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Vol.058 喫煙と喉頭がん お医者さんに相談 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

Vol.058 喫煙と喉頭がん

NTT東日本関東病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 部長 中尾 一成

回答:

患者喫煙を続けると喉頭がんになりやすいって本当ですか?

医師

本当です。喫煙による人体への影響として、肺がん・頭頸部がん・食道がん・胃がん・泌尿器系がんなどの悪性腫瘍のほか、肺気腫や慢性気管支炎などの呼吸器疾患、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管系疾患、胃潰瘍などの消化器疾患、早産や低体重児出産、大腿骨頸部骨折や歯周病などが知られています。頭頸部がんに関していうと、喫煙者は非喫煙者に比べてがんを発症するリスクが約10倍高まるとされています。頭頸部の中で特に影響を受けやすいのは気管の入り口にあたる喉頭です。喉頭がんの発症率は人口10万人あたり約3人と決して頻度の高い疾患ではありませんが、喫煙との関連は他のどんながんよりも高いとされています。男性に多いのが特徴で、日本での男女比は10:1程度とされています。

患者どのくらい喫煙すると危険と考えられますか?

医師

喫煙の人体への影響を表す指標としてブリンクマン指数またはpack-yearsというものが知られています。いずれも1日当たりの平均喫煙量と喫煙年数の積で表され、ブリンクマン指数では1日当たりの本数が、pack-yearsでは1日当たりの箱数が喫煙量として用いられます。たとえば1日に20本、30年間喫煙した場合、ブリンクマン指数は20本×30年で600、pack-yearsは1箱×30年で30ということになります。一般にブリンクマン指数が400を超えると上記の各疾患に罹患する可能性が高くなるとされています。

患者喉頭がんになるとどのような症状が起こるのでしょうか?

医師

喉頭がんは声門部がんと声門上部がんに大別できます。声門部がんとは声帯そのものにできるがんのことで、声帯の粘膜波動を硬いがん組織が妨げるため粗い声調となることが多く、がんの進行により声帯の運動が悪化すると響きのない気息性の声調が加わります。声の異常が早くから出現するため早期の段階で発見されることが多く、また声帯にはリンパ流がないためリンパ節転移をきたすこともまれです。

一方で声門上部がんは声帯より上方の組織に発生するため、すぐには声の異常が出現せず、嚥下時の痛みや呼吸困難感、またリンパ節転移による頸部腫瘤などで進行してから発見されることが少なくありません。声門上部がんでは喫煙だけでなく飲酒の影響も関連すると考えられています。日本ではかつての高い喫煙率を反映して声門部がんが大多数を占めますが、生活様式の変化に基づき今後声門上部がんの割合が増加してゆくことが予想され、早期発見がより重要な課題になってゆくと思われます。

患者喉頭がんの治療を受けると声が出せなくなるのですか?

医師

声門がん・声門上部がんとも早期であればレーザー切除などの音声温存手術や放射線治療によってほとんどが治癒します。この場合多少声がかすれることはあっても、日常生活に大きな支障をきたすことはまずありません。一方、進行がんでは喉頭摘出を伴う手術が必要となることが多く、この場合声帯による音声・言語機能は失われます。ノドボトケの下方に気管孔が造られて呼吸はこの孔を通して行われることになります。ただし近年では音声・言語機能を温存する術式が開発され、進行例であってもこのような手術が行える場合もあります。また放射線療法と化学療法の併用によって喉頭を温存する試みも行われています。当科での過去5年間の喉頭がん症例の喉頭保存率は約88%です。早期発見が何よりも重要ですので、特にブリンクマン指数が400を越える場合には、喉頭がん検診を受けておくのがよいでしょう。

本文は、NTT東日本関東病院 広報誌「もしもし」2016年3-4月号に掲載された記事を転載しています。

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