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前立腺の病気について - 手術後の生活、肥大症など 病気を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

前立腺の病気について - 手術後の生活、肥大症など

更新日:2017/03/06

前立腺がんの手術後の生活について、また前立腺肥大症や前立腺炎についても伺いました。

NTT東日本関東病院 泌尿器科 部長 志賀 淑之

お話を伺った先生:

手術後の生活

前立腺全摘手術の後は、射精ができなくなります。膀胱を支える前立腺が失われるため、排尿に問題が残ることもあり、また尿がもれやすくなります。前立腺の周囲には様々な神経や血管があり、前立腺を取り除くことで勃起機能についても諦めざるを得ないのですが、まれに時間(1~2年程)の経過とともに機能が回復する場合もあります。

PSA値の経過観察

手術後は定期的にPSA検査を実施します。2年間は3カ月おき、3年目は4カ月おきに行い、4年目は再発がなければ半年に1回、5年目からは1年に1回となります。

前立腺を全摘してもPSA値が上がってくることがある場合は、リンパ節や血流にこぼれ落ちたがん細胞による再発の可能性が考えられます。また、前立腺がん細胞ではなくても尿道括約筋や膀胱の筋肉の中に正常な前立腺組織が残っていることがあり、それによって上昇することもあります。

PSA値がずっと上がり続けたり、半年以内に2倍2倍といった上がり方をする場合はがんの再発を疑います。対して、数値が上がったり下がったりして波があり、上がり続けない場合にはがんではないと考えます。がんが再発した場合には、ホルモン療法、放射線療法の適応となり、その両者を組み合わせて行うこともあります。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、前述した通りPSA値が高くなる病気の1つです。前立腺は、元々はクルミほどの大きですが、ほとんどの人は30歳を過ぎる頃から加齢とともに大きくなり、中にはミカンやリンゴほどの大きさになってしまう人もいます。

尿道を取り囲むようにして存在する前立腺が肥大すると、尿道を圧迫することになるので、尿の勢いが悪くなる、残尿感がある、頻尿になる、といった症状がよく起こります。それでも尿を出そうとすると、膀胱の筋肉が発達して硬くなる一方で尿をためるスペースが縮んでしまい、一度に膀胱にためられる尿の量が減って、症状がますます悪化することもあります。

命に関わるがんとは違って良性疾患であるため、たとえ前立腺が大きくなっても本人が困っていなければ治療しませんが、日常生活に支障が出て困っている人は、泌尿器科を受診して治療を検討した方がよいでしょう。

まず、軽度な人は薬物療法が中心となります。尿の出を良くするα-1ブロッカーという薬を用い、切迫感が強い人はそれを抑える薬(抗コリン剤)を加えます。これで前立腺平滑筋に対する交感神経の緊張を抑えて、前立腺の尿道に対する圧迫を軽減できますが、あくまで対症療法で前立腺は小さくはならないため、症状をやわらげるにはずっと薬を飲み続けなければならなくなります。

これで効果が不十分、あるいは前立腺がかなり大きくなっている場合、男性ホルモン(テストステロン)を抑えて前立腺を縮小させる薬(5α還元酵素阻害薬)を用いると、前立腺を縮小させることもできます。また勃起障害(ED)治療薬であるシアリス®の有効成分の量を半分にしたザルティア®という薬を用いることもあります。こちらも膀胱平滑筋を弛緩させ、下部尿路組織の血流と酸素供給を増加させることで、排尿障害を改善させますが、前立腺を縮小するものではありません。

薬ではなかなか症状の改善が得られない人には手術が勧められます。

「患者さんのQOL(生活の質)が著しく損なわれるような場合や、何もなければ10~15g程度の前立腺が50g以上、さらにそれを超えて80g以上で残尿も100mL以上の場合には、積極的な手術の対象になります」(志賀先生)

手術は、尿道から内視鏡を入れて患部を確認しながら、レーザーでくり抜くHoLEP(ホーレップ:経尿道的前立腺切除術)という方法で行われます。

手術後は、射精しようとしても、精液が尿とともに膀胱内に逆流してしまう「逆行性射精」という後遺症が残ります。また、前立腺をすべて摘出するわけではないので、まれに再度肥大してくる人もいて、その場合も重症であれば、より積極的に手術を考慮します。

