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Vol.009 癌治療のための遺伝子検査 検査を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

Vol.009 癌治療のための遺伝子検査

NTT東日本関東病院 病理診断部 医療技術主任 牛島 友則

解説:

はじめに

例えば私(著者)が癌と診断された患者、あなた(読者)が診断した医師だとします。そしてその癌に有効な薬、A薬とB薬があったとします。A薬は癌に70%の確率で効果があるが副作用が強い、B薬は30%の確率で効果があるが副作用は殆どない。あなたが選ぶとしたらどうでしょう? この選択はとても難しいと思います。

しかし治療前に癌細胞を採取して遺伝子検査を行い、癌の性質上、A薬は効果が期待できない、B薬が効くとわかっていれば…迷わずB薬を選ぶでしょう。

今回は当院で行っている癌治療に関与する遺伝子検査の一部についてご紹介いたします。

遺伝子検査ってなんのため?

細胞は蛋白質で出来ています。蛋白質の種類は沢山ありますが、全て4つの塩基(G・C・T・A)で構成される遺伝子から作られます。つまり遺伝子は蛋白質の設計図と言うことです。癌細胞は自らの設計図(遺伝子)に少しずつ変更を加えることで自分自身を変化させていきます。身体の抑制力を超えるほどに変化した癌細胞は、無制限な増殖や正常組織を破壊しながら周囲に進行する等、身体に重篤な症状を引き起こします。

近年、分子標的薬が多数開発され、新たな治療効果が期待されています。この分子標的薬は文字通り1つの分子(蛋白質)を標的にする薬剤です。したがって、癌細胞がこの標的分子を作っているか、いないかが重要な鍵となります。癌細胞の設計図(遺伝子)の変更を捕らえ、分子標的薬の効果を投与前に判断することが遺伝子検査の役割です。

写真 乳癌癌細胞HER2遺伝子(赤点)検査
A症例 遺伝子増幅なし
A症例 遺伝子増幅なし
図2 腹部血管の3D画像 X線の透過度に対して、色をつけて表示した画像
B症例 遺伝子増幅あり
(乳癌分子標的薬トラスツヅマブ適応例)

どうやって検査するの?

手術や細い針で採取した組織の標本を作成して病理診断により癌の診断行います。診断された組織標本をそのまま遺伝子検査に使いますので、遺伝子検査のために新たに組織を採取することはありません。

遺伝子検査の利点

薬の効能は患者さんに投与してみて効果を決めることが多かったのですが、これからは患者さんへ薬を投与する前に、癌の遺伝情報から効果のある薬だけを選択して投与する方向に変化していきます。現在、まだ一部の薬剤にしか遺伝子検査は有効ではありませんが、今後このような新規薬剤は増えていき、患者さんが自分に最適な治療法をオーダーメードする時代が来るでしょう。当院は積極的にこれらの新技術を取り入れて、患者さんのためにより良い医療を提供していきます。

図 Kras変異遺伝子検査
Kras遺伝子変異あり: 大腸癌分子標的薬アービタックス耐性(効かない)例
Kras遺伝子変異あり: 大腸癌分子標的薬アービタックス耐性(効かない)例

ちなみに

遺伝子を使う技術は生物自体の性質を変えてしまう、または自然界からかけ離れた生き物を生み出してしまうようなイメージを持っている方もいらっしゃると思いますが、病院で行われる遺伝子検査は、治療に有功な限られた遺伝子領域のみ検査しています。生物学的にも安全な検査です。

本文は、NTT東日本関東病院 広報誌「もしもし」2011年9-10月号に掲載された記事を転載しています。

情報提供元 : (C)NTT東日本関東病院
掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。

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