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若い女性に多いバセドウ病 - 検査と治療 病気を知ろう 医療特集 - メディカルiタウン


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医療特集

若い女性に多いバセドウ病 - 検査と治療

更新日:2017/03/22

バセドウ病の治療には、薬物療法、手術療法、アイソトープ治療と、大きく3つの種類があります。それぞれの治療法について伺いました。

NTT東日本関東病院 仁科 祐子

お話を伺った先生:

バセドウ病のチェックポイント

表1

  • 真冬でも汗をかくようになった。
  • 暑がりになった。
  • 脈が速く、動悸を感じる。
  • 些細なことでイライラして、怒りっぽくなった。
  • 疲れやすく、体力が落ちたと感じる。
  • 少し動いただけでも息切れを感じる。
  • 食欲が高まり、常に空腹に感じる。
  • 1日に何回も便が出たり、自然に便秘が治ったりしている。
  • 食事の量は減っていないが、体重が減った。
  • じっとしていると落ち着かない。
  • 眼が出たり、見開いたようになった。
  • 手が細かく震えて字が書きにくい。
  • いつも手のひらが湿っており温かい。

6つ以上チェックがついた人は、バセドウ病の可能性があります。

バセドウ病の検査

バセドウ病が発見された当初には、①びまん性甲状腺腫(甲状腺の腫れ)、②眼球突出、③頻脈の3つが揃うとバセドウ病と診断されていました。しかし、現代では、血液検査や画像検査が手軽にできるので、より正確に診断が付けられるようになっています。

問診・触診、超音波検査、血液検査

バセドウ病など、甲状腺疾患の疑いで受診した場合には、まず、問診と触診で腫れ具合を確認し、超音波検査(エコー)をすると、甲状腺の大きさ、炎症や血流の程度や、腫瘍の有無などが分かります。

「バセドウ病で甲状腺が大きくなるのは、機能が亢進し、細胞が活発に活動するために血液が多く必要になるからなのです。甲状腺の血流が増えているのが、血管雑音として聴診で聞き取れることもありますし、超音波検査でも著しい血流の増加を観察できます」(仁科先生)

血液検査では、甲状腺の機能や自己抗体の量などを調べ、それらに基づいてバセドウ病の診断をします。

このほかに、シンチグラフィという検査もあります。微量の放射性同位元素(ヨウ素)を含む薬を、カプセルで服用(もしくは静脈注射)し、薬から放出される微量な放射線から、甲状腺の大きさや機能を調べる検査です。仁科先生によれば、実際はそこまでは行わずに治療を開始することがほとんどとのことです。

ホルモン合成を抑える治療

服薬を2~3年続けホルモン正常化を目指す

薬物療法は、甲状腺ホルモンの産生を抑えるような抗甲状腺薬を内服するもので、まず、日本は圧倒的に多くの人(9割以上)が、この治療を選択します。最低でも1年から数年間の服用が必要になりますが、2~3年続けると、約半数の人は、薬をやめられるまでに甲状腺ホルモンが正常化します。

日本甲状腺学会のガイドラインでは、1日3回(ホルモンのレベルにより、1回1~2錠)服薬から開始して、徐々に減らして2~3日に1回ほどにして、最終的に薬が不要になることを目指します。

「決められた量の服薬を開始すると、2~3カ月以内に90%が正常化してきます。脈が緩やかになり、自覚症状が改善したことを実感してもらえるはずです」(仁科先生)

使える薬には2種類あり、いずれもホルモン合成を阻害する薬です。バセドウ病の原因と考えられているTSH受容体抗体にまで働きかける薬ではないので、根本的な治療と言うより、症状を抑えることを目指した治療です。ホルモンが正常化するまでの期間と副作用を比較し、学会ガイドラインでは、チアマゾール(メルカゾール®)を最初に投与する薬(第1選択薬)にしています。ただし、この薬を妊娠初期に服薬した場合、胎児に奇形を生じる危険性が報告されているため、妊娠初期の患者さんには、もう1つのプロピルチオウラシル(プロパジール®もしくはチウラジール®)という薬を用います。

薬の減量は経過を見ながら医師の判断で

いつ薬をやめられるのか、そのタイミングを確実に診断できるマーカーはありません。このため、医師が経過を見ながら判断し、より少ない量でもホルモンの正常範囲が維持できるかを確かめながら、減らしていくことになります。

「自己判断で減らしたり、やめたりすることなく、きちんと診察を受けることが大切です」(仁科先生)。後述しますが、妊娠など個々の事情も含め、医師と相談し納得したうえで治療をすすめていくことが欠かせません。

