりも小さい世界の観察から、病気そのものの原因を探る、そんな電子顕微鏡の事を頭の片隅にでも覚えていただけると嬉しいです。

本文は、NTT東日本関東病院 広報誌「もしもし」2016年11-12月号に掲載された記事を転載しています。

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情報提供元 : (C)NTT東日本関東病院
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