病気事典[家庭の医学]

むくんでいる(むくみ)

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むくみ

「むくみ」とは、血液中の水分が血管のなかから外ににじみ出し、異常に増加した状態で、「浮腫(ふしゅ)」ともいいます。おでこやすねなど、すぐ下に骨があるところを数秒間押して放すと、ペコッとへこんでしばらく元にもどらないなら、むくみと考えられます。

むくみから考えられる主な病気

主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。

症状 疑われる病気名
腎性浮腫 顔・手足のむくみ、尿が出にくい ネフローゼ症候群
血圧の上昇、血尿 急性糸球体腎炎
とくに下肢のむくみ、労作時の息切れ、胸苦しい 糖尿病性腎症
心性浮腫 足を中心とするむくみ、夕方強くなる、呼吸困難 慢性心不全 肺性心
肝性浮腫 多くは下肢のむくみ、腹痛、腹水、黄疸、手掌紅斑、意識障害 肝硬変
内分泌性浮腫 眼のまわり・顔・手足のむくみ、汗をかかない、寒がり 甲状腺機能低下症
顔がむくんで赤ら顔、手足が細くなる、おなかは太る クッシング症候群
栄養障害性浮腫 顔・下肢・全身のむくみ、腹痛、下痢、吐き気・嘔吐 メネトリエ病 蛋白漏出性胃腸症
手足のむくみ・しびれ感、動悸、筋力低下、脚気心 ビタミンB 1 欠乏症
静脈性浮腫 足の静脈の怒張、立位での足のだるさ・重量感・痛み、むくみ 静脈瘤
頭・まぶた・腕のむくみ 上大静脈症候群
リンパ性浮腫 夕方の足・かかと・手の甲のむくみ、皮膚の硬化 リンパ浮腫
その他 特発性浮腫 月経前緊張症 妊娠高血圧症候群 、悪性腫瘍など
[ご利用上の注意]
一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。

むくんでいる

人間の体重の約60%は水分で、さまざまな調節機構がはたらいて、その水分を常に一定に保っていますが、それが障害されるとむくみが起こります。

病気や異常がとくになくても、過労や睡眠不足、運動不足、女性の月経時や妊娠時などや、長時間乗り物に立って乗っていると足がむくむことは、日常よく経験します。

また、塩分のとりすぎや薬剤の服用(非ステロイド性抗炎症薬、血管拡張性降圧薬、ナトリウム含有薬、甘草製剤など)でもむくみます。

病気によるむくみは、腎臓、心臓、肝臓、内分泌系、静脈、リンパ節などの病気で起こります。

はっきりとした原因がないのに、全身性のむくみが周期的に起こるものを特発性浮腫といいます。このむくみは立位で誘発されることが多く、一般には夕方にむくみが著しくなり、下肢や手、腹部、顔に出現します。

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