また、残存した前立腺からがんが発生することもありますので、定期的にPSAをチェックする必要があります。HoLEP後であれば2.0ng/mL未満が理想です。それ以上高くなる場合は、発がんを疑います。

【関連】前立腺肥大症レーザー手術(HoLEP)(お医者さんに相談)を読む

前立腺炎

前立腺炎も良性の病気で、その多くは細菌の感染によって起こってきます。尿道から膿などが出ることがありますが、細菌性の前立腺炎であれば、抗菌薬を飲むことで症状は良くなってきます。

一部には非細菌性の前立腺炎もあります。また、ずっと傷が治りきらないのと同じように細菌性の前立腺炎が慢性化してしまう人もいて、それらのメカニズムはよく分かっていません。こうした場合には、痛みがあれば痛み止め、あるいは前立腺のむくみや炎症を抑える薬といったような、症状に応じた対症療法を行います。

こうした原因のはっきりしない前立腺炎の発症には生活習慣も関係しているとされます。例えば、辛い物のような刺激物を多く摂ったり、アルコールをたくさん飲んだりすると前立腺がむくんでくることがあります。また、デスクワークが中心で運動不足の人にもなりやすい傾向があります。

志賀先生は「座りっぱなしでなく15分に1回は屈伸運動をしてみてください。人によっては湯船に浸かった後には何となくすっきりして症状が軽快することもあるようです」と助言します。

また、腰に障害を持つ人の中には、肛門の周りの筋肉が硬直して前立腺の周りの筋肉にも影響を及ぼし、前立腺炎と同じような症状になる人もいます。このように、複合的な原因で前立腺炎が起こる人もいて、治療には決め手がありません。

前立腺ドック

NTT東日本関東病院では、病気の早期発見・早期治療を行うために、『前立腺ドック』を開設されておりますので、ご紹介します。

前立腺ドックは、前立腺がんや前立腺肥大症といった前立腺の病気だけではなく、その他の泌尿器がん(腎臓がん、膀胱がん、腎盂尿管がんなど)、尿路結石症、排尿機能障害などの泌尿器疾患に特化したドックです。

検査項目は、採血、PSA検査、尿検査、前立腺エコー、残尿エコー、尿流測定、腹部CT検査、前立腺MRI検査とされており、栄養相談も含まれるなど、充実した内容になっています。一般の健康診断では、オプションでも前立腺MRI検査までは入っていません。また、人間ドックでも結果の説明を行うのはほとんどが内科の医師であり、泌尿器科の専門医から説明を受けることはありません。

志賀先生は「当院の前立腺ドックでは、泌尿器科指導医の資格を持った医師が、データに基づいて尿の状態を客観的に評価し、その場で説明したり、生活指導をしたりします。もし、がんの疑いがあれば、速やかな治療にもつなげることができます」と語ります。

また、管理栄養士による食生活に関する相談ができることも特長です。糖尿病や高血圧、脂質異常症などを含めて、総合的に自分自身の健康状態を把握し食生活の改善につなげることもできます。なお、腹部CT検査も含められているので、胃がん、すい臓がん、大腸がんなどが見つかることもあります。前立腺に関する病気の早期発見、早期治療はもちろんのこと、様々な利点が多いドックだといえます。

週に1回、木曜日に実施しており、一日ドック(受付10時、終了予定16時)で、1日1名様のみ受け付けています。ご予約後に問診票などの書類の送付がございますので、事前にお電話または来院にてお申込みください。

問い合わせ先:03-3448-6070(医療連携室)まで。

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志賀 淑之先生の詳細プロフィール
NTT東日本関東病院 泌尿器科 部長 志賀 淑之

NTT東日本関東病院 泌尿器科 部長

取得専門医・認定医

  • 日本泌尿器科学会指導医・専門医
  • 手術支援ロボットダヴィンチ資格認定
  • 日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)
  • dV Xi System Modules for Surgeons Online Training Module

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