病気事典[家庭の医学]
おなかが痛い(腹痛)<子ども>
執筆者: 昭和大学横浜市北部病院院長 田口 進
腹痛
おなかを痛がっていても比較的元気があり、全身状態がよい場合は、一度は診察を受ける必要はありますが、一般的には緊急性は少ないといえます。
腹痛に伴う症状では、とくに熱、吐き気、嘔吐、下痢、便の性状、顔色などが重要です。嘔吐や下痢があり、口から水分がとれない時や、血便が出てチアノーゼ(唇、爪、指先などが紫色になること)がみられる時は、急いで専門医に診てもらわなければなりません。
腸重積症は2歳以下、とくに生後4カ月から1歳までの乳児に起こりやすい緊急性の高い病気です。腹痛や嘔吐、不機嫌、急に激しく泣いては治まる間欠的啼泣(ていきゅう)、脱水、粘血便、ショック症状などが重なって現れ、続くようなら、夜間でも救急外来を受診する必要があります。
腹痛から考えられる主な病気
主な症状と、付随する症状から、疑われる病気を調べることができます。
病気名を選択すると、その病気の解説へ遷移します。
嘔吐
症状 | 疑われる病気名 | |
---|---|---|
発熱 | タール便、新鮮血便、貧血、腹部膨満 | メッケル憩室 |
繰り返す腹痛(とくに脂っこい食事のあと)・嘔吐・発熱 | 先天性胆道拡張症 | |
上腹部痛から強い右下腹部痛へ | 急性虫垂炎 | |
血便、下痢、意識障害 | 細菌性急性胃腸炎 | |
5歳以下、おなかのしこり、貧血、頻尿、足の麻痺、呼吸困難 | 神経芽細胞腫 | |
2歳以下、不機嫌、急に激しく泣いては治まる、血便、脱水、腹部膨隆 | 腸重積症 | |
吐血、タール便、貧血 | 消化性潰瘍 | |
少なくとも1カ月に1回、3カ月以上続く腹痛、痛みは1時間以内に治まる | 反復性腹痛 | |
血便、手足の紫斑、関節痛 | 血管性紫斑病 | |
便秘、腹部膨満・膨隆 | 腸閉塞 | |
その他 | 発熱のチャート 、 嘔吐のチャート 、 下痢チャート 、 便秘のチャート 、 感染症のチャート |
- [ご利用上の注意]
- 一般的な医学知識の情報を提供するもので、皆様の症状に関する個別の診断を行うものではありません。気になる症状のある方は、医療機関にご相談ください。
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