無顆粒球症

0.1~0.5%の割合で、無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)という副作用が出ることがあります。服薬中いつでも起こり得ますが、飲み始めて3カ月以内に発症することが多いので、服薬を開始した初期には、2~3週間ごとに通院して、チェックしてもらうことが大事です。

顆粒球は、白血球の分画の一つで「好中球・好酸球・好塩基球」のことです。顆粒球の大半は好中球で、好中球が0に近い状態にまで減少したものを無顆粒球症と呼びます。無顆粒球症は、白血球数(特に好中球数)が大きく減少するため抵抗力が落ちて感染しやすくなる病気で、のどの痛みを伴う高熱が出るなどの症状があります。もしも症状がでたら、一旦内服をやめて受診し、血液検査で白血球数や好中球数を測定してください。

他の治療法を検討する場合

症状が軽い人、甲状腺の腫れが小さい人では、抗甲状腺薬の効果が得られやすいです。しかし、薬の効果が不十分な場合や、無顆粒球症のような重大な副作用が出て服薬が続けられない場合などは、他の治療法を検討することがあります。

甲状腺を小さくする治療

外科手術とアイソトープ治療は、実施できる施設が限られますので、専門的な医療機関に紹介をして行う場合があります。バセドウ病では個々の甲状腺細胞がホルモンを作り過ぎていますが、甲状腺を小さくして細胞数を減らせば、作られるホルモン量も減らすことができます。手術は、それを体外から行う治療であり、一方のアイソトープ治療は、体内から行う治療です。

1 手術

甲状腺腫に腫瘍を合併している場合、内服薬やアイソトープ治療ができない場合、甲状腺腫が大きい場合、また早く確実に治したいという場合には、手術を選択します。

一般に、甲状腺の一部を残して残りを切除するという亜全摘(あぜんてき)術が行われ、機能の一部は残すことができます。場合によっては、甲状腺を全部切除する手術(全摘手術)が行われる場合もあります。

バセドウ病は甲状腺の血流量が豊富なので、手術中の出血も多くなりがちです。手術前にはヨウ素を多く投与してホルモンの合成を抑え、血流を減らすようにすると、出血量を減らすこともできます。入院して全身麻酔で行う手術ですが、1週間ほどで退院できます。

亜全摘術後、甲状腺機能が一時的に低下するような場合は、甲状腺ホルモン剤を内服することがあります。全摘術の場合は、生涯、甲状腺ホルモン剤を飲み続けることになりますが、適切に服用すれば、副作用のほとんどない薬です。

「手術治療では、傷跡が残ってしまわないか気になると思いますが、首のしわに沿ってメスを入れるので、そう目立ちません。手術後しばらくは、ハイネックを着たりして、カバーされるといいようです」(仁科先生)

2 アイソトープ治療

アイソトープ治療は、放射性ヨウ素のカプセルを1回だけ服用して、甲状腺を内部から破壊する治療です。服用したヨウ素は甲状腺に集まること、そもそも放射線量が低いことから、身体への影響はほとんどありません。

治療後半年たてば、妊娠にも問題がない安全な治療ですが、妊娠・授乳時期には受けられません。また、18歳以下の場合は、慎重に話し合って決めます。この治療は簡単で、手術のように傷が残ることもありません。再発はしづらいのですが、逆に治療から数年以上経ってから甲状腺機能低下症になって、甲状腺ホルモン剤が必要になる場合もあります。しかし先述のように、甲状腺ホルモン剤は副作用の少ない安全な薬です。

「それぞれの治療法には、長所と短所があります。主治医と十分相談しながら、ご自分に合った方法を選択してください」と、仁科先生は助言します。

表2 バセドウ病の治療
治療法 長所 短所
薬物療法 薬を飲むだけでよい。
甲状腺機能低下症になっても戻る。
副作用があり得る。
治療が長期にわたる。
再発が多い。
アイソトープ治療 カプセルを1回飲むだけでよい。
薬物療法に比べ短期間の治療ですむ。
副作用、合併症がほとんどない。
甲状腺の腫れが小さくなる。
再発が少ない。
治療を受けられる施設が限られている。
甲状腺機能低下症になりやすい。
手術 確実に治療効果が得られる。
甲状腺の腫れが小さくなる。
再発が少ない。
手術の跡が残る。
専門の施設が限られている。
甲状腺機能低下症になりやすい。
出典 バセドウ病アイソトープ治療Q&A
(日本甲状腺学会「バセドウ病131I内用療法の手引き」作成委員会編集)
仁科 祐子先生の詳細プロフィール
NTT東日本関東病院 仁科 祐子

NTT東日本関東病院 糖尿病・内分泌内科 医長

取得専門医・認定医

  • 日本内科学会内科認定医・総合内科専門医
  • 日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医
  • 日本糖尿病学会認定専門医
  • 日本甲状腺学会専門医

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