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Vol.031 血液凝固検査 検査を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

Vol.031 血液凝固検査

NTT東日本関東病院 臨床検査部 臨床検査技師 藤井 里佳

解説:

はじめに

私たちのからだを流れている血液は、通常は血管の中では固まることはありません。しかし、血管が破れて、血液が血管の外に出るとすみやかに固まります(以下、凝固とします)。これは人間に備わった大切な生体防御の一つです。

実際に血液が凝固するとき、血液中の血小板や凝固因子と呼ばれるタンパク質が複雑に働いています。この凝固因子が正常に働いているかどうかを調べるのが「血液凝固検査」です。

どんなときに検査をするのか

  • (1)手術前の出血に対する安全確認
  • (2)先天性の病気(血友病など凝固異常症)のスクリーニング検査
  • (3)血栓症の診断やその治療効果の判定
  • (4)肝機能検査

凝固因子のほとんどは肝臓で作られているため、肝機能検査としても用いられています。

血栓症とは

病的に血管の中で血液が固まり、固まった血液=血栓(けっせん)が血管に詰まってしまった状態を血栓症といいます。血栓症の代表的なものに「心筋梗塞」や「脳梗塞」があります。

血栓症が死因の第1位?

わが国の死亡原因の第1 位は悪性新生物(がん)です。そして第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患で、この2位と3位のほとんどは「血栓症」です。

血栓症の予防と治療には、飲み薬による治療(抗凝固療法)が用いられています。これは薬(多くはワルファリン)によって、凝固因子の産生を抑えることで、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを予防しています。この薬の量が多すぎると出血のリスクが高くなり、逆に薬の量が少なすぎると血栓症のリスクが高くなることから、それぞれの患者さんに合った薬の量を調整する必要があります。

どうやって薬の量を決めているのか

血液凝固検査の1つであるプロトロンビン時間(PT)を用いて、薬の効果を正確に判定する必要があります。少し詳しく説明すると、PT-INR※1という指標を用いて管理をしています。このINRの基準値は0.80-1.20ですが、ワルファリンを服用している患者さんでは、INRが2.0-3.0になるように調整することが推奨されています。そのため、薬の効果でわざと「血が固まりづらい状態にしている」ため、PTの結果で「L:Low」の表示が付きますが、薬が効いている証拠なので問題ありません。

おわりに

参考までに当院で行っている「血液凝固検査」を下表にまとめましたので、ご覧ください。

表 検査項目とその検査目的
  検査項目 基準値 検査の目的
凝固系検査 PT
(プロトロンビン時間)
70-130%
(活性値)
  • 肝機能検査
  • ワルファリンの効果判定
  • 手術前などのスクリーニング検査※2
  • DICの診断※3
APTT
(活性化部分トロンボプラスチン時間)
24.0-38.0秒
  • 血友病や循環抗凝血素などのスクリーニング検査
  • ヘパリンの効果判定
Fib
(フィブリノゲン)
170-360mg/dL
  • 出血傾向あるいは血栓傾向のスクリーニング検査※2
ATⅢ
(アンチトロンビン)
70-130%
  • 凝固亢進状態の予測
  • ヘパリン使用時の確認
SFMC
(可溶性フィブリンモノマー複合体)
7.0μg/mL未満
  • 凝固亢進状態(血栓傾向)の判定
  • 血栓溶解療法の効果判定
線溶系検査 FDP
(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)
10.0μg/mL以下
  • DICの診断※3
  • 血栓症のスクリーニング検査※2
Dダイマー
(フィブリン分解産物)
1.0μg/mL以下
  • 血栓症のスクリーニング検査※2
    (血栓症の否定)

表 検査項目とその検査目的

凝固系検査

PT(プロトロンビン時間)
基準値 70-130%
(活性値)
検査の目的
  • 肝機能検査
  • ワルファリンの効果判定
  • 手術前などのスクリーニング検査※2
  • DICの診断※3
APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)
基準値 24.0-38.0秒
検査の目的
  • 血友病や循環抗凝血素などのスクリーニング検査
  • ヘパリンの効果判定
Fib(フィブリノゲン)
基準値 170-360mg/dL
検査の目的
  • 出血傾向あるいは血栓傾向のスクリーニング検査※2
ATⅢ(アンチトロンビン)
基準値 70-130%
検査の目的
  • 凝固亢進状態の予測
  • ヘパリン使用時の確認
SFMC(可溶性フィブリンモノマー複合体)
基準値 7.0μg/mL未満
検査の目的
  • 凝固亢進状態(血栓傾向)の判定
  • 血栓溶解療法の効果判定

線溶系検査

FDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)
基準値 10.0μg/mL以下
検査の目的
  • DICの診断※3
  • 血栓症のスクリーニング検査※2
Dダイマー(フィブリン分解産物)
基準値 1.0μg/mL以下
検査の目的
  • 血栓症のスクリーニング検査※2
    (血栓症の否定)
  • ※1 INR:International normalized ratio、国際標準比
  • ※2 スクリーニング検査:ふるいわけ検査のことで、異常があれば精密検査へと進みます
  • ※3 DIC:Disseminated Intravascular Coagulation、播種性血管内凝固症候群

本文は、NTT東日本関東病院 広報誌「もしもし」2015年5-6月号に掲載された記事を転載しています。

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