病気事典[家庭の医学]
おりもの<女性>
執筆者: 昭和大学横浜市北部病院院長 田口 進
女性に特有の症状
女性に特有の症状には、乳房、子宮・腟(ちつ)・卵巣などの病気や、月経の異常、妊娠や出産の異常などからくるものがあります。ここでは、そのなかから月経の異常、不正性器出血、おりもの、下腹部痛、乳房の病気についてみていきます。
女性特有の症状から考えられる主な病気
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
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- [ご利用上の注意]
- 一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。
おりもの(帯下)の異常
女性性器にはたくさんの分泌腺があり、そこからの分泌物(おりもの)が腟口から出てきたものを帯下(たいげ)といいます。
腟のなかは強い酸性になっています。腟口は、尿道と肛門の間に開いているため汚れやすく、内部に大腸菌などが入りやすいのですが、強い酸性のおかげで有害な菌から内部を守り、清潔に保つことができるようになっています。正常なおりものは、白くて薄い糊(のり)状またはクリーム状で、下着について乾くと、淡黄色ないしは褐色という状態が目安です。
おりものの色やにおい、量は、人によって、また年齢などによってもかなり差がありますし、さらに排卵時には量が増えてきます。感じ方もさまざまで、ちょっとした変化でも病気ではないかと心配する人もいますが、たいていは気にするほどではありません。
病気によるおりものは、その多くが腟や子宮の炎症、びらんによるものですが、がんが原因の場合もあります。色、におい、量や随伴する症状をあわせて調べることで、原因疾患のおおよその見当をつけることができます。